「チーム丸ごとクビにするつもりか?」――ツイッター社員が震えた、イーロン・マスクによる「えげつないリストラ」

2025年4月18日(金)7時40分 ダイヤモンドオンライン

「チーム丸ごとクビにするつもりか?」――ツイッター社員が震えた、イーロン・マスクによる「えげつないリストラ」

イーロン・マスクによるツイッター買収劇とその後の混乱を描いた『Breaking Twitter イーロン・マスク 史上最悪の企業買収』(ベン・メズリック著、井口耕二訳)。著者は大ヒット映画『ソーシャル・ネットワーク』原作者、ベン・メズリック。本書はメズリック氏による関係者への徹底的な取材をもと、マスクの知られざる顔に迫る衝撃ノンフィクション小説だ。「生々しくて面白い」「想像以上にエグい」「面白くて一気に読んだ」など絶賛の感想が相次いでいる本書。今回は本書の発売を記念し、「ツイッター社がイーロン・マスクに『占領』された日」を一部抜粋・再編集してお届けする(全3回のうち第1回/第2回に続く)。

ハロウィーンの飾りで彩られたツイッター社のオフィスに、突如として現れたイーロン・マスク。白い洗面台を手に「洗いざらいわかりあおう」と叫んだその瞬間から、ツイッター社は非日常に飲み込まれていった。緊張と興奮が交錯する現場で、社員たちは何を見て、何を感じたのか——「占領」の一日を追う。

Photo: kovop58/Adobe Stock

「白い洗面台」とともに登場した男

「占領」は一瞬かつ劇的になされた。その様子は、ネットのいたるところに上げられた写真を見ればわかる。

昨日の午後、マスクが真っ白な陶器の洗面台(sink)を持って現れ、「洗いざらいわかりあおう(let that sink in)」と気勢を上げたのが皮切りだ。そのあとは、最高マーケティング責任者レスリー・バーランドの案内で本社をひととおり見て歩き、すれ違った社員にあいさつするなどしている。

コーヒーショップに立ち寄ってコーヒーを飲んだり、コモンズをぶらついたりもした。

その時点でコモンズはハロウィーンパーティ(#TrickOrTweet)の飾り付けがされていたし、スパゲッティを吐き出すカボチャや血のように真っ赤なパンチのボールなど、フェアの準備が急ピッチで進められていた。なにせ、子どものいる社員を中心にみんなが毎年楽しみにしている行事なのだ。

最初は「楽観的」だった社員たち

このところ、職場は、不安と期待がないまぜとなった雰囲気が流れている。恐れている人も多少はいるが、一抹の不安を抱えつつも楽観的に構えている人のほうがずっと多い。

このビリオネアにはまちがいなくカリスマ性があり、誰しもがそこに惹かれるのは当然のことだろう。

うわさではとやかく言われているし、買収にいたる道で報道された彼の言葉も心配になってしまうものが少なくないが、みな、彼に惹かれるし、彼の近くに行こうとするし、彼の言葉を聞きたいと思ってしまうわけだ。

一瞬で「仕事」モードに入ったマスク

想定外だったのは、案内が終わると、マスクが、そのまま全力で仕事を始めたことだ。

10番ビル(テンス)の2階にこもって、チームリーダーや製品関連の人間をひとりずつ呼びつける。

特に技術者は大変で、コードをじゃんじゃん印刷して、レビューと評価の準備を進めなければならなかった。すぐに、うわさが飛びかい始めた。


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