一人でYouTubeを見ているときに声を出して笑っているか…緊張しても笑顔でうまく話せる人がやっている3つのこと

2024年3月13日(水)17時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/5./15 WEST

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笑顔で楽しそうに話せる人は何をしているか。緊張しいから話し方のプロになった丸山久美子さんは「クセは出ないように気をつけても、緊張した状態ではふとした瞬間に出てしまう。ただし、直そうとするのではなく、自分のクセを知り新しい習慣を身につけることでそのクセが出ないようにするといい。また、家で一人でもYouTubeやテレビで面白いと感じたら声を出して笑う習慣をつけることで、日常的に心と笑い声が連動できるようになると、緊張する場面でも楽しめたり笑って話せたりするようになる」という——。

※本稿は、丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。


写真=iStock.com/5./15 WEST
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/5./15 WEST

■緊張するシーンではつい無意識にクセが発動する


クセとは、無意識についしてしまう言動のことです。


面白いもので、緊張して話すとその人特有のクセがあちこちから出てきます。


何度も何度も髪を触りながら話したり、「え〜と……」とか「あの〜……」と言ってしまうことが多かったり……心当たりのある方もいるのではないでしょうか。


リモート会議中に、鼻をすするクセがある人を見かけました。


きっと、ご本人は気づいていません。


他の人が話しているときは静かなのですが、自分が発言することになるとクセが発動し、鼻をすすり始めます。しかも、1分間に3回くらいという高頻度で鼻をすするのです。


いくら話の内容がよくても、途中で「ズビッ」「ズズズッ」と鼻をすする音が入ってくるので気になって仕方ありません(泣)。


意識して会議中に鼻をすする人はいないと思います。その人は、リモート会議でお会いする度に鼻をすするので、きっとクセなのでしょう。


クセを直すのは至難の業です。


例えば、先ほどの人に「鼻をすするクセを直しましょう」と伝えたら、きっと会議中に鼻をすすらないよう本人は気をつけると思います。


しかし、緊張するシーンではつい無意識にクセが発動する瞬間があります。鼻をすすった瞬間、ご本人は気づくはずです。そして「やばい! すすっちゃった!」と焦ることでしょう。


■クセを直すではなく新しい習慣を身につける


1度焦ると負のループが始まります。焦って→鼻が気になって→焦って……を繰り返すうちに、どんどん集中力がなくなり、うまく話せなくなります。


もしかしたら、今まで鼻をすすって恥をかいてきたことや、直せないことへの劣等感、うまく話せない自覚などが重なって、人前で話すことが苦手になっていくかもしれません。


クセに気づいた以上、直したいと思う気持ちはわかります。


しかし、クセが出ないよう一生懸命気をつけても、緊張した状態では、ふとした瞬間に出てしまうものなのです。


では、どうすればいいのでしょうか?


オススメは、新しい習慣を身につけることです。


例えば、私には、緊張すると髪を触りながら話すクセがありました。


触らないように努力しても、どうしてもつい本番中に触ってしまうことが多く、気づいた瞬間から負のループが始まります。「また触っちゃった!」と気になって、他のことまでミスをするようになりました。


そこで、別の方法を取り入れることにしたのです。


両手に、何かしらの物を持つことにしました。右手にマイク、左手にパワーポイントを操作するためのリモコンを持つことにしたのです。両手がふさがっているので、髪は触れません。


こうして、新しい習慣を身につけた結果、髪を触るクセをなくすことができました。自分のクセがわからない人は、自分のことを録画・録音してみたり、信頼している人に聞いてみるといいでしょう。


自分のクセを知ることは、話し方を上達させるための大きなポイントとなります。


あなたには、どんなクセがありますか?


クセとはまったく異なる方法の、新しい習慣を考えてみましょう!


■家で一人でも面白いと感じたら声を出して笑う


家でテレビやYouTubeなどを見ていて面白いシーンが流れたとき、あなたはどんな風に笑っていますか?


……え? 笑っていない⁉


それは危険です!


今日からは面白いと感じたら笑ってください!


口角を上げてニヤリとするのではありません。


声を出して「あはははは!」と笑うのです。「一人暮らしだから、1人で声を出して笑うなんておかしいでしょ」とかおっしゃらずに!


写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/byryo

面白いと感じたら、ぜひ声を出して笑う習慣をつけてほしいのです。


中小企業にお勤めの若手社員Aさんから、このような相談を受けたことがあります。


「人と笑顔で話せるようになりたいんです。どうすればなれますか?」


Aさんと同じように、笑顔で話せるようになりたいと感じている人はとても多いようです。


私が運営しているYouTubeチャンネルでも「楽しそうに見える笑顔の作り方」というタイトルの動画がいちばん再生されています。


ウソっぽい表情ではなく、楽しそうな笑顔で話せるようになるためには、2つのポイントがあります。


1つ目は、楽しいと感じる心があること、


2つ目は、声を出しながら笑えることです。


社会で生きていると、なかなか自分の思い通りにはいきません。頻繁にストレスを感じたり、「腹が立つ」「嫌だなぁ……」と思うことも当然あるでしょう。


そして、毎日不満を感じてばかりいると、いつしか心は、楽しさを感じられなくなってしまうのです。「最近ぜんぜん笑ってないです」と言う人も、実際とても多いです。


だからまずは、「楽しい」と感じる心を育てる習慣をつけてください。


■面白い映像を見て、「楽しい」と感じる心を育てる


そこで役立つのが、テレビやYouTubeです。


意図的に、面白そうな番組や動画を狙って見てみてください。ニュースなどのネガティブな情報が多い番組は避けましょう。


面白い映像を見て、「楽しい」と感じる心を育てるのです。


そして、楽しさを感じられるようになったら、声を出して笑ってみましょう。


「あはははは!」と笑うのです。


最初はぎこちない笑い声になると思いますが、問題ありません。


心が動いた瞬間に、笑顔を発動させ声が出せれば合格です。


私たち人間は、話すときには必ず口を開けて声を出しています。


だから、笑顔を練習するときも、口を開けて声を出さないと練習にならないのです。


よく、口を閉じて口角だけ上げた「ザ・作り笑顔」で練習する人がいますが、この練習をしても笑顔で話せるようにはなりません。


繰り返しになりますが、必ず口を開けて、声を出してください。


日常的に心と笑い声が連動できるようになると、緊張する場面でも楽しめたり笑って話せたりするようになります。


「ザ・作り笑顔」で口角がピクピクして冷や汗をかくよりも、ずっと過ごしやすくなりますよ!


■聞いてみる以外に答えが出る方法はない


今、出張先のホテルにあるフリースペースにいます。


目の前には大きな窓があり、よく晴れた青空が見渡せて気持ちがいいです。


これから東京へ戻るのですが、チェックアウトのあと電車の時間まで2時間もあります。この付近はカフェなどの居場所がないので「2時間もどこでどう過ごせばいいんだ……」と困っていました。


そこで、ホテルの受付でこう聞いてみたのです。


「チェックアウトのあと、フリースペースをお借りすることは可能でしょうか?」


受付の人は「もちろんです! ご自由にご利用ください!」と快く答えてくださいました。


写真=iStock.com/mmac72
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mmac72

私は、こんな些細なことを聞くだけでも緊張します。


「もしかしたら、フリースペースにいさせてもらえるかもしれない。でも、断られたらどうしよう……」と、妖怪どうしようが現れるからです。


緊張を理由に逃げていた頃の私なら、断られたら嫌だからと聞かずに諦めていました。でも、今は違います。


「ダメ元でいいから聞いてみよう!」と思えるようになったのです。


このフリースペースを使えるか使えないかは、ホテルの人が決めることです。私が判断することはできません。だからこそ、聞いてみなくてはわからないですよね。


このような場合は、聞いてみる以外に答えが出る方法はありません。


■自分の事情ではない、ひとこと目からのセリフを作る


受付の人へ声をかけること自体ドキドキしますが、そんなときは、声をかける前に頭の中でセリフを考えるのがオススメです。


出だしでオロオロしたくないので、私はひとこと目からセリフを作ります。


「すみませ〜ん、ちょっと伺ってもいいですか?」


ここで、フリースペースを借りたい理由を述べたくなりますが、私の事情は相手に関係ありませんから、グッとこらえて……。まずは聞きたいことを伝えます。


「チェックアウトのあと、フリースペースをお借りすることは可能でしょうか?」


今回は、受付の人がすぐにOKと答えてくれました。


OKの場合は、ここで理由とお礼を伝えます。


「ありがとうございます! 実は、電車の時間まで2時間あって居場所に困っていたんです。とても助かります!」


受付の人は「そうでしたか! ゆっくりご利用いただいて大丈夫ですよ!」と言ってくれました。


おかげで、こうしてゆったりした気分でこの項目を書けています。


相手が答えを決めることは、聞いてみなくちゃわかりません。


妖怪どうしようが行く手を阻みますが、「ダメ元で聞いてみよう」と思うことで退治できます。聞く前にセリフを考えればなおよしです♪


■世の中は、想像以上に優しい


ダメ元で聞けるようになってわかったことがあります。



丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)

世の中は、想像以上に優しいということです。


困っていたら快く助けてくれる人が多いです。


ただ、聞く前から優しくしてもらうことを期待すると、逆の結果だったときに傷つきます。世の中色々な人がいますから、いいときもあれば、悪いときもあります。


だからこそ、期待はせずに「聞いてみなくちゃわからないから、ダメ元で聞いてみよう」と思うのがポイントです。


今まで聞けずに諦めていた人は、ぜひ次のチャンスにダメ元で聞いてみましょう!


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丸山 久美子(まるやま・くみこ)
株式会社シャベリーズ代表取締役
18歳から展示会を中心としたイベント業界で従事。もともと緊張しやすい性格だが「人前で話せるようになりたい」と思いMCとして活動するも、ステージ上で頭が真っ白になったり、手が震えてマイクを落とすなど数々の失敗を経験。緊張を克服しようと試みたが、逆にストレス過多となり心身症を発症。緊張を克服するのではなく、独学で緊張と上手く付き合う方法や話し方を身につけ、年間385本の仕事をこなすMCに成長。企業のプレゼン代行、イベントや結婚式での司会進行、ラジオパーソナリティ、生放送通販番組のMCなど、人前で話す仕事を3000回以上経験する。2020年に株式会社シャベリーズを設立。現在は、人前で話せるようになりたいと願う人々へ、オンラインスクールや企業研修、行政や商工会議所でのセミナーを通じて、緊張との付き合い方や話し方のトレーニングを提供している。著書に『』(同文舘出版)がある。
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(株式会社シャベリーズ代表取締役 丸山 久美子)

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