名古屋大学医学部付属病院で医療ミス、リウマチ患者の女性死亡…B型肝炎ウイルスの感染歴失念

2025年5月29日(木)10時21分 読売新聞

名古屋大学医学部付属病院(2002年)

 名古屋大医学部付属病院は28日、関節リウマチ患者の70歳代女性が2021年6月に死亡したと発表した。病院側は、B型肝炎ウイルスの感染歴がある患者に適切な治療をしなかった医療ミスとして、遺族に謝罪した。今後、賠償もする予定。

 発表によると、女性は08年から同病院リウマチ科を受診し、検査で感染歴が判明した。感染歴を持つ患者に免疫抑制剤を使う際、ウイルス再活性化のリスクがあり、消化器内科の医師は注意が必要などと担当医に助言した。

 しかし、担当医は、ウイルス量の異常値などがみられても消化器内科に相談せず、途中からは感染歴を失念。ウイルス量を調べる検査も行わなくなった。

 21年4月に肝機能が悪化した際は免疫抑制剤の副作用などと考え、精査せずに薬の一つを半減した。この措置が劇症肝炎を引き起こしたとみられ、女性は肝不全で亡くなった。

 病院の調査委員会は、適切な継続監視と治療が行われれば、死亡は回避できたと指摘。

 記者会見した丸山彰一病院長は「当院の医療行為が原因で不幸な結果を招き、心よりおわびする」と陳謝した。

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