香港前場:ハンセン1.3%高で4日ぶり反発、上海総合は0.4%上昇

2025年5月20日(火)13時40分 サーチナ

 20日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比301.49ポイント(1.29%)高の23634.21ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が110.26ポイント(1.30%)高の8570.81ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は1211億3590万香港ドルとなっている(19日前場は1054億9400万香港ドル)。
 米長期金利の上昇一服が買い安心感を誘う流れ。19日の米債券市場では、米10年債利回りが一時4.56%と約1カ月ぶりの高水準を付けたものの、その後は低下に転じ、4.45%で取引を終えた(18日は4.48%)。ベッセント米財務長官は18日、ムーディーズによる米国債の格下げは前政権の財政悪化を反映したもので「遅行指標」に過ぎず、すでに市場は織り込んでいると説明している。中国の政策期待も持続。中国景気の悪化が警戒される中、当局は景気支援のスタンスを強めるとの見方が広がっている。
 寄り付き前に発表された最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.10→3.00%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが3.60→3.50%に引き下げられた。予想通りとはいえ、緩和マネーが経済を支えるとの期待感も高まっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬の上げが目立つ。翰森製薬集団(3692/HK)が9.4%高、石薬集団(1093/HK)が6.9%高、中国生物製薬(1177/HK)が4.7%高で引けた。そのほか、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が3.7%高、薬明生物技術(2269/HK)が3.6%高と値を上げている。中国本土や香港、シンガポールなど中華圏で新型コロナウイルスが再び蔓延。感染症が拡大する中、医薬品需給がタイトになると予測された。
 自動車セクターもしっかり。小米集団(1810/HK)が3.9%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.2%高、理想汽車(2015/HK)が2.6%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.4%高と買われた。小米については、22日に予定する新製品発表会で、同社初の電動SUV「YU7」が披露されると伝わったことも支援材料。「YU7」を巡っては、3月末に発生した電気自動車(EV)セダン「SU7」での死亡事故を受け、「発売が延期される」との情報も伝わっていた。零ホウに関しては、1〜3月期決算の赤字幅が大幅に縮小したことを材料視している。売上高は大幅に伸び、粗利益率は四半期ベースで過去最高を記録した。
 そのほか、車載バッテリー世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ、3750/HK)が本日に重複上場。公募価格比17.0%高の307.60香港ドルで前場の取引を終えた。香港市場で今年最大規模の株式公開となる。
 半面、中国不動産セクターはさえない。遠洋集団HD(3377/HK)が2.7%、合景泰富地産HD(1813/HK)が3.1%、世茂集団HD(813/HK)が2.5%、越秀地産(123/HK)が2.2%ずつ下落した。
 本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%高の3380.46ポイントで前場取引を終了した。医薬が高い。消費関連、通信・メディア、自動車、公益、ハイテク、金融、素材なども買われた。半面、軍需産業は安い。エネルギー、海運、不動産も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

サーチナ

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