深夜の激痛回避!繰り返す「こむら返り」のセルフケア法

2023年1月2日(月)20時30分 ココカラネクスト

 年齢が高くなるほど、夜中やスポーツ中に突然、ふくらはぎに痛みが走る、攣るなどが起こるのが「こむら返り」です。運動を始めた直後や終盤、寝ている間に起きやすく、あまりの痛みで動けなくなってしまうことがあります。こむら返りが起こる原因は何かを理解し、セルフケアをしましょう。

こむら返りは“痙攣”

 こむら返りは、主にふくらはぎの筋肉が異常に収縮して、痙攣(けいれん)することで起こります。この痙攣はふくらはぎだけでなく、実は、足の裏や指、太ももなど体のどの部位でも発生する可能性があり、運動中や就寝中、妊娠中や加齢によっても起きやすくなります。こむら返りを起こすと、強い痛みを伴いますが、ほとんどの場合は数分間でおさまります。

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“無意識”に筋肉が異常な収縮を起こす

 ふくらはぎなどの筋肉は、過剰な伸びや収縮により、傷んでしまうことがあります。こうした筋肉への負荷を防ぐために、伸びすぎを防ぐ筋紡錘(きんぼうすい)、縮みすぎを防ぐゴルジ腱器官という、2つのセンサーが備わっています。そのうちの腱紡錘の働きが低下すると、“無意識”に筋肉が異常に収縮し、痙攣を起こします。これが「こむら返り」です。

カルシウムが多くなり、カリウムが少なくなる

 筋肉の過剰な収縮を防ぐゴルジ腱器官の機能低下には、さまざまな原因が考えられますが、最も大きな原因は、ミネラルバランスの乱れといわれています。

ミネラルの代表格であるカルシウムやカリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあります。しかし、カルシウムが筋肉内に多くなると、筋肉は無意識に緊張しやすくなってしまいます。また、汗や脱水などによりカリウムが排出され、筋肉内のカリウムが少なくなっても筋肉は無意識に緊張してしまいます。

この2つのミネラルを調整しているのが、マグネシウムです。3つとも大切なミネラルですが、特にマグネシウムの不足はゴルジ腱器官の機能低下に大きな影響を与えるとされています。日本人に必要な摂取量は350mgほどで、海藻類に多く含まれています。

セルフケア方法

 ミネラルを積極的に摂りましょう。

予防するには、ミネラルの摂取が欠かせません。マグネシウムは、海藻類のほか、ナッツ類に多く含まれています。また、カルシウムは乳製品、大豆製品、魚に多く含まれています。カリウムは、イモ類、果物に豊富です。これらの食品はミネラルだけでなく、ほかの栄養価もすぐれていますので、海藻類や魚や季節の果物などを積極的に意識して摂取しましょう。

普段から水分補給を

 運動時や就寝時は、水分不足でこむら返りが起きやすくなります。運動中は、スポーツドリンクなどのイオンやミネラルを含む水分をこまめに補給しましょう。また、運動前にカリウムが豊富なバナナを食べるのも予防になります。就寝前にコップ1杯の水を飲むことも有効です。足が冷える人は、就寝時に靴下やストッキングを履くのも、予防につながります。

運動しなくてもしていても、大体1時間に100ml程度は水分を摂取する癖を普段からつけましょう。

筋肉や腱を柔らかくする「ふくらはぎのストレッチ」

 こむら返りの予防策としては、筋肉・腱を柔らかくする「ふくらはぎのストレッチ」が簡単で効果も期待できます。

<おすすめ①ストレッチ>
四つん這いから、しっかり踵を床につけて、膝を伸ばし、両腕の間に頭を入れて背中を真っ直ぐにします。太ももとふくらはぎの筋肉がしっかり伸びます。そして、息を吐きながら15秒キープすればOKです。再び四つ這いになり、3回繰り返しましょう。ふくらはぎや太ももの筋肉の伸びを感じてください。

攣ってしまった場合の応急処置としてもこのポーズは使えます。その場合、無理矢理伸ばすと筋肉や筋膜の損傷を起こしてしまうのでゆっくり行いましょう。

<おすすめ②筋膜リリース>
fasciaという概念もこむら返りには重要です。

近年運動や医療で注目されているのがfascia(ファシア)です。fasciaとはいわゆる筋膜のことです。fasciaはあらゆるところに存在します。こむら返りになりやすい人の特徴の一つにfasciaの硬さも原因としてあげられます。

自分のfasciaをチェックしよう。

ふくらはぎや太ももの裏、脛の前の皮膚を親指と人差し指でつまんでみましょう。

つまめなかったら表面のfasciaが硬くなっている可能性が高いです。このfasciaの硬さが原因で水分不足やイオンバランスの崩れが起きることもありますので、fasciaの硬さもしっかりとケアしていきましょう。

<おすすめ③ふくらはぎのコンプレフロス>

 コンプレフロス(=フロスバンド)とは、コンディショニングや競技のパフォーマンスアップに適した天然ゴム製のバンドです。こむら返りを繰り返す部位に、適度な圧をかけてコンプレフロスを巻きます。そして、2分を目安に捻じったり、伸ばしたり、動かすことで、かたまった筋肉をほぐすようなイメージです。コンプレフロスを外すと、体の変化が感じられるはずです。

コンプレフロスを使った施術「フロッシング』というテクニックは、「巻いて・捻って・伸ばして・動かす」というシンプルな方法ですが、とても奥が深い技術です。

▼コンプレフロスの使い方はこちら
株式会社サンクト・ジャパンHP https://www.sanct-japan.co.jp/

 自分にあったケア方法を見つけて、こむら返りを起こさない体にしていきましょう。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

大野有三

理学療法士/健康運動指導士/Easy flossing master trainer
2009年 中京大学体育学部体育科卒業
2011年 国際医学技術専門学校卒業

コンディショニングサロンPhysio fit代表 (フィジオ・フィット) トレーナー。

Easy flossing master trainerとして2017年からfascia×循環のドイツ生まれのコンディショニングツールであるコンプレフロスを使ったコンディショニングを提供。Easy flossing アカデミーの代表講師としてEasy flossingトレーナーの育成事業を歴任。トレーナーとしてもランナーのパフォーマンスアップや慢性的な痛みのあるクライアントのコンディショニングを中心として活動している。

モットーは「年齢、環境、怪我に関係なく楽しくワクワク生活・仕事・趣味・スポーツが最大限謳歌できる身体づくりの教者たること」。

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