印刷所で廃棄される損紙(ヤレ紙)をそのまま使った名刺や、原材料が古着100%のTシャツ。環境負荷に着目したROLEによる“あたらしい消費循環の取り組み”がデザイン賞を受賞

2023年12月6日(水)12時46分 PR TIMES

2023年11月に開催された「第63回 富山県デザイン展」にて、環境負荷をテーマにしたROLEのデザイン活動が優秀賞をダブル受賞しました。

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「第63回 富山県デザイン展 優秀賞」1点目の受賞は、チラシ・パンフレットやポスターなど一般的な印刷製造の際に必ず発生し、廃棄されてしまう『ヤレ紙(品質保持のための調整用損紙)』を、廃棄せずにそのまま上書き印字することで市役所の職員名刺などに転用した『あたらしい古紙再生』のプロジェクト。

2点目の受賞は、大量回収した廃品の古着に、抗菌・防臭等の新たな“機能”を付加させた「あたらしい古着再生」のプロジェクト“ROLE YOURS”の計2作です。
カーボンニュートラルやSDGsをはじめ、環境負荷への取り組みが注目される昨今「楽しく伝わりやすい環境行動」を目指して消費者へメッセージを届ける取り組みを広げていきたいと思います。

受賞作1:「あたらしい古紙再生」〜ヤレ紙を利用した、職員の名刺〜


POINT:チラシ印刷の現場で避けられない、損紙となってしまう大量のヤレ紙をテーマにしたプロジェクト。
印刷品質を安定するためのプロセスとして避けられない、テスト印刷段階で発生してしまう「ヤレ紙」を回収し、上から塗りつぶすことで名刺や封筒として再活用。元々印刷されていた印字もあえて少し残すことで、「わかりやすい・伝わりやすい」アップサイクルをデザインし、環境行動と生活の距離感をより身近にしました。
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どうしても避けられない?印刷工程でヤレ紙が必要な理由。


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私たちが生活や仕事中に家庭用プリンターや業務用レーザープリンターを使う際、1枚の印刷に必要な紙は当然1枚の用紙。ただしチラシや広告など、大量に印刷する際に使用する「オフセット印刷」という方法では、1.CMYKのインク4色それぞれの『版』の位置を調整する 2.刷り初めのインク量を安定させる 3.狙っている色の微調整をする、など品質を安定させるために、最初からヤレ紙を準備して製造しています。必要なチラシが数百枚でも数千枚でも、必要なヤレ紙の量は大差がなく、日々全国で大量の紙束が廃棄されています。
「エコ=再生紙」以外にも、資源循環の選択肢を


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古紙を再生する際の工程に大量の水を使用することや、用途によっては白色度を高めるために相応の薬品が必要になるなど、リサイクルすること自体が環境負荷につながることから、2000年代以降は大手製紙会社が古紙100%の再生紙製造を廃止する等、再生紙のあり方を見つめ直す時代にあります。ただし、高岡市でも再生紙を併用しているように、このプロジェクトはリサイクルそのものを否定するものではなく、環境行動に対してこれまでとは違ったアプローチから関心を高めることに繋がればと考えています。印刷物の隅に『この紙は〇〇%の再生紙を使用しています〜』というメッセージよりも、もともと印刷されていたものの気配をあえて残すことで、資源の循環をより意識できるように工夫した実験的な試みです。

市の発行物なので、市が独自にリサイクル。


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クリエイティブスタジオROLEは2022年の秋に開催した再生古着ブランドの展覧会「ROLE YOURS」の案内状でヤレ紙を使用したデザインでPRしました。ROLEでは普段からヤレ紙を有効活用する方法を印刷所などへ相談し模索していましたが、上記権利問題などが障壁となり、大きなアクションへつなげることに苦戦をしていました。しかしそんななか「市の公式な発行物であれば権利関係は市で管理できるので、ヤレ紙を利用して再び市の印刷物に転用ができるのでは」という視点から、職員名刺に採用してみようとスタートすることになりました。初期段階は名刺のみの予定であったところに、「環境イベントや来年の20歳の集いで配布する封筒も作り、若者世代へ訴求するのはどうか」と積極的な意見が出ました。

高岡市のヤレ紙プロジェクトの詳しいリリースはこちら→ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000046661.html

受賞作2:「あたらしい古着再生」〜常識もひっくりかえす服〜


POINT:古着を原料にした機能的な服作りのブランド「ROLE YOURS」。消費循環に新たな楽しみ方を提供し、“作らない”を作っていく。
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大量回収した廃品の古着に、抗菌・防臭等の新たな“機能”を付加させた「新しい古着」のプロジェクト“ROLE YOURS(ロールユアーズ)”を東京のアパレルメーカー「ALL YOURS」と2022年に立ち上げ。「足さないを作る」ことで、消費者としての役割や、これからの循環のありかたを考察するなど、クライアントワークを飛び越え、未来への課題に取り組んでいます。

ROLE YOURSの商品はこちらから購入できます>> https://allyours.jp/pages/roleyours

ヒントは赤ちゃんの肌着?「服の常識」をひっくり返す服は、本当に“ひっくりかえして”いる。


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『生地』段階での抗菌加工やその他機能的な付加はこれまでの繊維業界では珍しくなかったものの、古着への二次的な後付け加工はこれまでに前例がありません。さらに、赤ちゃんの服の構造から着想を得た『服の表裏をひっくり返し、縫い目を外側に』することで、肌あたりが滑らかになり、着心地の良さをサポートします。
『ウラオモテを間違えてる』という常識をそのままひっくり返すことで生まれた新しい視点はつまり、足しているようで足していない。作っているようで、作っていない服なのです。

古着を原料にした機能的な服は、どう作られているのか?


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●ブランド立ち上げの経緯
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共同で服作りを行うアパレルブランドALL YOURSは、着なくなった服の回収に取り組んでおり、2022年の7月にJR東日本のグループ会社と共同で駅改札(中央線武蔵境駅、西国分寺駅他3駅)を活用し、一般の方からの回収に取り組みました。一週間に約300kgが集まる服の大半は原料リサイクルに回しますが、まだまだ着られる状態のものも集まります。そのような古着の有効活用の方法をROLEと共に協議し『ROLE YOURS』が生まれました。
古着それぞれの個体に、これまでになかった“機能”をいくつか加工し、新たなブランドとして再生します。リサイクルとも、アップサイクルとも少し違う、新しい視点の循環を作る実証実験的プロジェクトです。

●ROLE YOURSのシンボルマークについて
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プロジェクトを表すシンボルマークは、『足さないを、つくる』を“+0”という記号で著しています。サステナブルやエシカルなあり方がベーシックになる昨今、「なるべく作らない」ものづくりの一つの選択肢が、+0に込めた思いです。
さらに、本プロジェクト内でも実践している「古着を原材料として捉え、機能性を付与する」工程のさまざまな新規制や、これまで業界になかった発想を“常識をひっくり返す”と捉え、+0をひっくり返すと、漢字の『古』になります。まさに、常識をひっくり返す古着を表したマークとなります。また、ブランド名の「ROLE YOURS」は、今回の共同プロジェクトを行なった、デザインスタジオROLEと、アパレルブランドALL YOURSの名前からとってきています。

【最後に】小さなデザイン事務所が、自ら環境活動に取り組む理由


クリエイティブスタジオROLE代表の羽田は現在、4児の父です。ROLE YOURSのヒントを子供から着想を得るなど、日々さまざまな気づきを子供から与えられている一方、昨今では子供の出生率が過去最低を更新するなど、歯止めのかからない少子高齢化と人口減少の波はやがて子供たちの世代に強くのしかかってきます。今の自分の子供達が大人になった時、温暖化で暮らしづらいだけでなく様々な困難や負荷を、手の届く範囲から少しでも行動に繋げていきたいと思い、アクションを起こしています。「楽しく伝わりやすい環境行動」は、規模の大小に関わらず誰にでもできることです、ぜひこの活動がさらに広がり人々の意識変革につながることを願っています。

印刷業界をはじめ、活動に共感していただける方達と次のアクションを模索していきたいので、気になることや気づきがあったら小さなことでも是非お問合せ・ご相談ください。

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企画デザイン・アートディレクション
羽田 純(ROLE/)
1984年大阪出身。ギャラリーのキュレーションを8年間担当した後、2015年、富山県高岡市に事務所を開設。行政・企業・団体問わず、言葉や企画の面白さを生かしてクライアントの推進力を高める仕事のお手伝いをします。
【所 属】JAGDA、TOYAMA ADC、高岡伝統産業青年会(第44代目会長)
【受 賞】TOYAMA ADCグランプリ/とやまクリエーター大賞/富山県デザイン展 大賞/ゴールデン ピン デザインアワード ベストオブデザイン賞(台湾)/東京TDC入選/ふるさとイベント大賞 内閣総理大臣賞/グッドデザイン賞 他
【近年の主なクライアント(50音順)】
北日本新聞社/サントリー美術館/高岡市/富山県/ディスカバージャパン/富山県水墨美術館/北陸博報堂/中尾清月堂(和菓子)/らーめん玉/ReBITA/ほか

ROLEの仕事はこちらから> https://www.role.ne.jp

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