「貯金の筋肉」を一生つけられない人とつけられる人との決定的な違い
2024年12月21日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン
「貯金の筋肉」を一生つけられない人とつけられる人との決定的な違い
今年は「新NISA&『オルカン』投資」が話題となった。だが、まだ投資をやったことがない人や、投資を始めても次の一手がわからない人も多いかもしれない。そんななか、世界600万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルとゴールドマン・サックスCEOが絶賛する全米ベストセラーが話題となっている。世界的ベストセラー『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(東洋経済新報社)の著者で、「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出されたニューヨーク大学スターン経営大学院教授のスコット・ギャロウェイ著『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』だ。9社を起業した連続起業家でもあり、日本で「GAFA」という言葉を定着させた全米屈指の人気教授が明かす「世界最先端のマネー戦略、人生戦略」とは? 本書から投資戦略のコツを抜粋・編集してお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。
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貯金の「筋肉」をつけていく習慣
私はよく、アメリカでは高齢者が富を貯め込み、若い世代が富を築くのに苦労していると指摘する。
とはいえ、高齢者にはなく、若者には豊富にある富の源泉がある。
それは時間だ。
しかし皮肉なのは、たいていの人がこの時間という富を浪費した後で、初めてその価値に気づくことだ。
本当なら、若者はお金持ちが富を活用するように、たっぷりある時間を活用できるはずだ。
だが、それができる人はほとんどいない。若くて時間が豊富にあるのだから、一生懸命働いたお金で人生を楽しむべきなのだろうか?
世の中には、若いうちからできる限り生活を切り詰めて貯金すべきというパーソナル・ファイナンスのアドバイスがあふれている一方で、「若いうちは収入が低いので、貯金はもう少し後からでもいい」という、経済学者が計算に基づいて推奨するアドバイスもある。
私はこの件に関しては、経済学者の意見に9割賛成だ。
若いときのエネルギーや情熱、リスクを取る意欲はそう長くは続かない。だから今という時を楽しむべきだ。結婚し、子どもが生まれ、住宅ローンを抱え、犬を飼うようになったら、20代の頃のように気ままな日々を楽しむのは難しくなる。
とはいえ、人間の行動は経済学のアルゴリズムですべて説明できるものではないし、数理モデルのように簡単に変化しない。
貯金の「複利」効果
私は、今を楽しむ一方で、若いうちに貯金の習慣を身につけ、貯金の「筋肉」をつくっておくことをお勧めする。
この習慣は将来、複利効果をもたらしてくれるだろう。本書では、富を築くためのカギとなる予算管理と貯金の方法について説明する。
だが、働き始めて10年未満の人は、これをいくら貯めたかという「結果」の問題ではなく、「行動」の問題として読んでほしい。
貯金はすべきだ。だが、まず大切なのは貯金を通じてそれを習慣にし、良い行動を培い、人格を磨くことだ。
練習が終わり、大きなゲームが始まるのは、収入が上がる年齢になってからだ。
20代の頃はあまり大きな額を貯められなかったはずだから(それは年齢的に難しい)、それ以降で挽回していく必要がある。
リンドン・ジョンソン元大統領(1908〜1973)が言ったように、「これからが本番」なのだ。
(本稿は『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の一部を抜粋・編集したものです)