経験にない記録的高潮の恐れ 沿岸・河口付近厳重警戒を

2020年9月6日(日)13時16分 tenki.jp

大型で非常に強い勢力の台風10号が奄美地方を北上中です。このまま勢力を維持した状態で九州にかなり接近し、記録的な高潮、高波の恐れがあります。海岸や河口付近にお住まいの方は厳重に警戒してください。

満潮時刻(九州・中国)

九州・中国地方の満潮時刻は御覧の通りです。台風が九州の西側を通ると予想されるため、台風の南風がダイレクトに吹き寄せられます。今回特に警戒が必要な場所は鹿児島県(薩摩地方、種子島・屋久島地方)、福岡県(北九州地方)、山口県(西部)、愛媛県(南予北部)です。警戒を要する期間は、鹿児島県と愛媛県で今夜はじめころから今夜遅くにかけて、福岡県と山口県では今夜遅くからあす(7日)未明にかけてです。

高潮発生のメカニズム

今回は複数の要因が重なります。
①:「吸い上げ効果」
台風の九州への接近時で935〜945hPaと近年でも稀に見る気圧低下が予想されます。理論上、気圧が1hPa下がると1センチ潮位が上昇します。仮に地上気圧が1000hPaとすると最接近時で中心に近い所では50センチ以上潮位が高くなるということです。
②:「吹き寄せ効果」
台風に伴う風が沖から海岸に向かって吹くと海水は海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面が上昇します。風が強く吹けばそれだけ、吹き寄せ効果が強化され、海面がより上昇します。
③:「大潮」「中潮」
今月2日の満月を中心に満潮と干潮の差が大きくなった状態で、きのうまで「大潮」、きょうは「中潮」と潮位の高い状態にあります。また、夏から秋にかけて海水温が高いなどの影響で、平常より潮位が年間でも高い時期ですので、これらの要因が重なり、満潮時を中心に潮位が高くなります。
◆今回は様々な要因が重なり、記録的な高潮の可能性が高くなっています。海岸や河口付近にお住まいの方は厳重に警戒してください。

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