「伝えたいこと」より「知りたいこと」を書く―商品を売る言葉は、相手が知りたいことの中にある
2025年5月5日(月)6時45分 ダイヤモンドオンライン
「伝えたいこと」より「知りたいこと」を書く―商品を売る言葉は、相手が知りたいことの中にある
小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。この連載では、全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。
Photo: Adobe Stock
伝えたいことではなく、誰のどんな欲求に応えるのか?
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「せっかくチラシを作ったのに、全然反応がない…」「SNSに投稿しても、見られてる気がしない…」
その原因、もしかすると、伝えたいことばかり書いてしまっているのかもしれません。
広告が届かない最大の理由は、「何をどう伝えるか」ではなく、「誰の、どんな欲求に応えるか」がズレていることにあります。
伝わらない広告にありがちな3つのズレ
広告の反応が悪いとき、そこには3つのズレがあることが多いです。中でも最も多いのが、「言いたいことが中心になっている」というズレ。
言い換えれば、自分語りの広告になってしまっているということです。
「私たちはこういう想いでやっています」では人は動かない
もちろん、企業の想いやこだわりは大切です。でも、それを一方的に語ったところで、お客様の心には届きません。お客様が知りたいのは、こういうことです。
・自分にとってどんなメリットがあるのか?・どんな悩みが解決できるのか?・どれだけ安心して選べるのか?
つまり、広告で書くべきなのは、「語りたいこと」ではなく「聞かれたら答えたいこと」なのです。
売れる広告は、「Q&Aの塊」である
実は、広告に必要な情報は、たった一つの視点で整理できます。それは、「お客様から聞かれそうなことを先回りして書く」ということ。たとえば、美容室ならこんな感じです。
<お客様が知りたいこと> 【広告に書くべき内容】<自分の髪質に合うかどうかが不安> 「髪質・骨格診断をしてから施術するので安心です」<どんなスタイルが得意なサロンか> 「ショートヘア専門/落ち着いた雰囲気が得意です」<担当者が話しやすいかどうか> 「話しかけられたくない方は事前に伝えてください」
つまり広告は、「お客様からの質問に、先に丁寧に答えておくコンテンツ」なのです。
「伝えたい」から「知りたい」へ切り替える魔法の質問
では、どうすれば、知りたいことに焦点を当てた広告が書けるようになるのでしょうか?
そのための魔法の質問がこちらです。
「何があれば不安なくすぐ購入できる?」「何があれば不安なく依頼できる?」「何があれば不安なく参加できる?
この問いを自分に投げかけるだけで、広告の設計が一気に変わります。
例:・美容液 →「本当に効果あるの?」・セミナー →「初心者でもついていける?」・保険 →「しつこい営業されない?」
この知りたがっていることを想像できるかどうかが、広告の反応率を分ける分岐点です。
「刺さる広告」は、相手の質問に一言で答えている
反応が高い広告の共通点。それはたった一言で、「これ、私のことだ」と思わせる力がある
「40代からのたるみに悩むあなたへ」「運転に不安を感じる高齢のご家族がいる方に」「集客に困っている小さな会社の社長へ」
これらは、すべて「誰が」「何を知りたがっているか」に応えたコピーです。
知りたいことを先に言う。それが読まれる第一歩になります。
あなたの広告、伝えたいこと病にかかっていませんか?
広告や販促物がうまくいっていないと感じたら、こう振り返ってみてください。
・これは、自分が言いたいことばかり並べていないか?・お客様が「知りたがっていること」を想像できているか?・相手の立場で「どこが不安か」「何を知れば安心か」を書いているか?
伝えたいことではなく、知りたいことを書く。それが、反応が変わる広告の基本です。
この連載では、引き続き「どうすれば、広告の素人でも売れるチラシが作れるのか?」をテーマに、具体的な考え方・作り方を紹介していきます。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。