特許を武器に高い技術力で未来の"便利"と"快適"を創出する足立区の匠『一文機工株式会社』

2025年4月23日(水)10時34分 PR TIMES STORY

東京都足⽴区入谷に本社を構える『一⽂機工株式会社』(代表取締役:増田⽂一郎)は、これまでに12件の特許を取得し、革新的な製品開発で業界に新⾵を吹き込んでいます。現場のニーズに寄り添い、"あったらいいな"を形にする開発力で、建設や設備工事などの現場で活躍する製品を生み出してきた同社。約10名という少数精鋭の技術者集団が、新たな社会課題の解決に向けて挑戦を続けています。

◆現場の経験から生まれる革新的な技術

1985年に『一⽂空調』として創業し、1988年に現在の『一⽂機工株式会社』として組織変更された同社は、新商品開発に特化したベンチャー企業として独自の道を歩んできました。創業の原点には、空調設備会社での経験を持つ代表取締役の増田⽂一郎氏の思いがありました。

空調設備の会社に勤めていた増田氏は、空調設備工事の時代遅れに課題を感じていたそうです。

特に、空調用ダクト保温工事の際、従来は断熱材を固定するピンを一本ずつ接着剤で取り付ける必要がありました。

また接着剤が乾くまで1日かけて養生する時間も要しますし、空調用ダクトですから、作業場所も狭く、効率的な作業とは言えませんでした。

この経験から開発されたのが断熱材を固定するピンを溶接できる画期的なピン溶接機構。ダクト鋼板等の基材に、直接溶接できるように革新したのです。しかも驚くべきはそのスピードで、1本を溶接するために要する時間はわずか3/1000秒という超高速処理を実現しました。

  <少数精鋭のスタッフたちで開発に挑む。こちらは開発棟内のCAD設計室>

さらに溶接機械の軽量化と小型化を実現し、騒音や振動の抑制に成功、また防炎化も実現し、作業効率の向上と安全性の確保に大きく貢献しています。

<スタッド溶接の様子。右上、一文機工開発の装置からは火花が飛散していない>

それら技術が詰まった1台が「雷電Ⅱ」。 B5 サイズ・2.4kgというコンパクトな本体ながら、一回の充電で約350本の溶接が可能です。劇的に作業性が向上するとなれば、導⼊しない手はありません。スタッド溶接が行われている現場にODMで供給している同一方式のスタッド溶接機は実に国内90%以上で同社の技術が使われているといいます。

※ODM(Original Design Manufacturing)

委託側が製品の企画・開発から納品までをメーカーに依頼する生産方式

『一⽂機工』の特徴は、これら技術の特許を取得し、製造は協力会社に依頼していること。同社では特許出願を伴った新技術の開発に専念することで、他社との差別化を図り、競争力を維持しているのです。

例えばスタッド溶接機である「雷電Ⅱ」「ライデン LC」「⿓電Ⅲ」に採用されている技術は、特許第4106637号「スタッド溶接装置」と、⽕花飛散を防止し安全性を確保する特許第5582437号「スタッド溶接ガン用冶具」で、同社独自の技術力が結集された製品となっています。


社会課題の解決に向けた新たな挑戦

現在、同社が注力しているのが、⾮常用及び介護用の排泄処理システムの開発です。この開発のきっかけとなったのは、同社が福利厚生用に所有するクルーザーとマイクロバスでの経験でした。

一般的なトイレでは、汚物はそのまま水で流しますが、船舶用トイレでは汚物を撹拌し、細かくしてから河川や海に流す仕組みを備えています。ここからヒントを得て、災害時に使用できる新しい排泄処理システムの開発に着手しています。

『一⽂機工』が開発中のシステムは、以下の通りです。

1. 汚物を一度撹拌して、そこに粉状の高分子吸収ポリマーを投⼊。

2. 高分子吸収ポリマーにより、汚物をゼリー状にして、半固形化にする。

3. 液漏れ等がないよう、しっかり封をする。

4. 平常時と同様に使えるウォシュレット機能を搭載。

5. そのまま燃えるごみとして捨てる。(各自治体の規定による)

<社内の実験棟では日夜さまざまな測定が行われています>

袋は中身が見えないような色や素材を採用することで、完成すれば、汚物を見ることなく、悪臭もなく、簡単に処理できます。また同社の技術を活用し、バッテリーを装備することで、電源のない場所でも使用できるようにします。

2024年6月に開催された機械要素技術展では、この技術に大きな注目が集まりました。特に病院関係者からは、「⼊院患者の排泄処理に革新的な解決策となる可能性がある」との評価を得たそうです。

臭いがせず、直接汚物に触れることなく処理できることは、災害時だけでなく、医療や介護の現場でも、求められる技術だということが明確になったことで、開発に力が入ります。

従来の携帯トイレでは難しかった長期使用や複数回使用への対応を可能にし、さらに処理後の保管も容易にしました。また、処理時の音も最小限に抑えることで、夜間使用時の周囲への配慮も可能です。電源コードでも使えるようにすれば、平常時でも使用することができます。バッテリーと電源の2WAYにできれば、医療や介護の現場、また自宅など、もっと多くの場所で使っていただけます。

汚物の処理に悩まないトイレが誕生すれば、まさに同社が目標とする"あったらいいな"な 技術が完成することになります。現時点では、汚物を入れる袋をどういう形状にするのか、袋を確実に圧着する方法をどうするか、撹拌や圧着にどのくらいの電力を要するかの実測など、細かなところは試行錯誤の真っ最中とのことです。

  <汚物処理に悩まないトイレを!"あったらいいな"を夢物語にせず追求します>

足⽴区発、世界へ挑戦する技術開発企業

2012年、同社は「足⽴ブランド」企業として認定されました。このきっかけとなったのは、東京電機大学の安髙名誉教授からのご紹介でした。当時、ブランド企業の多くは製造・生産を主体としていましたが、同社は特許出願を伴う開発型企業として異彩を放っていました。

「最初は戸惑いもありましたが、ブランド企業の取り組みや真摯な姿勢に触れ、大きな刺激を受けました」と増田氏は当時を振り返ります。他の企業との出会いは、新たな発想や技術革新のヒントともなり、また異業種との交流は、これまでにお付き合いのあった業種とは違う新鮮さがあったそうです。

技術開発型企業として、同社の特徴は開発体制にも表れています。社内に弁理士を擁し、アイデアの段階から特許性を検討。特許取得後は、その技術を基に製品化を進めるという独自の開発プロセスを確⽴しています。これにより、特許申請から製品化までの期間を大幅に短縮し、市場ニーズに迅速に対応することが可能となっています。

一方で、国内90%以上がODM供給という現状は、同社にとって大きな課題となっています。確かにODM供給により、安定した事業基盤は築けていますが、その反面、技術力の高さが広く認知されにくいというジレンマを抱えています。

「私たちの技術は、実は多くの現場で使われています。しかし、それが『一⽂機工』の技術だと認識されることは少ないのが課題だと考えています」と増田氏。

自社ブランド製品の⽐率を徐々に高めつつ、技術開発企業としての認知度向上を目指します

その一環として、環境への配慮も積極的に進めています。本社屋上には足⽴区から補助を受けて芝生を植え、環境に配慮した経営を実践。土壌の下に空気層を設けることにより軽量土壌とするなど、ここでも技術力が活かされています。また24時間換気システムなど環境負荷を低減する製品の開発にも力を入れています。

<屋上緑化による蓄熱および遮熱効果の測定を行っています>

技術開発型企業としての矜持を持ち、足⽴区から世界に向けて革新的な製品を送り出し続ける『一⽂機工』。これからも社会課題の解決に向けて、技術力を活かした製品開発に取り組んでまいります。

企業情報

一文機工株式会社

http://www.ichimon-kiko.co.jp/

社名:一文機工株式会社

住所:東京都足⽴区⼊谷 7-13-8

電話:03-3897-4001

代表取締役:増田⽂一郎

設⽴:1988 年 6 月 1 日(前身の一⽂空調は 1985 年設⽴)

事業内容:電気機械、器具の開発・設計・製造・販売および輸出⼊業務

 「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。『一文機工株式会社』は、この「足立ブランド」認定企業です。

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取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。

足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係

電話番号:03-3880-5869

ファクス:03-3880-5605

足立ブランド公式Webサイト

https://adachi-brand.jp/


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