終活事業を手掛ける鎌倉新書調査、「遺品整理」市場は5000億円

2025年5月20日(火)8時53分 財経新聞

 5月8日、『終活も「ブランド」と「哲学」が問われる時代へー5000億円超の生前整理・遺品整理という市場の現在地と未来図ー「月刊終活」2025年5月号発刊』と題するリリースが送られてきた。

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 発送主は葬儀・仏壇・墓場のポータルサイトの運営や、終活に関わる諸々のサービスを提供している鎌倉新書(6184、東証プライム市場)。鎌倉新書はそもそも、葬儀関連の雑誌・書籍発行で誕生した企業。月刊終活も、その中の一冊。

 それにしても「ブランド」「哲学」の見出しには唸らされたが・・・。月刊終活の今号は構造転換が進んでいる終活の現場で、推定5000億円超の規模に至った「遺品整理業界」に焦点を当て、専門事業者・葬儀社・ミニアリスト・研究者という多様な視点から「終活の未来像」を描き出したという。

 以下のような視点から、リリースは展開されていた。

 『遺品整理は、いま“人生を送る技術”へー市場化と無縁化の交差点で考える「心のケア」とは』
 (I)市場の拡大と構造変化
 *遺品整理は2000年代以降に急成長し、推定5000億円超の市場に拡大。
 *高齢者単身世帯や空き家、孤独死の増加が需要を後押ししている。

 (II)品質と信頼のブランド化が進む
 *日本初の遺品整理業者:キーパーズ(2002年創業)は口コミと実績で、年間2000件超を受注している。

 リリースは「独自ブランドを確立し」としているが、私はキーパーズを全く承知していなかった。調べた。以下のような段取りで事を図っている。「フリーダイヤル/無料訪問/見積」「確認/仕分け/梱包」「搬出」「積み込み」「部屋の掃除」「最終確認⇔貴重品・形見分け品引き渡し」「遺品の全国配送/合同供養」「4都市のリサイクル工場で家電リサイクル品対応」「リサイクル品寄贈」。

 (III)ミニアリストの声に耳を傾ける
 *例えばYouberのTakeru氏は生前整理について「片付け」を「人生の棚卸」と定義している。要は必要不可欠な最小限の品を・・・ということだろう。昨年父を失った。生前ではなかったが、遺品整理には難航した。アレもコレもという気持ちが先行したからだ・・・

 何事も、知っておいて損はない。リリースには供養・形見分け・買取を一体化した遺品整理モデルを展開する、葬儀社の存在も記されていた。

 かくの如く終活ビジネスを多様化している鎌倉新書だが、コロナ禍以降の指摘される「葬儀の在り様の変化」は収益動向に影響しているのか。動向からそれは見受けられない。400円台終盤の時価は予想税引き後配当利回り3.4%強。過去9年4カ月余の修正済み株価パフォーマンスは3.3倍水準である・・・

財経新聞

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