【ニュースレター】離島内の交流を生む移動サービス、アジャイル開発の舞台裏

2024年6月12日(水)15時0分 Digital PR Platform


〜長崎県佐世保市でインドからの技術者とともに挑む「黒島あいのりカート」の試み〜


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「一人で行くより(相席が)楽しい」と、連れ立ってグラウンドゴルフに向かう光景も。
希望者に配布したQRコード付きカードをかざして乗車
 
島の暮らしに寄り添う移動の仕組みを
 長崎県の南西に連なるリアス式海岸の群島、風光明媚な九十九島。中でも最大の面積を誇る黒島(佐世保市)には、およそ350人ほどの人びとが暮らしています。この島では現在、当社デジタル戦略部による「離島プロジェクト」と呼ばれる活動が進められています。
 高齢化が加速する黒島では、住民の過半数が65歳以上の高齢者。島内にタクシーやバスなどの公共交通機関は存在せず、日常生活における人びとの移動は大きな課題の一つです。
 「坂道が多いことから自転車の利用も少なく、自動車免許を返納された高齢者の皆さんは典型的な交通弱者と言えます」と話すのは、プロジェクトを推進する同部の野中章裕さん。6月中旬まで行われた実証実験では、利用者や運転手の声と乗降データ等によって島内移動のニーズを把握しながら、住民に寄り添い、“繰り返し使われて、日常に欠かせないソリューション”の検証・開発に取り組みました。
 グリーンスローモビリティ(低速電動カート)とアプリを組み合わせたこの試み。野中さんらが目指しているのは、「高齢者を含む誰もが手軽に利用でき、かつ他の地域でも展開できる汎用性の高い仕組み」です。
 

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住民の皆さんとの対話会。運転免許を返納した方からは、「簡単、便利。行かなかったところに行けるようになった」という声も
 
活用現場に身を置いての「アジャイル開発」
 「黒島あいのりカート」と名づけられたこの実証実験では、スマホアプリや電話でカートを呼べば、幹線道路まで最短5分で迎えに行くという移動サービスを実施しました。住民個人だけでなく、学校やカフェ、役所や病院等の各施設にも端末を設置し、電動カートを利用して、誰が、誰と、どこに、どのような目的で移動しているのかを検証しました。
 そのメンバーに加わったのが、YMLSI※(インド)の若い4人の技術者です。プロジェクトの立ち上げから参加する彼らは、小さな単位で実装と検証を繰り返すアジャイル開発を実践するために、期間中、3人は黒島でメンバーたちと寝食を共にし、残る1人はインドのオフィスから開発を支援しました。
 「住民の皆さんとの対話会にも参加して、『急にキャンセルしなくてはならないことがあって困った』と聞けば、彼らは基地としてお借りした倉庫に戻って、すぐにキャンセル機能を組み上げる。まさにアジャイルな活躍ぶりでした」と荒木幸代さん(デジタル戦略部)。「開発者自身が利用現場を目の当たりにすることで、彼らからは次つぎと積極的な提案が出てきました」とその様子を振り返ります。
 実証実験を通じて「黒島あいのりカート」の利便性や楽しさを実感した住民の皆さんは、署名活動(現在も継続中)を行って島での恒常的な運行に関する要望書を佐世保市に提出。地域の実情に合った、共助によって支え合うサービスの実現へと踏み出し始めています。
※YMSLI
Yamaha Motor Solutions India Pvt. Ltd.  600人を超えるIT技術者を擁する当社のグループ会社
 

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「営業時間や問合せ先が表示されていると嬉しい」など、利用者からの要望にもインドからの技術者が即座に対応。
アジャイル開発を実践
 
■広報担当者より
当社のDX戦略では、「Y-DX1:経営基盤改革」「Y-DX2:今を強くする」「Y-DX3:未来を創る」という3つの取り組みを掲げ、これらをリンクさせながら同時に進めています。離島の移動サービスに関わるこのプロジェクトは、「Y-DX3」にあたる取り組みの一つ。そのアプローチには「共創」と「アジャイル開発」という指針が含まれており、黒島の事例はまさにそのものといった印象です。実証実験では、島の高齢者だけでなく、頻繁に出没するイノシシを避けるため、小中学生の登下校にも使われたそうです。


本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
本社:0538-32-1145 / 東京:03-5220-7211

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