「陶磁器×異素材:工業×工芸」老舗食器メーカーが追求するマテリアルと技術の交わり

2024年5月23日(木)12時16分 PR TIMES

プロジェクトの第1弾は「竹」、第2弾は「錫」。陶磁器と異素材が織りなす次世代の食器を発売

1908年創業の食器メーカー・ニッコー株式会社(本社:石川県白山市、代表取締役社長:三谷明子、以下NIKKO)は、次の100年に向けて新しいことを探求していくなかで、陶磁器(NIKKO FINE BONE CHINA)と異素材を掛け合わせることによって生まれる新たな価値を見出すプロジェクト「Material Waves(TM)(マテリアルウェイブス)」をスタート。

プロジェクトの第1弾・第2弾商品として、2024年5月23日(木)より、公式オンラインストアと東京都渋谷区富ヶ谷の直営店にて「輪光(りんこう)」「錫白(すずはく)」の2シリーズの食器を発売します。

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100年以上もの間、陶磁器と向き合ってきた私たちNIKKOは多くの人や素材と出逢ってきました。今回スタートしたプロジェクト「Material Waves(TM)(マテリアルウェイブス)」では、竹工芸作家・榎本千冬(えのもと ちふゆ)氏による竹工芸と、富山県高岡市の鋳物メーカー「株式会社 能作(のうさく)」による錫(すず)とのコラボレーションに挑戦。

「それぞれの素材と向き合ってきた者同士が、技術や知識を共有し合うことで、今までになかったプロダクトや新しい価値観を創出できるのではないか」という考えからスタートしたこのプロジェクト。異なる素材を掛け合わせて新たな商品を生み出し、継続的に発信していくことで、工芸や工業製品の垣根を超え、各地の産業や職人の手技・伝統を守っていくことを目指します。

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プロジェクト名である「Material Waves(TM)(マテリアルウェイブス)」は、“物質波”を意味する言葉に由来しています。すべての物質は波動の性質を持っており、その性質を表現する波動は「物質波(Material wave)」と呼ばれます。陶磁器、竹、金属、ガラス、木…など、それぞれの素材が持つ波動が組み合わさることで生まれる新たな可能性を表現しながら、「NIKKOから生じた波動が次々と伝わり、やがてさまざまな形で変化をもたらしていきたい」という想いを込め、名付けられました。

今回、プロジェクトの第1弾・第2弾商品として、「輪光(りんこう)」「錫白(すずはく)」の2シリーズの食器を発売します。どちらのシリーズも、今まで培ってきた技術を駆使して、試行錯誤を重ねた上で完成した商品です。

【商品詳細】
・輪光(りんこう) 素材:竹、NIKKO FINE BONE CHINA
・錫白(すずはく) 素材:錫(金箔・銅箔・錫箔の箔加工による3色展開)、NIKKO FINE BONE CHINA
【販売】
・ニッコー公式オンラインショップ https://www.nikko-tabletop.jp/pages/material-waves
・NIKKO SHOWROOM / STORE 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1丁目15-12 https://lost-found-store.jp/pages/tokyo-store
【発売日】
2024年5月23日(木)

第一弾商品 【陶磁器×竹】輪光 RINKOU


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Material wavesの第一弾シリーズは、竹工芸作家・榎本千冬(えのもと ちふゆ)氏による竹工芸と、NIKKO FINE BONE CHINAがコラボレーションしたシリーズ「輪光(りんこう)」。竹工芸の技法の一つである輪弧(りんこ)編みで描かれた繊細で美しい網目から溢れる光と影のコントラストと、白く輝くNIKKO FINE BONE CHINAの透明感をイメージしたシリーズです。
[動画1: https://www.youtube.com/watch?v=XLaswdScjhU ]


「輪光」に使用しているのは、福岡県産の真竹。竹は、しなやかさ・強じんさを持ち軽いうえに丈夫です。水にも強いため、汚れた場合は水洗いして乾燥させると長い年月の使用にも耐えられます。

榎本氏は、0.1mm単位で何度も試作を重ね、繊細さを保ちつつも実用的に使える竹の幅や厚みを実現。竹は、柔らかさ、硬さ、曲げやすさも、一本一本に違いのある手間のかかる素材です。基本的な4種類くらいの道具を使って、作家の技術で加工して仕上げていきます。榎本氏曰く「工芸の中で一番原始的な仕事であり、単純な仕事だからこそ、作った人の技術が活きてくる。」といいます。
[画像4: https://prtimes.jp/i/31345/82/resize/d31345-82-2272e2e152a8a416198d-3.jpg ]

NIKKOでの開発を手掛けたのは、デザイン室の佐久間 和(さくま わたる)氏。NIKKO FINE BONE CHINAのファインな質感と竹の素朴な質感は、編み方や竹幅で見え方が大きく変わるため、そのバランスに細心の注意を払いながら開発を進める必要がありました。

また、NIKKO FINE BONE CHINAの特徴のひとつに“薄さ”がありますが、竹を編み込む場合、フチが薄ければ薄いほど接合面が美しくなります。そのため最初はボーンチャイナの生素地のフチを一つ一つ手加工で限界まで薄くするところから始まりました。度重なる試行錯誤の結果、今までにないフチの薄さを実現。ボーンチャイナと竹がしっかりと噛み合い、美しさと強度を兼ねた商品が完成しました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/31345/82/resize/d31345-82-906858d52b3abf9c96dc-4.jpg ]


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榎本 千冬 ENOMOTO CHIFUYU
1950年神奈川県生まれ。 大学卒業後に大分県別府で竹工芸を学ぶ。その中で竹に漆を塗った作品を作りたいと考え、石川県輪島で漆工芸を学ぶ。竹に漆を使った作品は前例がなく、独学で竹と漆の技術を加えた作品を生み出す。数十種類ある竹工芸の編み方の中でも基本的な編みの一つである麻ノ葉編(あさのはあみ)を最も得意としている。代表作は、「麻ノ葉編六角箱」「花籠/傘徳利」。ニューヨーク・ジャパンソサイティにて竹工芸の実演と講演、文化庁在外研修員としてドイツにて柳工芸を研修。
日本工芸会正会員 石川県輪島漆芸技術研修所講師 https://www.enomoto-chifuyu.net/

第二弾商品 【陶磁器×錫】錫白 SUZUHAKU


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Material wavesの第二弾シリーズは、富山県高岡市の鋳物メーカー「株式会社 能作(のうさく)」による錫(すず)と、NIKKO FINE BONE CHINAのコラボレーションシリーズ「錫白(すずはく)」。NIKKO FINE BONE CHINAの特徴でもある白さと、フチの仕上げに使用している箔から「ハク」という音を取り出し、錫という素材と合わせ名付けられました。

一般的にお皿の破損で多いのは、フチが欠けてしまう(チップする)こと。錫白は、フチを金属(錫)で覆うことでより強度を高め、永く大切に使っていただきたいという想いから生まれました。陶磁器と金属(錫)を組み合わせるという新しい技法を確立し、これまでにないプロダクトの広がりや可能性を目指しています。

[動画2: https://www.youtube.com/watch?v=qiDnV1vqqp4 ]

錫は金・銀に次ぐ高価な金属です。水が腐食しない、酒の風味がまろやかになるとされるなど、抗菌作用があり、古くから茶器や酒器の材料に用いられてきました。

錫白のフチ部分の錫には金箔・銅箔・錫箔の箔加工とコーティングが施されています。この箔加工は石川県金沢市に本社を置く「箔一(はくいち)」が手がけています。金属でありながらとてもやわらかい錫素材のフチは、衝撃により変形する場合がありますが、そうした経年変化も風合いとして永くお楽しみいただけることも、錫製品の魅力です。

錫白の開発でコラボレーションしたのは、富山県高岡市で1916年に創業した鋳物メーカー、能作。能作では、NIKKO FINE BONE CHINAと錫100%をどう組み合わせるか、形状や錫の割合をどう調整するか、などの試行錯誤を繰り返し行いました。特に錫を型から外したときに出来るバリ※の処理と、食器との境目を綺麗に仕上げる方法や表面処理については、何度も試作を重ねています。構想から約3年、最終的に錫を鋳造後に貼り合わせるという手法に辿り着き、美しい仕上がりを実現することができました。
※バリ 素材を加工した際に発生する出っ張りやトゲのこと。「かえり」ともいう。

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NIKKOでも、最初は“鋳包み(いぐるみ) ※”という手法で作りたいと考えていましたが、試作を繰り返すなかで、大きいサイズの食器だと難しいことが判明。そもそも鋳包みとバリはつきものなので、バリを無くすというのが至難の業でした。それでも綺麗な仕上がりを追及するためさまざまな手法にトライし、結果的に“貼り合わせ”という手法に辿り着きました。
※鋳包み 鋳型にあらかじめ一体化したい材料を置き、そこに溶解した金属を注ぎ込んで一体化する方法

開発を担当したNIKKOデザイン室の佐久間 和(さくま わたる)氏は、「焼き物である陶磁器は、すべて全く同じにはなりません。個々の若干の違いも考慮して均等に綺麗な仕上げをしていくというは難しかったですが、表と裏に分かれた錫製の縁部分を同じ錫を使用して付けるので境目も綺麗になりました。」といいます。

“貼り合わせ”によって取り付けられる錫のフチは「生型鋳造法(なまがたちゅうぞうほう)」という方法で作られます。珪砂に少量の水分と粘土を混ぜた鋳物砂を用いて、木型の周りに押し固めて鋳型をつくる生型鋳造法は、富山県高岡市で伝統的に用いられてきたもの。鋳型を焼成・薬品処理しないため、砂の再利用が容易で、量産性に優れています。錫白の試作段階では、さまざまな鋳造方法も試しましたが、最終的には陶磁器の個体差に上手く適応できるこの生型鋳造法を採用することになりました。
[画像9: https://prtimes.jp/i/31345/82/resize/d31345-82-e08455804cec5e26e513-8.jpg ]

[画像10: https://prtimes.jp/i/31345/82/resize/d31345-82-b13d250783727834bd54-9.jpg ]


株式会社 能作 NOUSAKU
大正5年(1916)年、富山県高岡の地で創業し仏具や茶道具、花器などの鋳物の製造を開始。2003年には創業から受け継がれてきた職人の技術を持って世界初となる錫100%製のテーブルウェアを開発。代表作は、真鍮製の「ベル」、錫100%製の「KAGO」。
また本社工場が日本インテリアデザイナー協会「JID AWARD 2018」大賞を受賞している。 https://www.nousaku.co.jp/

NIKKO FINE BONE CHINA とは


NIKKO FINE BONE CHINA(ニッコーファインボーンチャイナ)の特徴でもあり、トップシェフから支持される大きな理由はその「薄さ」と「白さ」にあります。また、NIKKO FINE BONE CHINAは約50%にまで高められたボーンアッシュの含有量を誇っています。日本では素地中に30%以上の骨灰を含むものをボーンチャイナと日本工業規格(JIS)で定められています。通常50%を超えると成形が困難とされていたものを、研究を重ねた末に見事に実現。NIKKOは、厳選した原材料と石川県の国内工場での徹底した管理の元、純白のボーンチャイナをつくりだしています。
また、ボーンアッシュに含まれるリン酸三カルシウムが肥料として有効なことから、生産過程で生じる規格外品を肥料としてリサイクルする技術を確立しました。
捨てられる食器から生まれた肥料「BONEARTH」について: https://www.table-source.jp/nikko-circular-lab/bonearth/


ニッコー株式会社について



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1908年に創業。ホテルやレストランなど高品質や耐久性を求められるプロフェッショナルな方々に、長きにわたりご愛用いただいています。また、NIKKOは原料加工から最終工程に至るまで、石川県の自社工場で一貫して生産を行っており、大規模な製造量を誇る陶磁器メーカーでは日本で唯一の存在です。

次の100年も陶磁器づくりを続け、豊かな食とそれを楽しむ時間を守り続けていくために、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたリニア型のビジネスモデルから脱却し、製品づくりの段階から廃棄が出ない設計を考え、一度調達した資源ができる限り社会の中で循環し続けるサーキュラー型のビジネスモデルへの変革を目指しています。
ニッコー公式サイト https://www.nikko-company.co.jp/

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