いよいよ筑波大学に進学…秋篠宮さまと紀子さまが悠仁さまに中学時代から強く勧めていた進路の選択肢

2025年4月5日(土)8時15分 プレジデント社

筑波大学筑波キャンパス(写真=Kanrika/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons)

秋篠宮家の長男、悠仁さまは今年4月から筑波大学生命環境学群生物学類に進学する。秋篠宮家と30年以上の親交を持つジャーナリストの江森敬治さんは「当時高校3年生だった悠仁さまについて記者から質問をされた際、秋篠宮さまも紀子さまも、外国留学を強く勧める姿勢を見せていた」という——。(第1回/全3回)

※本稿は、江森敬治『悠仁さま』(講談社ビーシー/講談社)の一部を再編集したものです。


筑波大学筑波キャンパス(写真=Kanrika/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

■「本人が何をしたいかが大事」


高校に進学する際、悠仁さまの進路は注目されたが、高校卒業後、大学の進学先についても、さまざまな憶測が週刊誌などで飛びかった。


「どうやら、東大農学部を志望されているらしい」
「北海道大学や京都大学の可能性もあるのではないか……」

など、有名国立大学から、私立大学まで、複数の大学名があがっていた。


2023年11月27日、誕生日を前にした記者会見で悠仁さまの高校卒業後の進路について記者から尋ねられ、秋篠宮さまはこのように答えている。


「卒業してたとえば大学に行くというときに、本人が何をしたいかということがやはり一番大事なのだと思います。そういうことができるような場所に行ってくれたらいいのではないかなと私は思います」

■一番関心が強いのは「トンボ類」


同じ頃、悠仁さまが2人の研究者らとともに手がけた論文『赤坂御用地のトンボ相—多様な環境と人の手による維持管理』が発表された。


住まいのある赤坂御用地内に生息するトンボをモニタリング調査したものだ。


記者会見で秋篠宮さまは、「おそらく一番関心が強いのはトンボ類のこと、トンボについてなのですけども、そのトンボ類の調査をしていることや、また、かなり以前からやはりお米についても調べていましたので、実験をしたりとか、ということもしております」と、トンボ類の調査について話し、あわせて、お米のことについても付け加えた。


■「あっという間に18年は過ぎるもの」


2024年4月、悠仁さまは高校3年生となった。2024年9月6日、18歳の誕生日で成年となったことで、「悠仁さま、どこの大学に進学するのか」という報道が週刊誌や、ウェブニュースでさらに熱を帯びてきた。まさに国民の一大関心事となった。


秋篠宮さまはこの年の11月30日、59歳の誕生日を迎えたが、その直前に行われた記者会見で、18年間の長男の思い出などについて次のように答えた。


「ただ、私もずっと20歳の成年という認識できておりますし、……(中略)その18歳の成年というのにまだ慣れていない、周りも慣れていないこともありますし、高校の在学中です。そのようなことから、今一つ私としては実感が湧いていません」


「本当にあっという間に18年は過ぎるものだなと強く思っているところです。子どもの頃というのは1年がすごく長く感じるように思います。私も小学校の6年間だけはとても長かったように思います。ただ年齢を重ねるにつれて、どんどん時間が短く感じられるようになって、親の立場で見ると、本当についこの前までチャイルドシートに乗っていた子どもが、もう成年なのかと思うとじつにときの流れが速いということを実感いたします」


その上で、悠仁さまが小学校高学年の頃の父親の失敗談というか、ほのぼのとしたエピソードを紹介してくれた。


「長男が小学校6年生ぐらいのときのことです。学校では、たとえば地震があったりとか緊急時に親が引き取りに行って、連れて帰るという、その練習があるんですね。たまたまあるとき、妻が用事があって行けなかったことがあり、私が代わりに引き取りに行きました。学校で子どもを引き取ってから、……(中略)ある一定の距離は徒歩で帰らなければいけないのですね。私もそうしたのですが、残念ながら私は空間認識が非常に悪いんです。


いつもエレベーターを降りても大体逆に行くようなことが多くて、方向が定まらないから、息子を引き取ったのはいいけれども、道を歩いて、二つに分かれたところをどっちに行っていいかわからないのですね。


そういうようなことがあったもので、ほとんど帰り道は長男に手を引かれて、彼が行くままに従って行ったということがありました。そのときにずいぶん成長したんだなということを感じました。それが一番強い思い出ですかね。強く印象に残っていることでしょうかね」


■皇位を継承する立場の悠仁さまへの期待


記者からの「成年にあたって、かけられた言葉を教えてください」との質問には、「いかんせん高校3年生の忙しいときですし、そのときに取り立てて何か声をかけたということはないと思います。……(中略)成年後、実際にはもうちょっとあとが多いと思いますけれども、いろいろなところから声がかかることが予想されます。そのときに、声をかけていただいたものに関わるときには一つ一つ大事に思って丁寧に取り組んでほしいということは、成年にあたってというよりも、一定年齢になってからの話として、たびたびにいたしました」と、話した。


将来、皇位を継承する立場である悠仁さまへ期待することについては、このように語っている。


「一つ一つ自分が関わる仕事を大事に思って、取り組んでほしいということですね。今の段階ではそのことでしょうか」

さらに、悠仁さまの今後の進路については、


「今おそらく最も忙しい時期ですね。高校3年生の秋ですから、多くの高校3年生と同じように毎日を忙しく過ごしています。進路については、これはもちろん話し合うことはあります。以上です」と、秋篠宮さまは答えるのにとどまった。


■両親とも海外留学を強く勧める


秋篠宮ご夫妻は2024年12月3日から8日まで、トルコを公式に訪問した。その出発前にもご夫妻そろって記者会見に応じたが、両親とも悠仁さまに外国留学を強く勧める姿勢を見せ、注目された。


「長男には海外で学ぶ機会を得てほしいと思っています」
「海外で学びを深めてくれたらうれしいなと、親としては思っております」

日本とトルコの外交関係樹立100周年の節目にあたり、トルコを公式に訪問する秋篠宮ご夫妻は11月25日、東京・元赤坂の赤坂東邸で記者会見した。将来、皇族として国際親善を担うことになる長男で筑波大学附属高等学校3年生の悠仁さまについて、海外への留学を勧めるかなどと、記者から尋ねられた秋篠宮さまはこのように答えた。


学習院大学を卒業した秋篠宮さまは、イギリスのオックスフォード大学大学院動物学科で学んでいる。自らの体験を踏まえ、この会見ではより具体的に、海外留学の必要性などについて次のように語っている。


「今暮らしているところと違う場所、また違う文化のところに行って、そこから日本を見つめ直すこともできましょうし、また、その機会を使って、いろいろなところを回って、見聞を広めるという意味でも大事だと思います」


「本人が大学に入ったら学びたいと言っているのが、自然誌分野なわけですけれども、もし、自然誌の分野で、さらに深めようと思うときに、私の経験からでも言えることではありますけれども、欧米は資料を日本と比べものにならないぐらい持っております。私自身も若い頃に、資料をいろいろ調べるときに、とにかく見たいものがすぐに出てくるというような、日本では考えられないような経験をしました」


オックスフォード大学(写真=Dmitry Djouce/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons

■遠く海の向こうから日本を見て考える


父親の研究や勉強の関係で、アメリカやオーストリアで暮らしたことがある紀子さまは、次のように答えている。


「やはり長男には、若いときに、もし機会があれば、海外で生活を送り、また、そこの大学で、学校で学ぶ機会があればよいのではないかと話すことがあります。海外での生活は、新しいことを経験したり、慣れないことに直面したりすることもあれば、何か懐かしいと思うようなこと、景色に出会うこともあるように思います」


「私は子どもの頃に、家族と一緒にアメリカやヨーロッパで生活していました。そのような経験から、日本とは異なる文化や自然環境に直接ふれて暮らすこと、困ったときには助けられたり、また、困っている人がいたら助けたりしながら、何かいろいろな思い出をつくりながら、見聞を広げていくことも大切であると思っています。……(中略)遠く海の向こう側から日本を見て、考える、そして、そこからまた学んでいく、そういう機会もあってもいいのではないかと思っていることを、長男に限らず娘たちにも話してきました」


秋篠宮ご夫妻は同じ考えのもとで、悠仁さまに外国への留学を勧めていることを明かした。


■「将来的にも非常に有意義なこと」


秋篠宮さまの発言はさらに続いた。


「息子にも、折々に私は海外に行ってそこで学ぶことを勧めています。おそらく、以前、たとえば中学生ぐらいの頃、話したときに比べると、やはり本人も海外に身を置いて、そこで学ぶことの必要性というものを最近は感じるようになってきたような印象を私は受けております」

2019年8月、「平成」から「令和」へと代替わりしてから間もない頃、お茶の水女子大学附属中学校1年生の悠仁さまは、夏休みを利用して両親とともに私的にブータンを旅行した。これが、悠仁さまにとって初めての外国旅行であり、海外体験の第一歩だった。その年の11月、誕生日を迎える前の記者会見で秋篠宮さまは、長男の教育方針などについて次のように語っていた。


「日本の国内、いろいろな場所を訪ねてほしいと思っています。これは、日本も地域地域でやっぱりそれぞれの興味深い文化があります。それから、その文化の背景になる自然環境もあります。そういうものを知っておくということは、将来的にも非常に有意義なことだと思います」

このように、日本各地を訪れることも望んでいた。こうして見てくると、外国に限らず国内もよく見て歩き、とにかく見聞を広めることが、とくに若い悠仁さまにとっては大切なのだと秋篠宮さまは考え、それを本人にも伝えているらしい。


■学びたいのは「自然誌」


こうした秋篠宮さまや紀子さまの考えもあり、私は悠仁さまの進学先について、東京の大学に絞ることなく、国内各地の特色のある素晴らしい大学や外国の大学にまで視野を広げて、進路を選ぶのではないだろうかと期待していた。思い出すのは、2024年3月、宮内庁皇嗣職が悠仁さまの進路に関し、以下のように発表したことだ。


「ご自身が非常に関心をお持ちのものの一つが自然誌で、昆虫などやそれらの生息環境の観察や調査をされたり、書物を調べられたり、専門家の話を聞かれたりしながら、フィールドワークを行ってこられました。……(中略)ご自身が探求されたいことをさらに学び、幅広い視野を身につけることを目指し、ご関心のある分野を学ぶことができる大学への入学を目標に、熱心に勉学に励まれているようにお見受けいたします」

先に紹介したトルコ訪問を前にした記者会見で、「本人が大学に入ったら学びたいと言っているのが、自然誌分野なわけです……」と、秋篠宮さまがふれたように、悠仁さまは自然誌に関心を持ち、大学では自然誌の分野を学び、さらに勉強を深めたいと考えている。自然誌とは、自然界に存在する動物や植物、鉱物、天体、気象などについて総合的に研究する自然科学の一分野だが、漠然としていてなんだかとらえどころがない。


写真=共同通信社
天皇、皇后両陛下に高校を卒業したことを報告するため、皇居に入られる秋篠宮家の長男悠仁さま。2025年3月19日午後、半蔵門 - 写真=共同通信社

■専門分野を深めるのは大学院で



江森敬治『悠仁さま』(講談社ビーシー/講談社)

そこで、私は、宮内庁皇嗣職が発表した内容のうち、「幅広い視野を身につけることを目指し……」という箇所に注目してきた。おそらく、秋篠宮さまはこんなように願っているのではなかろうか。「長男が専門分野を究めるのは、大学院に進んでからでも遅くはない。大学時代は、幅広い教養や学問を身につけてほしい。そして、何より大事なことは、外国や国内を見て回り、広い世界から自分や日本を見つめ直し、考えを深めてもらいたい」——と。


振り返れば2023年11月、58歳の誕生日を前にした記者会見で、秋篠宮さまはこうも述べていた。


「本人が何をしたいかということがやはり一番大事なのだと思います。そういうことができるような場所に行ってくれたらいいのではないかなと私は思います」

最終的に、悠仁さまが学びたい大学を自分の意思で決めた。それが、筑波大学生命環境学群生物学類だった。第一志望に進学ができ、本人もご家族もさぞかし満足したことであろう。


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江森 敬治(えもり・けいじ)
ジャーナリスト
1956年生まれ。早稲田大学卒業後、1980年、毎日新聞社に入社。京都支局、東京本社社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て、2022年3月末、退社。秋篠宮さまとは長年の個人的な親交がある。著書に『悠仁さま』(講談社ビーシー/講談社)のほか『秋篠宮』(小学館、2022年)、『秋篠宮さま』(毎日新聞社、1998年)、『天皇交代 平成皇室8つの秘話』(共著、講談社、2018年)など。
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(ジャーナリスト 江森 敬治)

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