川崎重工の水産養殖「MINATOMAE」プロジェクト 神戸港海域でのトラウトサーモン育成試験に成功~当社技術を生かした海面閉鎖式養殖技術で国内最高レベルの飼育密度を実現~

2025年4月24日(木)10時0分 Digital PR Platform



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水揚げしたトラウトサーモン


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水揚げしたトラウトサーモンの刺身

川崎重工は、食料安全保障への貢献を目指した持続可能な水産養殖システム(以下、本システム)を開発し、「MINATOMAE」プロジェクト(以下、本プロジェクト)として推進しています。本プロジェクトの事業化に向けたステップとして、神戸港海域(当社神戸工場岸壁エリア)で実施していたトラウトサーモンの育成試験(以下、本試験)の水揚げを本日4月24日に行い、およそ850尾(1尾あたり平均2kgサイズ)の飼育に成功しました。
本試験は、2025年1月より当社神戸工場海域にてトラウトサーモンを育成していたもので、30m3の生簀で従来の海面養殖に比べて約4倍にあたる60kg/m3という海面養殖としては国内最高レベル(当社調べ)の飼育密度を達成するとともに、高品質なトラウトサーモンの飼育を実現しました。これは都市近郊での持続可能な海面養殖実現に向けた重要な成果となります。
今回開発したシステムには、当社がプラント開発で培ってきたろ過と殺菌に関する水処理技術や、船舶および舶用機器、鉄道車両の開発などで培ってきた流体制御のノウハウを活用した閉鎖式海面養殖技術を採用しています。外部からの寄生虫やウイルスの侵入を極力防ぐとともに、海水の水質や飼育環境を常時モニタリングし、栄養や酸素供給の最適化と生簀内における水流のコントロールをしています。
本試験では、無投薬環境下における魚体の良好な成長成績や外観のきれいな仕上がりを確認しました。

■「MINATOMAE」プロジェクト──
食料安全保障への貢献を目指し、持続可能な養殖技術の開発を進める川崎重工の新しいソリューション

2050年に向けて世界の人口は100億人に達すると予想され、気候変動などの影響もあり、タンパク質不足が深刻化すると想定されています。
日本においても、先進国の中でも低い食料自給率や一次産業の担い手不足、地政学リスク、海洋資源の枯渇、物流課題や輸送コストの増加などの課題が想定され、食の面では持続可能な農業や水産業の構築が急務であると言われています。(参考:食料安全保障強化政策大綱(改訂版)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/pdf/20231227honbun.pdf

そうした中、川崎重工は持続可能で環境負荷が少なく、赤潮や水温変化などの外的要因に強い海面閉鎖式の養殖技術の開発を2021年から新規事業として進めています。消費地や物流拠点に近いものの、養殖生産地として活用されていなかった港や海岸の近くの海域でも養殖を可能にする取組みを、「MINATOMAE」(ミナトマエ)プロジェクトと名付けました。本プロジェクトを通じて、港湾地区や海岸近くでの水産養殖業の新たな可能性を提案し、今後人類が直面する食料課題解決への貢献を目指します。


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■マルハニチロと連携した育成・流通体制
本プロジェクトにおける養殖魚の育成や流通についてはマルハニチロ株式会社(本社所在地:東京都江東区、代表取締役社長:池見 賢、以下、マルハニチロ)の支援を受けています。2022年から協力パートナーのマルハニチロの漁場で技術開発を進め、計4回の実証実験を経て、港湾地区である神戸工場海域での本試験に臨みました。本試験では、通常の養殖場とは異なり、船の往来も多く水面が静穏でない状況もありましたが、養殖魚の生態を熟知したマルハニチロの知見と川崎重工が培ってきたCFD解析・水処理・スロッシングなどの保有技術を活用することで、養殖魚にやさしい飼育環境を実現し、港湾地区での育成試験に成功しました。
今後も、当社のエンジニアリング力や技術力などの強みに加え、マルハニチロの養殖ノウハウや流通・販売網、漁協や水産関係者とのつながりによる支援を活用し、新たな養殖モデルの創出を目指していきます。

■開発担当者コメント



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川崎重工業株式会社 技術開発本部
テクノロジーイノベーションセンター 事業化推進部
食料安全保障プロジェクトマネージャー 佐野 敦司

「2025年1月に育成試験を開始し、本日大きく育ったサーモンを無事に水揚げすることができました。4月14日に当社の水産養殖システムについて公表※して以降、多くの方から予想以上の反響をいただき、大変嬉しく思うと同時に、この『MINATOMAE』プロジェクトへの関心の高さを実感しています。
今回の都市近郊の育成試験で得られた経験を元に、協力パートナーとの技術シナジーと共創を通じて、新たな養殖の可能性を広げていきたいと思います。」
※食料安全保障への貢献を目指した、持続可能な水産養殖システムを開発https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20250414_1.html


当社グループは、1896年の創立以来、120年以上にわたり、陸・海・空の幅広い事業分野において、常に最先端技術に挑み、社会課題の解決に貢献してきました。また、2030年に目指す将来像として制定したグループビジョン2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを〜Trustworthy Solutions for the Future〜」においても、持続可能な社会の実現に向けて、「安全安心リモート社会」や「エネルギー・環境ソリューション」などのフィールドに注力しています。当社は、今回開発した水産養殖システムを核とする通年養殖モデルの確立・提供により、食料安全保障を通じた誰もが安全安心に暮らせる社会の実現と、海と地球環境の未来に貢献していきます。
以 上

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