名古屋を代表する居酒屋チェーン:ヨシックスHDは、飲食店建築でもエリアの代表選手
2025年4月26日(土)10時21分 財経新聞
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創業者で現代表取締役会長の吉岡昌成氏が、建築会社を祖業に飲食店舗の拡幅を進めた。特色である、店舗の「設計から建築」の原点が求められる。
展開中の店舗の主体は「や台ずし」「ニパチ(焼鳥・釜めし)」「これや(串カツ)」「や台や(お好み焼き・鉄板焼き)」「せんと(鮮魚・鶏料理)」。「安さ」が共通したセールスポイント。ニパチの酒肴は全品308円(税込み)均一、に象徴的。
外資系アナリストはヨシックスHDを、こうまとめる。
「安いまずい、じゃ客は集められない。実際に口にしたが少なくても、“名古屋の人の口には合う”が僕の結論。だが地場の人の口に合う手ごろな居酒屋、という以上に評価したいのが建築事業。ヨシックスHDの店以外も商売の対象。ヨシックスでは“うちの建築の特徴は、設計・積算・施工・引き渡しまで一人のスタッフが担当する”とし“顧客への寄り添い”を強調する。
否定はしないが・・・それ以上にパワーとなっているのが計400店舗に及ぶ展開する店舗数、と捉えるべきだろう。飲食の街とされる名古屋を牽引する店舗数は、飲食店を・・・と考える事業者にとっては無視しえないはず。それはヨシックスHDの収益動向に容易に見て取れる。新たに斯界に進出するオーナーには“うちもあやかりたい”と思うだろうから・・・」。
ヨシックスHDとて、コロナパンデミックの影響は受けて当然。2021年3月期/22年3月期は22億円近い/27億円近い営業損失に落ち込んだ。が影響の薄れとともに「7億円強の営業利益/229%弱の営業増益」と立ち直りを示し、今3月期は「6.2%増収(224億3300万円)、2.7%営業増益(23億8600万円)」計画。第3四半期期末の実績は「171億5000万円、18億9600万円」。21年3月期に無配転落も、今期予想は28円配。
店舗数も前期末に比べこの3月末で30店舗増。「注力」が指摘される「や台ずし」店が6店舗新設されている。といった具合に着実な展開を取り戻している。既存店売上高(開店18か月超)の推移も今期前半(4-9月)/102%、後半(10-3月)/978%。
本稿作成中の時価は2800円台出入り。1月高値3245円の後2357円(4月7日)まで下押した後の戻り過程。過去9年余の修正済み株価パフォーマンスは80%。IFIS目標平均株価4000円。年初来高値奪還を、まずは見定めたい・・・