自動運転車を政府・自治体の公用車に積極導入、秋から経産省と国会を結ぶ定期便で実証
2025年5月29日(木)15時0分 読売新聞
首相官邸
国内自動車産業のデジタル化促進に向け、政府がまとめる新たな戦略案の全容がわかった。世界に比べて出遅れが指摘される自動運転車の普及に向け、政府や自治体の公用車で積極的に導入する。官民での連携を深め、激しさを増す国際競争に対応する。
経済産業省と国土交通省が29日午後、一連の施策を盛り込んだ戦略案を示す。
自動運転車の導入促進に向け、政府調達を活用する。特定のルートを走行するケースが多い公用車は自動運転車への代替が行いやすい。手始めに2025年秋から経産省と国会を結ぶ定期便で自動運転の実証を行う。
新東名高速道路の一部区間で行っている自動運転トラックの実証実験は、26年度以降、インターチェンジ(IC)と物流施設をつなぐ一般道に対象を拡大させる。一般道での自動運転が実現できれば、自動配送ロボットなど新たな配送サービスや、積載率を高めた共同配送を実現しやすい環境が整う。
業界横断でのデータ共有の試みも強化する。供給網の
車両情報とマイナンバーをひもづけ、個人が自家用車を使って有償で人を運ぶ「ライドシェア」といったサービスの利便性向上も検討する。
米中が先行する生成AI(人工知能)を活用した自動運転の共同開発やデータ共有で、国内の自動車大手の連携を促す方針も明記する。自動車産業の次世代技術を巡る競争が激化する中、国内勢の協調によって、技術やサービス開発の効率化につなげる考えだ。