G20財務相会議、アメリカの高関税政策に各国から懸念の声…「世界経済へ悪影響」
2025年4月25日(金)12時22分 読売新聞
記者会見する加藤財務相(右)と日本銀行の植田総裁(24日、米ワシントンで)=下里雅臣撮影
【ワシントン=山本貴徳】米ワシントンで開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は24日、2日間の日程を終えて閉幕した。会議では、米国のトランプ政権が発動した高関税政策が世界経済に及ぼす影響を巡って各国から懸念の声が相次いだが、2月の南アフリカでの会議に続き、共同声明の採択には至らなかった。
議長国を務める南アフリカのゴドングワナ財務相は閉幕後の記者会見で、「保護主義を拒否し、ルールに基づく多国間貿易体制に関与するという基本原則は、会議において広く受け入れられた」と強調した。
ただ、今回は「議長総括」の発表も見送られ、立場が異なる各国の意見の隔たりが大きかったことがうかがわれた。7月に予定される次回会議では、共同声明の取りまとめを目指す意向が示された。
今回のG20は、米国による「相互関税」などの政策に対し、「不確実性が高まった」「経済に悪影響をもたらす」といった意見が相次いだ。米国の貿易赤字を解消するには、関税という手段ではなく、「経済構造の不均衡を修正するべきだ」との声も上がった。
日本銀行の植田和男総裁とともに出席した加藤財務相は閉幕後の記者会見で、「世界経済の不確実性が高まる中で、率直な意見交換ができたことは有意義だった」と述べた。