神戸港産のサーモン水揚げ、川崎重工が養殖成功…プラントで培った技術で海水を濾過・殺菌

2025年5月8日(木)15時0分 読売新聞

水揚げされたトラウトサーモン

 川崎重工業が、神戸港でトラウトサーモンの養殖に成功した。汚れた海水を浄化する技術で、養殖に向かないとされてきた都市部の海でも新鮮な魚の生産が可能になった。ブリやマダイなど、ほかの魚種の養殖にも応用できるという。2027年度以降の〈都市型海上養殖〉の実用化を目指す。

 川重が取り組む持続可能な食料生産を目指すプロジェクトの一環で、1月から養殖試験を開始。神戸ポートタワーを望む川重神戸工場(神戸市中央区)の岸壁に海水処理の設備などを設置し、沿岸の海上に水槽(直径5メートル、深さ3メートル)を浮かべて約850匹を育てた。4月下旬の報道公開時には、体長約40センチ、重さ約2キロのサーモンが次々と水揚げされた。

 プラントや船舶開発などで培った技術を海水の濾過ろか・殺菌や、船の航行などで発生する波による水槽内の揺れの軽減にいかした。水質や水温などの飼育環境を細かく制御し、通常の約4倍の生産量を実現したという。

 川重の担当者は「養殖場が都市から近く、とれたての魚をすぐに消費者に届けることができる。担い手も確保しやすくなる」と話す。

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