今夏の北陸は猛暑予想 24日金曜はフェーン 今年初 気温35度以上の猛暑日地点も

2022年6月22日(水)17時33分 tenki.jp

今夏の北陸地方は猛暑となりそうです。熱中症を予防し、農作物の温度管理を徹底するようにして下さい。

向こう3か月の天候の見通し

6月21日、新潟地方気象台より、福井・石川・富山・新潟の4県を対象とした「北陸地方の向こう3か月の天候の見通し」が発表されました。
そのポイントは、「暖かい空気に覆われやすいため、向こう3か月の気温は高い」、すなわち、「気温のベースが高く暑い夏になる」ということです。
その背景には
①地球温暖化の影響等により、全球で大気全体の温度が高い。
②このあとも、ラニーニャ現象が続く可能性が高く、上空の偏西風はユーラシア大陸から日本の東にかけて平年より北を流れやすく、チベット高気圧は平年に比べ北に偏り、太平洋高気圧は北への張り出しが強い予想とのことです。
このため、今夏は、例年以上に熱中症予防や農作物の温度管理に十分注意し対策をすることが必要となりそうです。

ラニーニャの年は猛暑となりやすい!

2021年までの過去20年分を対象に、8月1ヵ月の毎正時の気温が30度以上の回数を調べました。その結果、ラニーニャ現象が発生していた2010年が最多で、新潟・富山・金沢・福井の4地点合計では1100回を超えダントツの1位となっていました。
また、月平均気温の高い方の記録を確認すると、福井・金沢・富山の3地点は2010年が観測史上1位、新潟は2位で、気温のベースが高いことに対応しているものと考えられます。
その他、2007年や2020年の夏もラニーニャ現象が発生しており、同様にして8月の毎正時の気温30度以上の回数の4地点合計を調べると、それぞれ800回や900回を超えていることが確認され、平常年であった前年よりも暑くなる傾向がみられました。
次に最高気温が35度以上の猛暑日の日数に着目すると、4地点合計ではやはり2010年が最多となっており、次いで多いのが平常年である2018年となっていました。
気温のベースが高い中、台風や低気圧、前線などが日本海を進む場合、南よりの風が強まり、山越え気流の風下で気温が上昇するフェーン現象が発生しやすく、35度以上の猛暑日地点が多くなることが予想されます。

24日(金)はフェーン現象で気温急上昇! 今夏初 35度以上の猛暑日地点がありそうです

24日は前線を伴った低気圧が日本海を発達しながら進む見込みです。北陸地方では、南北方向に流れる川沿いから先行して南よりの風が次第に強まるでしょう。午前中を中心に晴れて、早い時間帯から気温がグングン上昇することが予想されます。南よりの気流が山越えの風下で昇温するフェーン現象となり、今夏初、気温35度以上を観測する猛暑日となる地点がありそうです。
この時期はまだ暑さになれていない方も多くいらっしゃるでしょう。熱中症には十分注意して下さい。お一人で農作業をなさる方は、定期的に休憩をとる、喉が渇く前に水分をとることを心掛けましょう。ご高齢の方や小さなお子様に対しては周囲の大人が積極的に声掛けをすることも忘れずに行って下さい。

これからの時期 北陸ではこの天気図に注意!

このあと太平洋高気圧は北への張り出しを更に強め、前線は日本海に停滞しやすくなる見込みです。北陸地方には太平洋高気圧の縁を回って暖かく湿った空気が流れ込みやすくなるでしょう。停滞する前線に伴う大雨やゲリラ雷雨には十分注意が必要な時期となります。
北陸地方で特に注意が必要なのは
①東西方向にのびる前線が北陸付近に停滞する、または、ゆっくり南下しながら通過する場合。
②高気圧の中心が日本の南や東の海上にあり、北陸地方には高気圧の縁に沿って暖湿気が流入しやすい場合。
③前線の近傍を台風や熱帯低気圧が進み、前線に向かって強い暖湿気が供給されやすい場合。
等となっており、このような予想天気図の場合には注意が必要です。但し、前線の南北位置の予想は難しく、天気や降水エリアが直前の予想で大きく変わることがしばしばあります。それに伴い最高気温も予想と大きく変わることがあり、常に最新の予想天気図や天気予報の確認をして下さい。
もう一つは、梅雨明け速報の発表があった場合の注意点です。
梅雨明けの速報発表は経済を動かすトリガーとなるでしょう。
但し、これはあくまで速報値であり梅雨明けの確定値は、事後に精査されて9月頭に改めて発表されることになっています。2021年の事例のように、北陸で大雨となりやすいのは、梅雨の期間だけではありません。「梅雨明け速報発表≠大雨の季節の終わり」を忘れないで頂きたいということです。

石川県珠洲市では大雨警報・注意報の発表基準(土壌雨量指数基準)を通常の7割に引き下げて運用しています

石川県珠洲市では、地盤が緩んでいる可能性が高く、雨による土砂災害の危険性が通常より高いと考えられます。
これから梅雨の最盛期となり、雨の降り方が強まり総雨量が増えることが予想されます。少しの雨でも土砂災害が発生する可能性がありますので、がけの近くや急傾斜地には絶対近寄らないように心がけてください。また、最新の気象情報や天気予報にも注意して下さい。

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