会議にはムダが多すぎる…プレイングマネジャーが"無理ゲー"から脱出するために「やめるべき仕事」の具体名
2025年4月6日(日)17時15分 プレジデント社
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/howtogoto
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第1位:『時間デトックス』(吉武麻子著、日本実業出版社)
第2位:『脳が一生忘れないインプット術』(星友啓著、あさ出版)
第3位:『なぜか好かれる「人前での話し方」』(岡本純子著、東洋経済新報社)
第4位:『ライフハック100』(内藤誼人著、総合法令出版)
第5位:『うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣』(山本衣奈子著、明日香出版社)
第6位:『それ、パワハラですよ?』[梅澤康二著、若林杏樹(マンガ)、ダイヤモンド社]
第7位:『間違いだらけの睡眠常識』(西野精治著、PHP研究所)
第8位:『記憶力超大全』(青木健著、総合法令出版)
第9位:『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』(中尾隆一郎著、フォレスト出版)
第10位:『さりげなく・嫌われずに「言い返す」力がつく本』(内藤誼人著、三笠書房)
第11位:『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(越川慎司著、クロスメディア・パブリッシング)
第12位:『いつもごきげんで感情の整理がうまい人』(鹿島しのぶ著、大和書房)
第13位:『[新書版]生きる意味』(アルフレッド・アドラー著、長谷川早苗訳、興陽館)
第14位:『センスのよい考えには、「型」がある』(佐藤真木/阿佐見綾香著、サンマーク出版)
第15位:『苦手な人と上手につきあう技術』(伊庭正康著、ワン・パブリッシング)
第16位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第17位:『時間のデザイン』(井上新八著、サンクチュアリ出版)
第18位:『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』(植竹深雪著、三笠書房)
第19位:『キーエンス流 性弱説経営』(高杉康成著、日経BP)
第20位:『国民総株主』(前澤友作著、幻冬舎)
※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2025年3月の閲覧数ランキング
■「時間がない」には2種類ある
今月の第1位は『時間デトックス』でした。
吉武麻子『時間デトックス』(日本実業出版社)
現代において「時間がなくて、やりたいことができない」という感覚を持たずにいられる人はほとんどいないでしょう。
本書によると、「時間がない」には「『やりたいこと』がありすぎて時間がない」と「『やらなきゃいけないこと』がありすぎて時間がない」の2種類があります。前者は、優先順位を見直して「やりたいこと」を絞れば、現状を変えることは可能です。一方で後者は、他人に時間のコントロール権を握られてしまっているため、時間の使い方を見直すだけでは何も変わらないでしょう。
そこで本書ではまず、自分の1日と1週間の時間の使い方を書き出して「やる必要のあること(青)」と「やりたいこと・好きなこと(赤)」に色分けすることが勧められています。そのうえで自分にとって「やりたくないこと」を探り、それらを「捨てる」「任せる」「ゆるめる」の3つで手放していくのです。
タイムコーディネーターとして活動する著者の吉武麻子さんは「抱え込みすぎていたものを輩出し、やりたいことの実現のために時間を使い、その時間をより豊かな時間にしていただけたら嬉しいです」と語っています。「やりたいこと」に時間を使い、人生をより充実させるために、ぜひ取り組んでみてください。
■効果的なインプット法「アクティブ・リーディング」
第2位は『脳が一生忘れないインプット術』でした。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の星友啓さんが、インプット力を飛躍的に向上させる方法を教えてくれる一冊です。
星友啓『脳が一生忘れないインプット術』(あさ出版)
誰にでもできる効果的なインプット法として紹介されているのは「アクティブ・リーディング」。
アクティブ・リーディングは、目の前の情報に集中し、積極的な姿勢で読むことを指します。具体的には、読む前・読みながら・読んだ後に分けて、次のように取り組んでみましょう。
【読む前】
・目的設定:自分が何のためにインプットしようとしているのかを明確に意識する
・プレビュー:タイトルやサブタイトル、セクションごとの見出しを読む
【読みながら】
・自分が集中しているかどうか、常にモニタリングする
・重要なキーワードや自分の考え、疑問をメモする
・ときどき読むのをやめて、そこまでの内容を思い出したり、インプットの目的や抱いている疑問を意識し直したりしてから再開する
【読んだ後】
・インプットした内容を「うーん、なんだっけ?」と思い返す
アクティブ・リーディングは意外とシンプルで、今日から実践できます。インプットの効率を上げたいならぜひ試してみてください。
■人前で話すときは「ドッジボール」ではなく「キャッチボール」を
第3位にランクインしたのは、数千人のトップエグゼクティブの「話し方の家庭教師」として活動し、『世界最高の話し方』などのベストセラーでも知られるコミュニケーション戦略研究家、岡本純子さんの『なぜか好かれる「人前での話し方」』でした。
岡本純子『なぜか好かれる「人前での話し方」』(東洋経済新報社)
岡本さんは本書で、緊張をほぐしてくれる方法を5つ挙げています。そのうちここでは、2つを紹介しましょう。
1つ目は「ドッジボールからキャッチボールへ」。
人前で緊張するのは、ドッジボールのコート内で敵に囲まれているような感覚を覚えるから。「自分は視線を向けられる対象」という意識を持ち続ける限り、緊張は解けません。
そこで、目の前にいる人たちは「敵ではなく味方」だと思い込むようにしましょう。具体的には、問いかけによって聴衆を巻き込み、会話のキャッチボールを楽しむようにするのです。
2つ目は「母グマ」になったつもりで「子グマ」のために話すこと。つまり、「自分のため」ではなく「ミッションのため」「聴衆のため」など、利他の気持ちで話してみましょう。
「自分のため」と思うと緊張したり気おくれしたりしがちですが、利他の気持ちを持つと、気負いなく話せるはずです。
春は人前で話す機会が増えるもの。どんな場でも好かれ、伝えたいことをきちんと伝えられるあなたでいたいなら、ぜひ本書の内容を実践してみてください。
■仕事中にこっそり「貧乏ゆすり」で死亡リスクを下げる
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
内藤誼人『ライフハック100』(総合法令出版)
第4位は『ライフハック100』でした。人気心理学者の内藤誼人さんが、膨大な論文や研究から、仕事や暮らし、人生に役立つ知識を厳選し、ライフハックとしてまとめた一冊です。
デスクワークをしている人に紹介したいのが、仕事中にこっそり貧乏ゆすりをするライフハック。
英国ロンドン大学のガレス・ハガー=ジョンソンの調査によると、1日7時間座って仕事をする人は5時間以下の人より死亡リスクが30%高くなるものの、貧乏ゆすりによって死亡リスクを減らせたそう。貧乏ゆすりをすることで、血行が活発になったためです。
「イライラしたら自分の足裏に注意を向ける」もおすすめのライフハック。米国ジョージア州オーガスタ大学のナーバイ・シンハの報告によると、知的発達の遅れがあり、かつ暴力を振るう傾向のある男性にこのテクニックを教えたところ、怒りをあまり表に出さなくなったそうです。私たちは一度にひとつのことにしか集中できないため、足裏に意識を向けると、怒りを一時的に忘れられるのです。
100もの研究をもとに、私たちの暮らしを少し便利にしてくれるライフハックが88種類紹介されている本書。一冊読み通せば、あなたの悩みを解消できるライフハックが見つかるかもしれません。
■聞き上手な人が会話に添える「プラスアルファの言葉」
第5位は『うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣』でした。うまく聞ける人の習慣と聞けていない人の習慣を比較し、聞き方のコツを教えてくれる一冊です。
山本衣奈子『うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣』(明日香出版社)
今日から実践したいのは「うまく聞ける人は質問で話を広げ、聞けていない人は質問を投げっぱなしにする」。
次の会話を見てみましょう。
Aさん「今度の休み、何か予定ある?」
Bさん「映画を見に行こうと思ってるんだ」
Aさん「へー」
もしあなたがBさんで、これで会話が終わってしまったら「それだけ?」「なんで聞いたんだろう?」と思ってしまうのではないでしょうか。
相手に質問するときは、答えを聞いて終わりではなく、そこから会話を広げることを意識しましょう。「へー」「そうなんだ」と反応をした後に、「感情」「感想」「深掘り」「理由」などの「プラスアルファの言葉」を添えるのがポイント。「へー、いいね(感想)、最近の映画に疎いんだけど(理由)、何か見たい映画があるの?(深掘り)」といった具合に返せば、会話は自然と広がっていくでしょう。
聞き上手な人は誰からも好かれ、仕事もプライベートもうまくいくもの。新生活に向けて「うまく聞ける人」になりたいなら、ぜひ参考にしてみてください。
■プレイングマネジャーが「無理ゲー」から脱出する方法
最後にご紹介したいのは、第9位の『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』。リクルート出身の経営者、中尾隆一郎さんが、「『プレイングマネジャー』を無理ゲーから助けたい」という想いから執筆した一冊です。
中尾隆一郎『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』(フォレスト出版)
プレイングマネジャーは、どうすれば「無理ゲー」状態から抜け出せるのか——。
中尾さんの答えは、いまやっている業務を「やめる」「絞る」「見直す」こと。本書ではその前提のもと、「やめる」「絞る」「見直す」具体的な方法がまとめられています。
「やめる」では、やめるべき仕事として、以下の3つが挙げられます。
(1)定期的な1on1
上司の仕事を増やす、全体のコミュニケーションに時間がかかる、などといった弊害があるため。
(2)手間がかかる目標管理
多くの時間を取られるわりに、リターンが少ないため。
(3)会議の生産性を下げる7つのこと
会議の回数・時間・参加者を減らすことに加えて、次の7つの「やめる」を実行してみましょう。
・全員の腹落ち(コンセンサス・同意)が重要だという考え方
・資料やデータがないと決められないという考え方
・「今日決めないという選択肢もある」という考え方
・思いつきでメンバーに意見を求めること
・会議で資料を説明すること
・問題を解決すること
・「会議は必ずリアル会議でなければならない」という考え方
プレイングマネジャーを「無理ゲー」から救い出してくれる本書。「やめる・絞る・見直すなんて無理」と思った人にこそ読んでほしい一冊です。
今月も、アドラーから睡眠、マネジメントまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第7位だった『世界の一流は「休日」に何をしているのか』が第11位、2023年4月刊の『頭のいい人が話す前に考えていること』が第16位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。
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flier編集部
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(flier編集部)