海老の「本当の美味しさ」を広めたい!海老への情熱が大手企業やメディアを動かした...「海老屋の娘」の奮闘ストーリー

2023年11月14日(火)14時22分 PR TIMES STORY

和・洋・中、あらゆる料理との相性が抜群で、長寿の象徴ともされる「海老」。しかし、海老を含めた食用魚介類の1人あたりの消費量は、ここ20年で半分近くに減っています。また、コストや手間を抑えるために、市販されるのは頭と尻尾、殻を取り除いた「剥き海老」が主流となり、海老本来の味が日本の食卓から消えつつあるのです。

そんな中「海老の本当の美味しさを広めたい」と立ち上がった1人の女性がいます。海老屋の娘として生まれた彼女は、プライベートでも海老のことばかり考え、ペットとして海老の繁殖を行っている大の海老好き。彼女が立ち上げた「日本海老協会」には市場や水産加工会社だけでなく、大手食品メーカーや商社、小売店など85社が参加。海老の美味しさと可能性を広めるために開かれる「エビフェス!」には有名人が参加し、メディアも取材に来るような一大イベントとなりました。

「日本海老協会」は営利団体ではないため、予算も人手も足りません。そんな中でどのように工夫し、大規模イベントを成功させてきたのか。「海老屋の娘」の奮闘記をご紹介します。

■プロフィール

藤井 稚代

1982年生まれ えびせんべいの故郷の愛知県西尾市一色町出身。海老屋の娘として生まれ、大学卒業後の2005年、海老専門の毎味水産株式会社に入社。スーパーの担当者との商談中に「美味しさよりも値段重視」と言われたことがきっかけで、2008年にこだわりの海老を広く販売したいとテレビショッピングに新規参入。「海老のおいしさ直行便」に自ら出演し12年間販売。2013年に「海老の日」を制定。2014年に一般社団法人日本海老協会を設立し、美味しい海老の普及、食育推進、食品ロス・海ごみの削減に取り組む。

「おまえが何不自由なく生活できるのは海老のおかげだで、海老に貢献しろ!」

私は、愛知県にある老舗の海老屋「毎味水産」の娘として生まれました。商売人気質の父の口癖は「おまえが何不自由なく生活できるのは海老のおかげだで、海老に貢献しろ!」。そう言われても、後継者である兄たちのように力仕事はできません。

「私にできることって何だろう?」と考えていた私にとってヒントとなったのは、地元である愛知県一色町の名産品「ウナギ」の存在でした。「土用の丑の日には、みんなウナギを食べるよね。じゃあ海老の日を作れば、みんなが海老を食べるようになるんじゃない?」さっそく日本記念日協会に問い合わせてみると、海老に関する記念日はないとのこと。海老は「長寿の象徴」といわれることから、敬老の日(9月第3月曜日)を「海老の日®」にしようと決め、2013年に正式に認定されました。

地元の有志と「夢海老会」を立ち上げ「海老の日®」の普及のため奔走しました。しかし、「海老の消費量をもっと増やしたい」「海老の食材として加工の価値を高めたい」「美味しい海老料理を普及させたい」という夢を叶えるには、業種・業界を超えて大同団結し、より多くの人たちと関わっていく必要があると考えたのです。

「日本海老協会」を立ち上げ!300社以上に直電し協賛企業を募る

そこで「海老の日®」が認定された翌年の2014年に「日本海老協会」を立ち上げ、協賛してくれる企業を募りました。はじめは毎味水産の取引先である市場や水産加工会社、商社などが中心でした。昔からお付き合いのある企業だったので、積極的に参加していただけたのです。

しかし、私はもっと広く、「海老」に関連する企業すべてを巻き込んでいきたいと考えました。そこで私が実行したのは、海老に関連する企業の連絡先をノートに書き出し、片っ端から電話すること。その数、なんと300社以上!地道な努力のおかげで、大手食品メーカーや外食チェーン、スーパーマーケットなど多くの企業に参加いただくことができました。今では85社が協賛企業として名を連ねています。

「海老の日®」イベントに有名人を招待 ギャラは「海老払い」?

「海老の日®」の制定と同時期に始めたのが「海老の日®祭り」の開催です。目的は、「海老の日®」に、みんなで楽しく海老を食べてもらう慣習を広めること。「海老の日®」は敬老の日なので、まずは名古屋市の特別養護老人ホームでお年寄りに海老を食べていただくことから始めました。

地元のメディアに取材していただき、多くの反響がありました。やはり多くの人に「海老の日®」を知ってもらうには、メディアの力は必要不可欠です。そこで思いついたのが「イベントに有名人を呼べば、メディアが来てくれるのではないか」ということ。海老は長寿の象徴ということで、現役で活躍されているご長寿有名人の方をイベントに招待し、「ベストシニア大賞」を授与しようということになりました。

しかし、私は海老屋の娘。有名人との繋がりはありません。そこで私は再びノートを開き、候補となる有名人と事務所の連絡先を書き連ね、片っ端から電話をかけました。有名人をイベントに呼ぶためにはギャラが必要ですが、私たちには予算がありません。お金に代わるものは何かないだろうか…と周りを見渡したところ、ありました。「海老」です。私は芸能事務所の方に「海老払いでどうですか?」と持ちかけたのです。意外にも面白がっていただいて、第1回の「ベストシニア大賞」には当時の漫才協会・名誉会長の内海桂子さんをお呼びすることができました。第2回以降も、女優の中村玉緒さんや泉ピン子さん、俳優の高橋英樹さん、料理家の平野レミさん、さらに若い世代にも認知を広げようと「ベスト海老大賞」として、グループ名に「海老」が入っている私立恵比寿中学さんやA.B.C-Zさん、海老反りダンスで有名な、ももいろクローバーZの百田夏菜子さんなど、幅広いジャンルの方にご参加いただいています。

限られた予算 プロの手は借りず大規模イベントを開催

「海老の日®祭り」は「エビフェス!」と名称を変えて開催を続け、11回目を迎えます。その中で苦労してきたのは、やはり予算面です。目的が「海老の本当の美味しさを広める」ことである以上、お客様からはお金をいただくことはできません。気軽に参加して楽しんでもらいたいからです。そのため、毎年協賛企業にプレゼンして回り、協力金を集めました。また、人手も足りません。そこでも協賛企業の社員の方に協力していただき、スタッフとして働いてもらうことになりました。

そして、集客に欠かせないInstagramなどのSNSは、私の大学時代の友人が運営してくれています。ボランティアで協力してくれるというので、やはり「海老払い」でお願いしました。おかげさまで「エビフェス」は大規模なイベントになりましたが、イベント会社や代理店などプロの手を借りることなく、いろんな方に協力していただくことで成り立っています。

直近では、今年2023年の「海老の日®」である9月18日(月)〜25日(月)に、そごう横浜店で「エビフェス!」を開催しました。ミシュラン一つ星のレストランが提供する海老料理や「全日本海老選手権」で入賞した商品をお楽しみいただき大盛況となりました。国産車海老の無料配布も開催し、海老本来の美味しさを味わっていただきました。

女は子供を産まないと国賊!!?プレゼン資料を燃やされたことも…それでも「海老」への情熱は消えない

「エビフェス!」では、全国各地から次世代に残すべき海老商品を募集しグランプリを決める「全日本海老選手権」や、未来を担う子供たちに海老をまるごと使った料理を考えてもらう「えび丸ごと料理コンテスト」など、さまざまな趣向をこらした企画を開催しています。しかし、ここに至るまでの道も平坦ではありませんでした。築地市場内では大先輩から「女は仕事をするより子供を早く産みなさい。そんなことしてると国賊だぞ!!」、企画を相談していた方から「こんな企画、全然面白くないよ!」と言われ、その場でプレゼン資料を燃やされたり、紙を破られたりしたこともあります。

それでも続けられたのは、やはり海老への情熱があるからだと思います。私にとって海老はライフワーク。仕事のときだけでなく、プライベートでも四六時中海老のことを考えています。かつてはごちそうの代名詞だった海老も、今ではスーパーで気軽に買えるようになりました。しかし、スーパーで見かける海老の多くは「剥き海老」です。「剥き海老」は手軽さが売りになっている半面、食感を保つために使われている過剰な保水剤や調味料の影響で、海老本来のうまみを楽しめなくなっています。

また、水産庁によると、海老を含めた食用魚介類の1人あたりの消費量は、ここ20年で半分近くに減っています(2001年:40.2kg→2021年:23.2kg)このままでは、日本の食卓から海老が消えてしまうのではないか。その前に海老本来の美味しさや、海老料理の可能性を広めたい。そんな思いから活動を続けています。

「日本海老協会」の今後の展望 

日本海老協会では「エビフェス!」の開催のほかにも、小学校の出前授業や講演会などで海老の本来の美味しさを広める食育活動をしています。また、消費期限は迎えていないのに出荷期限が切れてしまい販売できなくなった海老をイベントで配ったり、福祉施設に送ったりするなど、SDGsに繋がる活動も積極的に行っています。そんな中、子どもたちから「海老嫌いだったけど、好きになった」「初めておかわりした」などの声が寄せられることも。この活動を続けてきてよかったと実感する瞬間です。

今後の展望としては「海老検定」「海老大使」の実施、全国の美味しい海老を定額制で楽しめる「海老のサブスク」、「エビフェス!」の全国開催など、アイディアはどんどん出てきています。食材である海老の流通に好影響を及ぼすとともに、 海老食の消費生活の向上・拡大・高度化に貢献することを目的とし今後も努めて参ります。

公式HP

・一般社団法人日本海老協会 公式HP

https://ebikyoukai.jp

・ベストシニア大賞・ベスト海老大賞 紹介ページ

https://ebikyoukai.jp/about/

・エビフェスin OSAKA トップページ

https://ebikyoukai.jp/ebifes/osaka_2023/

・エビフェス in YOKOHAMA トップページ

https://ebikyoukai.jp/ebifes/yokohama_2023/

・えび丸ごと夢の料理コンテスト

https://ebikyoukai.jp/ebifes/yokohama_2023/dreamcooking/

・全日本海老選手権

https://ebikyoukai.jp/ebifes/yokohama_2023/ajcs/

・「海老の日®」キャンペーン

https://ebikyoukai.jp/ebifes/yokohama_2023/campaign/

・食育授業〜海老の解剖教室〜

https://ebikyoukai.jp/dietary_education/

■日本海老協会について

名称:一般社団法人日本海老協会

事業内容:長寿の象徴である海老を家族みんなで食べることを通して、長寿を祝い、家族の末永い健康と幸せを願う新しい食文化を創造すると共に、未来を担う子供達に、正しい「魚食」の知識を伝え、健やかな成長をサポートする食育推進活動を行うことを目的とする。


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