みんなのコード、「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル基本方針」を発表

2024年3月27日(水)18時46分 PR TIMES

 特定非営利活動法人みんなのコード(神奈川県横浜市、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小・中・高等学校でのプログラミング教育等を中心に、情報教育の発展に向け活動してきました。
 みんなのコードは、次期学習指導要領において、小・中・高を通じた体系的・継続的な情報活用能力を育成する枠組みが必要であると考え、2022年4月に「2030年代の情報教育のあり方についての提言」をリリースしました。またこの内容を発展させ、より具体化したものとして、今後の情報教育を見据えた「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル基本方針」を本日発表いたします。
 本実証研究の実施にあたっては、子ども・若者の未来を支援する公益財団法人日本財団(東京都港区、会長:笹川 陽平)に、「公教育における情報教育の発展と共創による地域格差の是正」プロジェクトとして助成いただいています。

カリキュラムモデル基本方針


本報告書には、みんなのコードが考える「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル基本方針」として、以下をまとめています。

カリキュラムモデル基本方針
1 時代性・子供たちの認識と多様性の実現
 1-1 時代性の認識
 1-2 子供たちの現状の認識
 1-3 多様性の実現に向けて
2 学習の基盤としての情報活用能力
3 継続的に情報を学ぶ
4 体系的に情報を学ぶ
5 学習方法の改革

事例紹介
⚫︎小学校
⚫︎中学校
⚫︎高等学校 

「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル基本方針」
URL:https://speakerdeck.com/codeforeveryone/curriculum-model-basic-policy

課題の認識


 みんなのコードは、子供たちが生きるこれからの社会を描く上で、情報技術が21世紀の価値創造の源泉であると考えています。諸外国においては、国をあげてデジタルテクノロジーに関する教育が推進され、国のカリキュラムが展開された後も継続的な改善が行われています。
 我が国でも、現行の学習指導要領においては、情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力として位置付けられています。さらに、GIGAスクール構想の推進や高校情報Iが大学入試共通テストに新設されるなど、情報活用能力の育成に日本が積極的に取り組んでいることも伺えます。一方で、各学校段階における児童・生徒の情報活用能力の体系的な育成については、小・中学校では、情報を体系的に扱う時間がないなどの課題があります。

継続的・体系的に学ぶ


 みんなのコードでは、小学校から高等学校までの12年間を通じた体系的な情報教育の枠組みを以下のように考えました。

小学校:「情報を学ぶ時間」の新設
主体的・体験的な活動を通じて、自分たちの生活と「情報」の結び付き、教科等と「情報」との関連に気付き、自分の課題解決や他教科等において積極的に情報活用能力を発揮し、その可能性を感じながら自らの表現に生かそうとすることを目指します。

中学校:「技術・情報」科の新設
基礎的な知識と技能を身に付け、自らの表現だけでなく、他者や地域社会に関わる課題を解決するための創造的な活動と表現の方法について考え、他教科等の学びにも生かそうとすることを目指します。

高等学校:「情報」の必履修科目の充実
「情報」科で学ぶ知識と技能を十分に発揮し、自己や他者、社会における様々な問題を情報と情報技術との関連から捉え、課題の設定と解決に向けた表現や創造的な活動に取り組むことを目指します。

また、みんなのコードがこれまで取り組んできた学校での実践研究から得られた知見と、現行の高校情報科の内容を基に、初等中等教育段階の情報教育を以下の6つの領域に整理しました。
A 情報と社会
B 情報デザイン
C コンピュータの仕組み
D ネットワーク
E アルゴリズムとプログラミング
F データと分析

学習方法の改革


 これから変化の激しい社会に生きる子供たちが、向き合うことになる未知の問題には、明確な一つの解はありません。様々な分野の知見を融合した、前例にとらわれない多面的なアプローチが必要となります。それぞれの子供たちが自分のよさを発揮し、失敗を恐れず他者と協働しながら実行に移していくことを可能にするための力を育成するためには、与えられた解を覚えるだけの主体的な活動がない知識偏重の学習観・教育観から脱却する必要があります。
 次の時代を生きる子供たちにとって、能動的、主体的に問題を発見し・解決を図っていく資質・能力を育成するには、「つくることで学ぶ」ことを学習の重要な観点とし、学びの過程を最大限評価することが必要であると考えます。
 みんなのコードは、引き続き、全国各地の小中高との情報教育における研究、および関係者との議論を深め、情報教育のより良い仕組み作りを進めてまいります。

みんなのコード 代表理事 利根川 裕太 コメント


 このたびみんなのコードが提案する「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル基本方針」は、多くの学校現場での実践や貴重な知見を基に構築されました。まずは、これまでの共同研究や実践に協力してくれたすべての皆様に心から感謝を申し上げます。
 現在は、AIやデータ活用、プログラミングなどの情報技術を、生き方そのものを良くする手段として、誰もが利用する時代です。そのため、私たちは、子供たちが「つくる」ことの価値を理解し、テクノロジーを活用することで自らが主体的に学び、創造する力を育成することを強く推進しています。
 私たちのビジョンは「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」ことです。これは、単に技術を使うだけではなく、それを理解し、自らが創り出す喜びをすべての子供たちに届けることにあります。このためには、学校での実証研究に留まらず、得られた成果を体系化し、わかりやすく整理して情報教育の枠組みを設計することが私たちの使命であると考えています。今回の提案が、すべての子供たちが情報技術を活用し、その可能性を最大限に引き出せるような教育を実現するための議論の一助となることを願っています。

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
特定非営利活動法人みんなのコード Code for Everyone
メール:pr@code.or.jp

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