【国立映画アーカイブ】上映企画「メキシコ映画の大回顧」開催のお知らせ
2024年12月6日(金)16時46分 PR TIMES
国立映画アーカイブでは、2025年1月7日(火)より5週間にわたって、上映企画「メキシコ映画の大回顧」を開催いたします。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-65864e869e228b7706fc93a6e8c392d6-2841x2081.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『灰色の自動車』[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-6bc7552d17be63dcee08e86f1d113de2-3900x3167.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『マリア・カンデラリア』(C)FILMOTECA UNAM'S COLLECTION[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-17f8f05e9eac5d7b0cc3debd06d48066-2780x2097.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『犯罪者の手』
1896年8月14日、リュミエール社の技師によって初めて映画が上映されたメキシコは、社会、文化、政治的背景を色濃く反映させながら独自の豊穣な映画文化を発展させてきました。
本共催企画では、メキシコ無声映画期の代表作『灰色の自動車』(1919)から、巨匠監督やスター俳優たちが活躍した黄金期の名作、1960年代に勃興した新しい潮流「ヌエボ・シネ」以降に頭角を現した監督たちによる1980年代までの話題作を、メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカ、メキシコ・シネテカ・ナシオナル(CN)、メキシコ映画機構(IMCINE)の所蔵作品を中心に、日本未公開作を多数含む29プログラム(35作品)にまとめて上映します。当館では初また、国内では過去最大規模のメキシコ映画特集となります。
見どころ
▼メキシコ映画史を彩る黄金期の作品群
1940年代以降のメキシコ映画黄金期を代表するエミリオ・フェルナンデス(『マリア・カンデラリア』[1944]、『エナモラーダ』[1946])や、メロドラマの名手ロベルト・ガバルドン(『犯罪者の手』[1951]、『マカリオ』[1959])といった巨匠監督たちや、ドロレス・デル・リオ、マリア・フェリックス、ペドロ・アルメンダリスら多くのスター俳優、撮影のガブリエル・フィゲロアら才能あふれる技術陣に支えられて百花繚乱をきわめた黄金期の名作群を紹介します。また、ユネスコの《世界の記憶 Memory of the World》に登録されている『忘れられた人々』(1950、ルイス・ブニュエル)の1996年に発見された約3分の別エンディング・フッテージを本編と併せて上映します。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-b71328d305ef3255f8f978ab45298d52-3900x3015.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『エナモラーダ』(C)FILMOTECA UNAM'S COLLECTION[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-ee53e94dea3a3ddcfeba5f32ad2f6d0e-2820x1899.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『あぶない二人』[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-c906ff688e3ed9489d902675f3f1c19d-3900x2854.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『エル・サント対吸血鬼女』(C)Claro video
▼ホラー映画やプロレスものなど多種多彩なジャンル映画
農場を舞台にした独自のジャンル「ランチョ映画」の一作である『あぶない二人』(1953)、メキシコ革命を題材にした革命もの(『パンチョ・ビリャと進め』[1936])、レスラーを主人公とした「ルチャ・リブレ(プロレス)」ものの一作『エル・サント対吸血鬼女』(1962)等々。また、死後の世界を探求する医師の顛末を描いたゴシック・ホラー『死後の世界の謎』(1959)、妖美な映像で魔女の復讐を描いた『魔女の鏡』(1960)、実際に起きた暴動事件に残虐描写を盛り込んだ異色のセミドキュメンタリー『カノア 恥ずべき事件の記憶』(1976)、ギレルモ・デル・トロがお気に入りの作品の一作にあげるカルト・ホラー『アルカルダ 鮮血の女修道院』(1977)など各時代のホラー作品も取り上げ、メキシコならではのジャンル映画を概観します。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-e74e7016d6e44a1d51531dcfd70c9dce-2081x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『エル・サント対吸血鬼女』(C)Claro video
▼復元されたメキシコの女性映画人の作品群
メキシコ女性映画監督のパイオニアの一人であるアデラ・セケリョが当時の保守的な家族規範や女性像に異を唱えた『誰の女でもない』(1937)、男性監督が中心だった黄金期に活躍したマティルデ・ランデタの『街娼』(1951)、70年代から80年代にかけて集団で映画を製作したフェミニスト女性作家たちによる「女性映画コレクティブ〈Colectivo Cine Mujer〉」の作品集などをラインナップ。復元によって蘇ったこれらの力強い作品群を通じて、メキシコ映画を読み解く新たな視点を提示します。
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-b196d6cf27ab475d8a144a40fddb7e62-3900x3269.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『魔女の鏡』(C)Alameda Films[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-7bc1ae4c9bbd6b31dd28f59a106c647c-3900x3017.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『街娼』(C)FILMOTECA UNAM'S COLLECTION[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/893/47048-893-6f97336c0cc8fcdefedd95b11ce43db9-3564x2697.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]『女のこと』(C)FILMOTECA UNAM'S COLLECTION
推薦コメント
劇映画が誕生して以来、ハリウッド一番の愛弟子だったメキシコ。その豊穣きわまりないドラマと映像美に、私はどれほど酔いしれてきたことだろう。特に、メキシコ革命とメロドラマという2つの大きなジャンルは、メキシコの最大の魅力である振れ幅の大きな感情をダイナミックかつ細やかに描いて、見る者を揺さぶる。初めて接する人は、映画というメディアの神髄ともいえる、その耽美的なまでの美しさに驚くことまちがいなし。そんな体験をこれから味わえる人が羨ましい。
それだけではない。メキシコ映画すれっからしにも、この回顧は新しい顔を用意している。じつは秘かに存在していた、女性たちの作った映画の数々をクローズアップしているのだ。長い間欠けていたピースが姿を現すことで、メキシコ映画史の全貌が完成するだろう。この特集は映画の未来への踏み台だ。 ー星野智幸(作家)
上映作品(計35作品、29プログラム)
- 『灰色の自動車』(1919)
原題:El automovil gris、監督:エンリケ・ロサス、フアン・カナルス・デ・オメス、ホアキン・コス
- 『港の女』(1934)
原題:La mujer del puerto、監督:アルカディ・ボイトレール、ラファエル・セビーリャ
- 『パンチョ・ビリャと進め』(1936)
原題:¡Vamonos con Pancho Villa!、監督:フェルナンド・デ・フエンテス
- 『ランチョ・グランデへ急げ』(1936)
原題:Alla en el Rancho Grande、監督:フェルナンド・デ・フエンテス
- 『誰の女でもない』(1937)
原題:La mujer de nadie、監督:アデラ・セケリョ
- 『次の夜明けに』(1943)
原題:Distinto amanecer、監督:フリオ・ブラチョ
- 『マリア・カンデラリア』(1944)
原題:Maria Candelaria、監督:エミリオ・フェルナンデス
- 『エナモラーダ』(1946)
原題:Enamorada、監督:エミリオ・フェルナンデス
- 『女隊長アングスティアス』(1950)
原題:La negra Angustias、監督:マティルデ・ランデタ
- 『忘れられた人々』(1950)
原題:Los olvidados、監督:ルイス・ブニュエル
- 『愛しき人よ!』(1951)
原題:¡Ay amor... como me has puesto!、監督:ヒルベルト・マルティネス・ソラレス
- 『制服の処女』(1951)
原題:Muchachas de uniforme、監督:アルフレド・クレベンナ
- 『街娼』(1951)
原題:Trotacalles、監督:マティルデ・ランデタ
- 『犯罪者の手』(1951)
原題:En la palma de tu mano、監督:ロベルト・ガバルドン
- 『官能』(1951)
原題:Sensualidad、監督:アルベルト・ゴウト
- 『あぶない二人』(1953)
原題:Dos tipos de cuidado、監督:イスマエル・ロドリゲス
- 『不法移民』(1955)
原題:Espaldas mojadas、監督:アレハンドロ・ガリンド
- 『マカリオ』(1959)
原題:Macario、監督:ロベルト・ガバルドン
- 『死後の世界の謎』(1959)
原題:Misterios de ultratumba、監督:フェルナンド・メンデス
- 『魔女の鏡』(1960)
原題:El espejo de la bruja、監督:チャノ・ウルエタ
- 『エル・サント対吸血鬼女』(1962)
原題:Santo VS. las mujeres vampiro、監督:アルフォンソ・コロナ・ブレイク
- 「ルベン・ガメス作品集」『マゲイ』(1962)原題:Magueyes、監督:ルベン・ガメス
『秘められた方式』(1965)
原題:La formula secreta、監督:ルベン・ガメス
『メキシコ盆地』(1976)
原題:Valle de Mexico、監督:ルベン・ガメス
『囁き』(1976)
原題:Los murmullos、監督:ルベン・ガメス
- 『ロス・カイファネス』(1966)
原題:Los caifanes、監督:フアン・イバニェス
- 『ジョン・リード 反乱するメキシコ』(1972)
原題:Reed: Mexico insurgente、監督:ポール・レドゥク
- 「女性映画コレクティブ〈Colectivo Cine Mujer〉作品集」『女のこと』(1975)原題:Cosas de mujeres、監督:ロサ・マルタ・フェルナンデス『台所の悪』(1978)原題:Vicios en la cocina、監督:ベアトリス・ミラ『沈黙を破る』(1979)原題:Rompiendo el silencio、監督:ロサ・マルタ・フェルナンデス『快楽のためではない』(1981)原題:No es por gusto、監督:マリア・デル・カルメン・デ・ララ、マリア・ユウヘニア・タメス
- 『カノア 恥ずべき事件の記憶』(1976)
原題:Canoa: memoria de un hecho vergonzoso、監督:フェリペ・カサルス
- 『アルカルダ 鮮血の女修道院』(1977)
原題:Alucarda、監督:フアン・ロペス・モクテスマ
- 『夜の心臓』(1984)
原題:El corazon de la noche、監督:ハイメ・ウンベルト・エルモシーリョ
- 『黄金の鶏』(1986)
原題:El imperio de la fortuna、監督:アルトゥーロ・リプステイン
★福岡、京都にも巡回(※一部作品のみ)
福岡:2025年1月29日(水)-2月22日(土)@福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ
京都:2025年2月26日(水)-3月9日(日)@京都文化博物館フィルムシアター
*詳細は今後随時更新予定。各機関のHPをご確認ください。
開催概要
企画名:メキシコ映画の大回顧
(スペイン語題:Gran Retrospectiva de Cine Mexicano)
会期:2025年1月7日(火)-2月9日(日) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]
主催:国立映画アーカイブ、メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカ、メキシコ・シネテカ・ナシオナル、メキシコ映画機構(IMCINE)
協力:在日メキシコ大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京
HP:https://www.nfaj.go.jp/film-program/mexico202501/
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
チケット:一般1300円、65歳以上1100円、高校・大学生700円、小・中学生・障碍者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ500円