【世界最高のトレーナーが教える!】股関節を柔らかくし下半身のシェイプアップにも効果抜群の「ラテラル・ランジ」とは?
2024年12月21日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン
【世界最高のトレーナーが教える!】股関節を柔らかくし下半身のシェイプアップにも効果抜群の「ラテラル・ランジ」とは?
錦織圭、マリア・シャラポワ、大坂なおみ、ネリー・コルダ……指導した数々の選手を世界トップレベルに導いてきたトレーナー界のカリスマ、中村豊。彼に指導を受けた選手たちは、アスリートとして大幅なステップアップを遂げています。中村はトレーニングによってのみ身体能力が向上するわけではなく、必要なのは「トレーニング」「リカバリー」「栄養」の3つのメソッドだと語ります。そして、この3つを適切に行えば、一般の人でも身心が健全に整い、若さを持続できると主張するのです。その実践方法を分かりやすく具体的にまとめたのが、中村の初著書『世界最高のフィジカル・マネジメント』です。本連載では同書内容を踏まえて、誰もが簡単にできるトレーニングやリカバリー法を紹介していきます。今回は股関節の可動域を広げ、下半身のシェイプアップに効果的なエキササイズ「ラテラル・ランジ」を紹介します。ラテラルとは「側方の」「水平の」という意味で、ランジとは脚を前後に開いた姿勢で股関節や膝関節の曲げ伸ばしを行うトレーニングです。つまり、ラテラル・ランジは左右に脚を踏み込むエキササイズということになります。
Photo: Adobe Stock
股関節まわりの筋肉の柔軟性を高め美しいヒップラインを保つ
「ラテラル・ランジ」の第一の目的は、股関節(特にお尻と内もも)についている筋肉を柔軟にし、可動域を向上させることで、前傾姿勢(股関節から骨盤を前傾させる姿勢)を取りやすい身体づくりをすることにあります。
正しい前傾姿勢を保てると、アスリートであれば瞬発力が増し、競技パフォーマンスは飛躍的にアップします。また、筋力強化、可動域トレーニング、ストレッチの要素がすべて詰まっているこのエキササイズは、アスリートだけでなく、一般の方のトレーニングにも非常に効果的です。ケガの予防にもつながります。
さらに「ラテラル・ランジ」は血流も促進するので、ウォーミングアップの前半に取り入れると効果的です。美容の観点から見れば、お尻まわりの筋肉や内転筋の可動域を向上させることで、下半身のシェイプアップに絶大な効果があります。骨盤の角度を維持する役割や、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)を鍛えることで太ももからお尻にかけてメリハリのある美しいヒップラインをつくることもできます。
難しいけれど劇的な効果が期待できるエキササイズ
「ラテラル・ランジ」は内転筋とお尻の筋肉を活用するエキササイズで、見た目以上に難しいものの、大きな効果が期待できる運動です。敏捷性や方向転換に必要な動作を向上させます。特に球技をする人にとっては、競技レベルのアップに役立つはずです。
まず【写真1】のように上半身は真っ直ぐ起こし、両手は前に伸ばします。つま先は左右それぞれ15度ほど外へ向け、かなり大股に構えます。
【写真1】身体の垂直を意識する
次いで【写真2】のように左側へ腰を引き重心を落としていきます。注意点は、つま先と膝を同じ方向に向けることと、膝がつま先よりも前に出ないことです。さらに左の太ももが床と平行になるくらい深く重心を落とせればベストです。
【写真2】右足を後ろに引いたとき身体のバランスが崩れないように注意。背中は反らないようにする
この一連の動作を足を左右入れ替えて5回繰り返してください。フォームが安定してきたら、次第に回数を増やすとより効果が高まります。
(本記事は、『世界最高のフィジカル・マネジメント』から一部を抜粋・編集して掲載しています)
ストレングス&コンディショニングコーチ
1972年生まれ。高校卒業後アメリカにテニス留学。スポーツトレーナーという職業に興味を持ち、カリフォルニア州チャップマン大学で運動生理学、スポーツサイエンスを学ぶ。1998年、サドルブルック・テニスアカデミーのトレーニングコーチに就任。2000年、女子テニスプレーヤー、ジェニファー・カプリアティのトレーナーに就任し、翌年世界No.1に導く。2004年よりIMGアカデミーに所属し、錦織圭のトレーニングを14歳から20歳まで受け持つ。2011年よりマリア・シャラポワの専属トレーナーに就任。シャラポワの黄金期を7年間支える。2020年6月、大坂なおみの専属トレーナーに就任。わずか2ヵ月でスランプに陥っていた大坂を再生させ、全米、全豪と立て続けのメジャータイトル奪取に貢献。世界のプロスポーツ界で最も注目されるフィジカルトレーナーのひとり。トレーナーとしての豊富な経験と知識を生かし、一般の人に向けた入門書『世界最高のフィジカル・マネジメント』を上梓した。