梅雨前線の雲 その南に「台風」のたまご

2019年6月21日(金)19時19分 tenki.jp

日本の南には梅雨前線の雲。更に南には、台風のたまごとも言える「熱帯低気圧」の雲が少しずつ、まとまってきています。

熱帯低気圧の雲 令和初の台風は「3号」

日本の南には、梅雨前線が延びています。その更に南には発達した雲があり、カロリン諸島付近で少しずつ雲がまとまってきています。これは、熱帯低気圧の雲です。
熱帯地方で発生する低気圧のうち、東経180度以西の北西太平洋または南シナ海で、最大風速(10分間平均)が毎秒17.2メートル以上になったものを台風と呼びます。
カロリン諸島付近の熱帯低気圧が、もし台風になれば令和初の台風です。気象庁は、毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、台風の発生順に番号をつけています。今年は、1月に1号、2月に2号が発生しており、次に発生する台風は「3号」です。

台風の平年値 台風の季節へ

台風の発生の平年値は、年間で25.6個。8月が5.9個で最も多い月です。
台風の進路は、太平洋高気圧の位置や強さ、日本付近への張り出し方、偏西風の位置などによります。春先は、低緯度で発生し、そのまま西へ進んでフィリピン方面に向かうことが多くあります。夏になるにつれて、発生する緯度が高くなり、日本列島に向かうことが多くなります。日本への接近、上陸も8月が最も多くなっています。

梅雨前線と台風による大雨 「平成30年7月豪雨」

6月に発生する台風も、日本へ接近することは珍しくありません。
昨年2018年は、6月に4号から7号の4個の台風が発生し、5号、6号、7号が日本に接近しました。
2018年6月29日、台風7号は日本の南で発生し、東シナ海を北上。対馬海峡付近で進路を北東に変えた後、7月4日に日本海で温帯低気圧に変わりました。台風が接近する前から、日本海に延びる梅雨前線に台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、6月29日、長崎県島原と平戸で1時間に83.5ミリの猛烈な雨を観測。その後も、前線や台風7号の影響により、日本付近に暖かく非常に湿った空気が流れ込み続けました。
6月28日から7月8日までの総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超える所があるなど、7月の月降水量平年値の2から4倍となる大雨となった所がありました。西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨になりました。「平成30年7月豪雨」です。

台風予報が進化 「2019年の台風3号」から変わること

【台風強度予報の延長】
台風の強度予報は、これまで3日先まででした。台風3号からは、5日先まで延長して発表されます。強度予報とは、中心気圧や最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域などで、台風の暴風域に入る確率も5日先まで延長します。これまでより早い段階で、台風に備えることができるようになります。
【台風進路予報の改善】
台風の進路予報は、台風の中心が70%の確率で入ると予想される範囲を「予報円」として発表しています。台風の中心が、予報円内に進んだ場合に風速25メートル以上の暴風となる恐れがある範囲を「暴風警戒域」として示しています。台風3号からは、予報円の半径をこれまでよりも平均して約20パーセント小さくすることができ、暴風警戒域もより絞り込んだ予報が可能になります。
予報円は、これまでは予報のばらつきによらず、同じ大きさでした。台風3号からは、予報のばらつきが小さいと予報円は小さく、予報のばらつきが大きいと予報円は大きくなります。
【tenki.jpでは】「tenki.jp×JAXA 世界の雨雲の動き」で、これまで地上気象レーダでは観測できなかった低緯度帯での台風発生期・発達期の降水量分布予測を確認することができます。https://tenki.jp/jaxa/

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