週刊地震情報 2022.12.18 北海道後志地方で震度3 黒松内低地断層帯の近く

2022年12月18日(日)10時30分 ウェザーニュース

2022/12/18 10:36 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週に比べると少ない水準です。
特に地震が集中している所はなく、北海道から九州、南西諸島にかけてくまなく起きています。震度3以上の地震は4回発生しました。(12月12日〜18日10時の集計)

国内:北海道後志地方で複数の有感地震

後志地方の地震

15日(木)13時30分頃、北海道・後志地方西部を震源とするマグニチュード4.3、深さ13kmと推定される地震が発生しました。この地震で黒松内町、ニセコ町、寿都町、豊浦町などで最大震度3、伊達市、倶知安町などで震度2を観測しています。
また、13時50分頃と15時58分にもほぼ同じ震源で最大震度2を観測する地震が起きました。地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸をもつ逆断層型と推定されています。
後志地方西部を震源とする地震は多くはなく、気象庁の詳しい記録が残る1919年以降で、震度3以上は先月11月24日と今回だけです。
ただ、今回の震源は黒松内低地断層帯が分布している領域です。政府の地震調査研究推進本部は30年以内にマグニチュード7.3程度以上の地震が発生する確率が2〜5%以下としています。国内の主な活断層帯の中では発生確率が高いグループに属しており、今後の地震の発生に注意が必要です。

国内:奄美大島近海で16年ぶりのM6以上

奄美大島近海の地震

13日(火)23時25分頃、奄美大島近海を震源とするマグニチュード6.0、深さ37kmと推定される地震が発生しました。この地震で鹿児島県瀬戸内町で最大震度4、奄美市や伊仙町で震度3を観測しています。
奄美大島近海はフィリピン海プレートが沈み込んでいる領域です。深さ30km前後でM6クラスの地震が時々発生しています。奄美大島近海が震央の地震としては2006年11月のM6.0以来、16年ぶりです。1995年にはマグニチュード6.9、最大震度5(当時の震度階級)の大きな地震も起きており、油断ができません。

国内:日向灘で震度4 今年1月にも強い地震

日向灘の地震

18日(日)3時06分頃、日向灘を震源とするマグニチュード5.4、深さ約30kmと推定される地震が発生しました。この地震で宮崎市と日南市で最大震度4、宮崎県都城市や小林市、鹿児島県霧島市、鹿屋市、熊本県熊本市などで震度3を観測しています。
日向灘を震源とする震度4以上の地震は今年1月22日以来です。地震のメカニズムは東西方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、プレート境界型ではなく、プレート内部で発生したタイプとみられます。
1月に発生したマグニチュード6.6の地震よりも南の震源で、1961年に発生したマグニチュード7.0の地震に近い領域です。

世界:アメリカ・テキサス州でM5.4 先月も発生

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しました。最も大きな地震はアリューシャン列島近海で発生したマグニチュード6.3です。
日本時間の17日(土)朝、アメリカ・テキサス州でマグニチュード5.4、深さ約8kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北北西ー南南東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。浅い所で発生した地震のため、震央近傍では改正メルカリ震度階級でVIの揺れがあったとみられます。
震源付近に知られている活断層はないものの、近年は地震活動が活発になっています。アメリカ地質調査所によると、2018年以降、今回の震源周辺50km以内でマグニチュード2.5以上の地震が約120回発生しました。また、先月16日には西に200kmほど離れた所でマグニチュード5.4の地震が起きています。
このエリアの地震は人為的活動が関連しているとの研究があり、2020年の地震に関しては、廃水の注入が大幅に増加したことによって引き起こされたと結論付けられました。そのほかのアメリカ中部や東部で増加している地震には、採掘などの人為的活動が関連しているものが多いと考えられています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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