「日産2工場閉鎖」で地元に衝撃、追浜・湘南…「面食らっている」「飲食店への影響も」
2025年5月18日(日)8時35分 読売新聞
経営再建中の日産自動車(横浜市西区)が、国内主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)と子会社の「日産車体」の湘南工場(同県平塚市)の神奈川県内2工場を閉鎖する方向で調整していることが明らかになったことを受け、地元の自治体や経済界からは驚きや影響を懸念する声が広がった。
「面食らっている。衝撃だ。影響は相当だろう」。横浜市内で17日、報道陣の取材に応じた神奈川県の黒岩祐治知事は、驚きを隠さなかった。現時点で日産側からの説明は受けていないとして、情報確認を急ぐ考えを示した。
横須賀市の上地克明市長は「市の産業振興やまちづくりに多大な貢献をいただいていることに感謝する」としたうえで、「市にお住まいの従業員や家族も多数いる。報道が事実であるならば残念」などとのコメントを発表。平塚市の落合克宏市長は「今後の動向を注視していきたい」とコメントを出した。
横須賀市が地元の自民党の小泉進次郎県連会長も同日、横浜市内で報道陣の取材に応じ、「地元で働いている方々を守らなければならない」などと力を込めた。さらに、「2次下請けも含め、サプライチェーンに影響が出かねない問題」とも指摘し、経済産業省や厚生労働省などと連携して対応に動く考えを示した。
経済界にも衝撃が走った。連合神奈川の林克己会長も「県下では大きな雇用問題になる」と懸念を強めた。横須賀商工会議所の平松広司会頭は、読売新聞の取材に対し、「工場に出入りしている地元企業にとっては大きな問題だ。飲食店への影響なども出てくるだろう」と話した。
追浜工場は、1961年に操業を開始。電気自動車(EV)の生産などを手がけ、従業員数は約3900人。湘南工場は、商用バンなどを製造し、従業員数は約1200人。日産の創業地でもある県内には、関連企業なども多数あり、自動車産業は同社を中心に、県の基幹産業となっていた。