秋の夜更かしが体重増に? 睡眠とダイエットの関係とは

2024年11月15日(金)13時0分 ウェザーニュース

2024/11/15 09:27 ウェザーニュース

秋に体重が増えてしまうのは、“食欲の秋”だけが原因ではありません。睡眠の質が悪くなって、体重が増えてしまうこともあるといいます。
「秋冬は手足が冷えて、布団に入っても寝付けない」という声を聞きます。そのほか“秋の夜長”には、夜更かしの誘惑も多く潜んでいます。もし睡眠不足が体重増の要因だとしたら、早急に手を打たなければなりません。
そこで、『ココロとカラダを整えるオトナ女子の休み方』(イースト・プレス)の著者で睡眠コンサルタントの友野なお先生に、睡眠と体重の関係について伺いました。

睡眠改善でマイナス15kgになった

友野先生は、睡眠を改善しただけで15kgもやせた経験をお持ちだそうです。どんな経緯で体重が増え、どうすればそんなにやせることができるのでしょうか。
「今から10年以上前の私は、将来への不安から心身がボロボロになり、何か人生の突破口はないかと朝方までネットサーフィンを続けていました。コンビニのジャンクフードを始めカロリーの高いものを暴飲暴食し、今より15kgも太っていたのです。
そんな私を見かねた母が、“一度全部忘れて、ぐっすり寝てみたら”とアドバイスしてくれました。半ばあきらめの気持ちで寝ようと努めましたが、当時睡眠の知識がなかった私は、良いと言われる睡眠法を片っ端から試しました。
私にとって最適の眠りは、午前0時に眠って朝7時に起きる7時間睡眠でした。睡眠が改善されると、あらゆることが好転し始めました。
その一つが食べ物の好みの変化です。自然とヘルシーなものに手が伸びるようになり、半年も経つと7kgも減っていました。睡眠で確実に心身と思考が変わることを実感した私は7時間睡眠を続け、もっとも太っていた時期よりマイナス15kgを達成。その後のリバウンドもありません」(友野先生)

睡眠不足が体重増につながる理由

正しく眠ればやせる、というのは科学的にも研究が進んでいるようです。
「睡眠とダイエットの関係を裏づける実験データをいくつか紹介しましょう。
スタンフォード大学の調査で、8時間以上寝ているグループと5時間以下のグループを比べたところ、5時間以下のグループは食べたいという欲求が強くなるホルモン(グレリン)の分泌が14.9%増え、満腹中枢を刺激するホルモン(レプチン)が15.5%減っていました。
つまり、睡眠が不足すると、ホルモンレベルから食べたいという欲求が湧き上がってくるのです」(友野先生)

アメリカのペンシルベニア大学では、8時間眠ったグループと徹夜したグループを比較した研究が行われました。
「その結果、徹夜したグループは、8時間眠ったグループより高カロリーで高脂質な食べ物を選ぶことがわかりました。睡眠不足はストレスを生み、判断力の低下も起こって暴飲暴食につながりやすいのです。
このようなデータから、睡眠不足が体重増の原因となることは証明されています。
確かに私も眠れていなかった頃は脂っぽいもの、ジャンクフードと呼ばれるもの、甘いスイーツなどを毎日大量に食べていました。眠れるようになったら自然とそういうものを食べなくなり、日中を活動的に過ごすようになって、自然とやせていったのです」(友野先生)

適切な睡眠を取るポイント

では、適切な睡眠とされる7〜8時間睡眠を実現するには、どのような工夫をすればいいのでしょうか。
「まず、安眠を阻害する悪影響を排除しましょう。脳を興奮させるブルーライトを浴びないように、寝る1〜2時間前にはスマホ、PC、テレビ、蛍光灯やLED照明をできるだけ遠ざけることです。“秋の夜長”をインターネットやゲームに費やすと、睡眠時間が削られるだけでなく睡眠の質が悪くなります。
次に『寝床内気候』を整えましょう。秋から冬にかけて眠りが浅くなるのは、寝具の暖かさが足りず手足が冷えるからか、暖かくし過ぎて汗をかき湿気がこもるからです。布団の中の温度は約33℃前後、布団の中の湿度は約50%に保ちましょう。
また、睡眠中の身体を休めるためには寝返りをちゃんと打つことも大切です。そのためにも、敷き布団は柔らかすぎず体が沈まないもの、掛け布団は軽くて保温性が高いもの、枕はその人の体に合った形状のもの、パジャマは摩擦の少ないものなどで、適度に寝返りが打てるような寝具を選びましょう」(友野先生)
美味しいものがいっぱいの“食欲の秋”。つい食べ過ぎてしまって体重が気になる、という人は、まずは適切にしっかり眠ることから始めてはいかがでしょうか。

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