「そりゃ終わらないわ…」仕事が遅い人がついやっている“NG行動”ワースト1
2025年5月22日(木)6時15分 ダイヤモンドオンライン
「そりゃ終わらないわ…」仕事が遅い人がついやっている“NG行動”ワースト1
スマホ、ネット、SNS……気が散るものだらけの世界で「本当にやりたいこと」を実現するには? タスクからタスクへと次々と飛び回っては結局何もできない毎日をやめて、「一度に1つの作業」を徹底する「一点集中」の世界へ。18言語で話題の世界的ロングセラーの新装版『一点集中術——限られた時間で次々とやりたいことを実現できる』より、特別に一部を紹介する。
Photo: Adobe Stock
「周囲の環境」と「自分の思考」をコントロールせよ
一点集中術とは、たんなる行為を指すわけではない。自制心を発達させることでもある。
初対面の人と会い、名乗ってもらったにもかかわらず、すぐにその名前を忘れてしまったことはないだろうか?
その場合、相手が「ピーターです」と名乗ったときに、あなたは十中八九、まったくほかのことを考えていたのだ。
紹介されたばかりの相手や、会話を続けている相手の話に完全に集中できないのであれば、それは小脳がコントロール力を失っている証拠である。
私はこうした症状を「脳散漫症候群」と名づけた。
脳が散漫になる理由の1つは、人には1つの思考にじっくりと向きあうのを避けたがる性向があるということだ。
あなたは自分の「思考」「認知」「反応」を、つねに意識してコントロールしているだろうか? それとも外部の何かが変化すれば、自分の人生はどれほどよくなるだろうと漠然と想像し、脳を無駄づかいしているだろうか?
スムーズかつ優美に日々を送れるよう、注意を向ける対象を慎重に選んでいるだろうか? それとも無数の思考が同時に頭のなかを駆けめぐっていても、その状態を放置してしまっているだろうか?
シングルタスクを実践すれば、あなたは手綱を締めなおし、最優先の課題を明確にすることができる。
NG行動:「みんなの期待」を優先する━━だから仕事が遅くなる
いっぽうマルチタスクの誘惑に負けてしまうのは、たいてい、他者の期待や要求に応じねばならないという義務感に駆られているときだ。
すると本来、自分が優先したいと思っていたことを後回しにしてしまう。そんなとき、あなたのなかにはたいてい「相手に高く評価されたい」という欲望があり、それが不安感を引き起こしている。
外部からの刺激に抵抗するのがむずかしいことは、本書も含め、さまざまなメディアでとりあげられている。なにしろ、多様なデバイスが「一点集中の原則」(『一点集中術』参照。「一度に1つの作業に集中して、生産性を上げる」という原則)を破らせようと私たちを誘惑しているのだから。
本書では、こうした「邪魔物」の管理法を紹介していくが、いずれにしろ、メディア、スマートフォン、タブレットへの反応を、自分で意識してコントロールしなければならない。
環境のせいにして、無意味な行動を続けている
外部からの刺激を処理する責任は、あなたにある。
ところが大半の人はそれを環境のせいにして、自分自身を見つめようとしない。自分の内面を厳しく見つめるより、外部からの刺激に身をまかせてしまうほうがラクに決まっているからだ。
人気コメディアンのルイ・C・Kはそうした事態について、「人間は1秒たりとも孤独になりたくないからと、命を落としたり人生を破滅させたりするほどの危険を冒している。それほど、孤独と向きあうのはつらいものだ」と述べている。
あなたは現実の人生の難題に、真正面から取り組んでいるだろうか? それとも、そうした難題を見て見ぬふりをして生きているだろうか?
あなたは人間として成長するための時間を、週に何時間、設けているだろう? その反対に、オンラインで漫然とすごしているのは週に何時間だろう?
自分のデバイスをコントロールする以前に、あなたは自分の意志をコントロールしなければならない。
正しい道を進むのは簡単なことではない。まず、ささやかな努力から始めていこう。
(本記事は、デボラ・ザック著『一点集中術——限られた時間で次々とやりたいことを実現できる』からの抜粋です)