中小企業を応援したい。顧客ニーズの変化をとらえて進化を続ける「店舗の力TM」の誕生ストーリー
2023年11月16日(木)15時44分 PR TIMES STORY
私たち株式会社エヌジーシーは、映像機器・システムの老舗専門商社です。古くは日商エレクトロニクスの映像事業部門だった時代の1988年、米国生まれのVR(バーチャルリアリティー)技術を日本市場に初めて紹介・発売、また、かつてはまだ三管式だった初期のプロジェクター製品をいち早く日本市場で販売を開始したのも当社でした。映像表示機器でグローバルトップシェアのサムスン電子とは、2009年にいち早く正規代理店契約を結び、狭額縁液晶ディスプレイを組み合わせたビデオウォールソリューションを発売。また、最近では、2019年より、サムスン電子が世界に先駆けて最先端技術マイクロLED技術により高品質の映像再現を可能とした、超高精細大型ビジョンThe Wallを販売しています。
このストーリーでは、スタンドアロン型デジタルサイネージ「店舗™」の誕生秘話から、今、エヌジーシーが新たに仕掛ける市場と顧客への提案背景までを含め、企画責任者の宮田から振り返りとともに、意図された企画の背景についてお話しします。
(株式会社エヌジーシー)
東日本大震災後、デジタルサイネージ需要は激減。中小企業を応援したいという思いから生まれた「店舗の力™」
2011年3月に起きた東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所の事故を契機に、全国で電力不足が深刻化しました。特に首都圏ではいつ停電するかわからないという状況さえ発生し大混乱をきたしました。
さらに政府は同3月下旬、夏の供給力不足予測にもとづき、電気事業法による強制措置である、大口需要家の対昨夏より最大使用電力を15%減らす「使用制限令」を発令しました。小口需要家や家庭にも15%の自主節電が要請されました。
鉄道事業者各社は運転本数や車両数を減らし、駅構内や列車内を暗くし、エスカレーターや自動券売機の使用も一部止めるという苦心をされている環境下、一般流通小売事業者においても同様な取り組みがなされるようになっていました。このような状況下、都内の主要な公共施設内のデジタルサイネージの電源は落とされ、不要不急のデジタルサイネージ需要は激減していきました。
東日本大震災がもたらした、電力不足とは別のもうひとつの大変大きな影響がありました。多くの犠牲者が出たことに対する一般市民の強い自粛ムードがまん延し、外出・外食を極端に控えるようになっていたのです。首都圏の飲食店・小売店に閑古鳥が鳴き、特に中小零細業者の店舗オーナーは悲鳴をあげる状態が続いていました。
このような日本社会全体の状況を踏まえ、日本サムスン株式会社(当時)で企画、2011年7月に上市した商品が「店舗の力™」でした。
■ 「店舗の力™」という社内で作った商品名に、厳しい経営環境下で日々苦戦されておられる日本の中小零細事業者の店舗を応援していこうという願いを込めた。
■ 電力不足の状況下を配慮し、当時業界内でも先進的なLEDバックライト搭載製品を用い、自社従来製品比(当時)48%の消費電力削減を訴求し、世間からの一定の理解を得ることができた。
■ 当時40型液晶ディスプレイとしては最薄の29.9mm・最軽量の10.5kgと併せ、業界で初めてイーゼルスタンドをセットし、設置・取り回しのしやすさを訴求した。
■ リモコン操作とUSBメモリ運用で運用のしやすさを訴求した。
製品は市場の注目をいっせいに浴び、テレビ東京ワールドビジネスサテライトから取材を受け、「逆風企業の節電対策」特集の1企業として取り上げられました。テレビ放映の好影響もあり、震災後の深刻化していたサイネージ需要の停滞は嘘だったかのように引き合いが急増しました。その後、このイーゼルスタンドを組み合わせたスタンドアロン型サイネージは、国内メーカーの追随も含め、デジタルサイネージにおける日本市場特有の1カテゴリーとして定着、普及していきました。エヌジーシーもその販売代理店の役割を担っていました。
商品の誕生から12年、変容する市場と顧客ニーズ
店舗の力™発売から12年が経過し、社会が変化し、日本の市場と顧客ニーズも大きく変容を遂げました。
■スマートフォンの爆発的な普及
2010年 4.4% → 2022年 94%
(NTTドコモ モバイル社会研究所に拠る。)
■デジタルネイティブであるZ世代の社会進出が進む
1995年から2004年に生まれたZ世代の2023年人口比率 17% (国連報告書)
■写真・動画SNSの利用者が急増した。
※株式会社ガイアックス調査・発表データ
■人手不足の深刻化
労働人口の減少と、完全失業率の低下・有効求人倍率の改善が中小零細事業者にとっての人手不足の状況を深刻化させている。
※中小企業庁公表データ
■インバウンド需要の拡大
コロナ禍中にいったん止まりはしたが、インバウンド需要は着実に拡大している。人手不足とあいまって、小売・飲食店などにおける多言語対応によるその販売機会取り込むことの必要性が高まっている。このことが、デジタルサイネージの潜在需要をふくらませている可能性が高い。
※観光庁公表データ
デジタルネイティブの世代層の人口比率が増えて社会進出が進み、スマートフォンが高い普及率を達成、クラウドを活用するデジタル社会化が進むという時代の変化が如実になっています。
その一方で、「店舗の力™」で提唱され、普及が進んだスタンドアロン型デジタルサイネージのコンテンツの入れ替え方法であるUSBメモリ方式が社会の変化に対し、相対的に時代の状況に相応しくないものになってしまっています。
もちろんUSBメモリを使わなくても、コンテンツを管理・配信するCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)が普及し、その選択肢も大きく広がりました。しかし、本来「店舗の力™」が対象ユーザーとした、中小零細事業者の店舗に立ち戻ると、月次サービス費用が発生するデジタルサイネージの新規契約はハードルが高いままであるという現実は2011年当時とは変わっていません。
現場の人手不足は悪化し、デジタルサイネージを使った現場の省力化、業務負荷軽減の潜在ニーズはより拡大しています。
今、デジタルサイネージに求められる機能とは?
前述の市場と顧客ニーズの大きな変化のトレンドを踏まえて、エヌジーシーでは現代の新しい「店舗の力™」が求められていることを認識し、以下の項目内容を必須要件として考えました。
1. 「USBメモリを使わなくても運用ができること」
アナログなUSBメモリの抜き差し操作が時代に相応しくなくないものになってきています。また、現場スタッフの負荷を考えた時に、屈んでディスプレイの裏側をのぞき込んだりするということも特に若い世代からは疎んじられると考えられます。
某中小規模のチェーンストアでは、スタンドアロン型デジタルサイネージのコンテンツをUSBメモリで運用するため、最新のコンテンツを記録したUSBメモリを郵送で各店舗に配送していました。しかし、店舗側が忙しく、また面倒でもあり、コンテンツが更新されないままに放置されていたという、実際の出来事がありました。
USBメモリを使わなくても運用できるデジタルサイネージが求められています。
2. 「写真・動画SNSの縦長コンテンツを簡単に表示できること」
前述のように、写真・動画SNSが急速に普及し、実際、多くの店舗がInstagramなどを頻繁に更新しながら集客・販促活動や顧客関係性維持・醸成に活用をしています。それらの多くが縦長写真・動画を使っていますが、この縦長写真・動画をデジタルサイネージに簡単に表示でき、しかもリーズナブルなデジタルサイネージは今までありませんでした。
3. 「現場スタッフの業務負荷ができるだけ少なく、簡単に使えること」
4. 「スマートフォンとのワイヤレスでの連動ができること」
これらの2点も1.の現場の状況や、人手不足・インバウントへの対応の必要性を踏まえ、またスマートフォンの普及を前提にした時に必須項目になると考えました。
新たに選定したディスプレイは、機能や基本性能が大きく向上
「店舗の力™」の商標もサムスン電子ジャパン株式会社から、株式会社エヌジーシーが引き継ぎ、商品を企画するにあたり、数あるサムスン製デジタルサイネージディスプレイのラインアップの中から以下の製品を選定しました。
2011年当時の40型ディスプレイ製品と現在の43型製品を比べると、主な仕様差は以下のように、大きく製品機能が向上し、物理的な仕様や消費電力などの基本性能も大きく向上を果たしていることが明らかになりました。
サイネージディスプレイで届けたい新たな「顧客価値」とは?
変容した社会、市場と顧客のニーズ、選定したサムスン製サイネージディスプレイの機能を踏まえ、新しい「店舗の力™」で届けたい、店舗の現場で働くスタッフの方々を顧客として、その顧客価値として、以下のポイントを整理しました。
1.【USBメモリ抜き挿し作業からの解放】 アナログなUSBメモリの抜き差し作業無しで、デジタルサイネージコンテンツの切り替え、再生ができること。もちろん、配信サービスの月次契約などによる月次費用負担もないこと。
2.【普段使いのお店のインスタを簡単に大画面表示】 InstagramやTikTokなど写真・動画SNSの縦長コンテンツを、ためらうことなく簡単に、大画面に表示できること。デジタルサイネージ専用にコンテンツを制作するための業務負荷や費用を軽減できること。
3.【現場スタッフに優しい、DIY(Do-It-Yourself) の実現】 販売店に頼らなくても、安価に購入ができ、現場のスタッフが負担をできるだけ感じずに、簡単に導入・設置、運用をすることができること。
4.【スマートフォン・フレンドリー】 日常的に誰もが使い慣れたスマートフォンを使って操作をすることができること。
商品化につながった、エヌジーシー社の工夫と提案
商品化するにあたり、エヌジーシーでさらに工夫を加えたのが、以下の2点です。
1.【24時間働く 店舗の力™】
キャスター付きイーゼルスタンドを選定、薄型・軽量設計と併せて可動性を実現。さらにディスプレイの24時間運用設計を生かして、昼は屋内で表示、夜間は製品を移動させ、窓から外に向かって道行く人に対して表示してくださいというご案内をしています。せっかくご購入頂いたデジタルサイネージの導入効果を最大化する活用をご提案しています。
2.【誰でもわかるマニュアル】
ディスプレイの取扱説明書だけではわかりづらい操作・運用・活用方法を、日本のユーザー視点に立って説明・解説した「店舗の力™操作・運用マニュアル」を制作しました。
ついに完成した新商品。ワイヤレス接続やスマートフォン連動など時代に則した製品へ
1.【インターネットにワイヤレス接続、WEBブラウザでSNSコンテンツ表示】
・大型ディスプレイを内蔵のWi-Fi機能を用いて、ワイヤレスでインターネットに接続することができます。
・WEBブラウザ機能を使って、リモコンで画面上のソフトキーボードを操作、またはBluetoothのワイヤレスキーボードを接続してURLを入力します。
・お店や会社のホームページや、日常使いのInstagramのようなSNSアカウントなどを、静止画も動画もスマートフォン感覚で、縦でも横でも自動的にディスプレイが回転させて表示することができます。
・一度設定したURLをホーム画面設定すれば毎回WEBブラウザが起動される毎に同じ接続先を表示することができます。
・従来のスタンドアロン型デジタルサイネージで一般化している、USBメモリの抜き挿し作業をしなくてもコンテンツ更新が可能です。
・SNSを活用すれば、デジタルサイネージ専用のコンテンツを作ったり更新したりする手間と費用を軽減することができます。
2.【ディスプレイの電源オン・オフタイマーと連動させた運用】
ディスプレイの電源オン・オフタイマーは曜日、時間、任意の休日設定をしながらオン・オフ時刻を設定することができます。電源オン時にこのタイマーと連動してWEBブラウザから指定したURLを立ち上げることができます。
3.【毎日使い慣れたスマートフォンと連動した運用】
スマートフォンからのミラーリング接続に対応。ライブ性・即時性の高いサイネージコンテンツの表示ニーズや、イベントなど幅広い用途への新しい運用の可能性が広がります。さらに、Smart View+機能を使ってスマートフォン側にアプリをインストールすれば、iPhoneにも対応、また、複数の端末の画面を1画面に共有表示することも可能です。
4.【USBメモリ・内蔵メモリからのコンテンツ再生にも対応】
どうしても従来とおりのUSBメモリを使いたい方にはもちろん、動画や写真ファイルをUSBメモリから、または内蔵メモリ(ユーザ使用可能領域10GB)にコンテンツをコピーをして、再生をすることもできます。コンテンツグループ毎のスケジュール再生や、スライドショー再生の際の切り替え時デジタル効果、オーディオBGM再生、テロップ設定・再生機能があります。
屋外用機種も取り揃え、5機種をラインアップ
屋内用には43型と50型を、それ以外に屋外用超高輝度モデルを24・46・55型の3サイズ、全5機種をラインアップし、屋内用は”ナカ”モデル、屋外用は”ソト”モデルとしてそれぞれ商品名を命名しました。
屋外用モデルもキャスターを装備したスタンドをセットし、防犯対策や、台風などの強風時は屋内に収納することができるように工夫しました。
-おわりに- 「日本の現場」にもっと寄り添うデジタルサイネージを
以上、店舗の力™の長い話にお付き合いを頂きありがとうございました。
デジタルサイネージは欧米で生まれの製品です。もちろん、グローバル経済社会の下、日本にも同じ考え方がなじむ部分も、さらに欧米同様に活用をしていかねばならない課題もたくさんあります。
しかし、とりわけ、日本の小売・流通業、飲食業などの中小企業の店舗の現場には、他国とは異なる日本特有のお客様の困りごと=ニーズがあると考えています。その答えのひとつが店舗の力™です。
今後も長きにわたってこの日本の現場に向けたデジタルサイネージ、店舗の力™を、お客様の声を直接お伺いしつつ、さらに改善を重ねながら、お客様と一緒に育てていきたいと考えています。
「店舗の力™」商品の詳細情報
「店舗の力™」購入のお問合せ
https://www.ngc.co.jp/contact/
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