備蓄米引き渡し、精米工場「奪い合い」の様相…小売り大手「精米所と袋の確保が一番のボトルネック」

2025年5月29日(木)7時5分 読売新聞

参院決算委員会で政府備蓄米の放出について答弁する小泉農相(26日午後、国会で)=川口正峰撮影

 随意契約で放出される政府備蓄米を巡り、小売業者への引き渡しが29日にも始まる。申請した各社は販売に向けて準備に追われており、精米工場は「奪い合い」の様相となっている。

 今回の放出で、精米は購入を申請した小売業者に任されている。だが、多くは自前の精米設備を持っておらず、コメ卸などの精米工場に頼らざるをえない状況だ。大手小売りの担当者は「精米のめどが立たなければ、販売時期も明確には決められない」と話す。

 ある大手コメ卸には精米の依頼が相次いでいるといい、担当者は「銘柄米とこれまで放出された備蓄米の精米でいっぱいいっぱいだ。(今回分の)精米を優先できるかは、相手との調整次第だ」と話す。

 コメ卸で作る全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)の山崎元裕理事長は28日、小泉農相との意見交換後に報道陣の取材に応じ、「今まで取引のない精米工場などを使っていただくことも考えられる」と述べた。

 販売用の袋を準備できるかも課題となる。新たな発注では6月初旬の販売に間に合わせるのは難しく、小売り大手の幹部は「精米所と袋の確保が一番のボトルネックだ」と話す。

 また、備蓄米の迅速な輸送に向けて、出荷や運送を行うトラックの手配などが円滑に進むことも必要だ。小泉農相は28日、中野国土交通相に協力を要請した。中野氏は、すでに関係する業界団体に迅速な運送への協力を要請したことを説明した。

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