全ての材料に国産材を使用した床材『Live Natural Premium オール国産材』を開発した朝日ウッドテックのこだわりと、床から日本の山を変えていくための想い

2023年12月21日(木)14時0分 PR TIMES STORY

朝日ウッドテックについて

朝日ウッドテックは天然木を使ったフローリングや壁材、天井材などを扱う建材メーカーですが、そのルーツは1913年創業の銘木商「霜寅商店」にあります。

銘木商とはご神木や希少な大木など鑑賞的価値の高い銘木を、高級物件に床柱や欄間として納める仕事です。そのため価値の高い木を見極める「目利きの力」を養っており、創業当時より100年以上にわたって「木の素材の力を引き出す」モノづくりを続けてきました。

また快適な住まいの床には傷・汚れへの強さや床暖房対応も欠かせません。建材メーカー転身後はフローリング表面のひび割れ防止技術やマンション用の防音フローリング、床暖房対応フローリングの開発等、様々な業界初の技術で業界をリードしてきました。

今回ご紹介する「Live Natural Premium オール国産材」は、フローリングを構成する全ての材料に国産材を使用した床材です。〝床から日本の山を変えていく”をコンセプトに、危機に陥っている国産広葉樹を価値ある資源に変えていきたいという想いから、2022年に発売しました。このストーリーでは、「Live Natural Premium オール国産材」が完成するまでのプロジェクトの裏側や、開発にかける想いをご紹介します。

開発のきっかけ

開発のきっかけは資材調達で日本全国を回る中でまだまだ活用できていない国産材がたくさんあると知ったことでした。

日本は世界でも有数の森林大国ですが、その莫大な森林資源の活用には課題が残ります。かつての日本では木材需要量のほとんどを国産材でまかなっていましたが、安価な輸入材の増加によって木材自給率は急激に下降、2002年には過去最低の18.8%にまでダウンしました。その後、政府の政策もあり現在は木材自給率約40%まで回復していますが、実際改善されているもののほとんどはスギやヒノキ等の針葉樹です。広葉樹は二束三文の状態のままであるのが現状です。

引用元:林野庁「令和4年度森林・林業白書 木材需給の動向」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/r4hakusyo_h/all/chap3_1_2.html

国産広葉樹の活用が進まない要因は、その扱いの難しさにあります。

スギやヒノキなどの針葉樹は幹が太く真っ直ぐに伸びている木が多いため製材しやすく、価値の高い木材から順に様々な用途へ使用されています。1本の木を例に取ると、その約62%が梁や柱へ、約23%が合板へ、残りの約15%が繊維板やバイオマス燃料へと、段階的に活用されています。

一方広葉樹は幹が曲がりくねった木や小径木が多いため製材しづらく、様々な用途への活用が難しいです。そのため本来なら建材として使える品質の木材を含めた約94%が価値の低いパルプ用のチップや燃料用として使われてしまっているのです。

朝日ウッドテックでも10年前より国産広葉樹を活用したフローリング開発は行っていたものの、いまいちインパクトに欠ける状況が続いていました。開発を進める中で国産広葉樹の現状を詳しく知り、「私たちが今使えていない木材を活用することで、広葉樹の森を活性化していくきっかけになるんじゃないか?古くから日本の山の恩恵を受けてきた企業として何か力になれないか?」という想いが強くなり、もう一段違った商品開発に取り組もうと考えました。

丁度その頃社内で、国産針葉樹を使ったフローリング基材の開発が進んでいました。2つのテーマを合わせることでより国産材活用を訴求できるインパクトのある商品になると考え、国産針葉樹基材チームと一緒になって「Live Natural Premiumオール国産材」プロジェクトを始動させたのです。

▼北海道での伐採の様子。大小さまざまな国産材が採れる。

欠点を多く含む小径木を活かしたデザイン

こだわったのは国産広葉樹の特徴を活かしたフローリング表面のデザインです。

最近のフローリングは幅が広く長さのあるデザインが好まれる傾向にあります。しかし、小径木や曲がり材が多い国産広葉樹から取れる木材は、巾が狭く長さも短い材が多く、通常は欠点と呼ばれる節などを多く含みます。

そこで1枚のフローリングの中で7〜8枚のピースをバランス良くばらつかせました。また、これまで欠点とされていた「節」や「白太」は木の持つ独自のキャラクターと考え、デザインの1つとしてふんだんに使っています。

そうすることで天然木ならではの多彩な表情を楽しんでいただけると同時に、節の多い小径木も有効的に活用できるようになりました。ただランダムに組み合わせるのではなく、木の種類ごとに節の数や大きさなど細やかな基準を設けることで、国産広葉樹の魅力が伝わるデザインにこだわりました。

▼製品平面図(1枚を7〜8ピースでデザイン)

床暖房対応可能な寸法安定性

もう一つのこだわりは床暖房への対応です。広葉樹 (化粧材)と針葉樹(基材)という異なる挙動を示す素材を複合すると大きな反りが発生しやすく、床暖房対応が難しくなります。しかし特に靴脱ぎ文化の日本では、床の上で快適に過ごして頂くための機能性は妥協できません。

そこで「Live Natural Premiumオール国産材」専用に、化粧材と基材の間に組み合わる国産材単板を選定。独自構成のハイブリッド合板とすることで、床暖房を使っても変形や伸縮を起こしにくい機能性を備えました。また、製品の厚みは一般床材と同じ12mm厚とすることで、住宅会社様でも使いやすいサイズにこだわりました。

完成したオール国産材フローリング、発売後の反響と今後の展望

完成したオール国産材フローリングは約10,000人の建築関連のプロユーザーにお越しいただいた、朝日ウッドテック70周年記念フェアでお披露目しました。多くのお客様に国産広葉樹の課題や当社の取り組みに共感いただき、非住宅向け製品の要望も頂くなど、たくさんの反響やお問合せを頂いています。

▼70周年記念フェアでの展示の様子

また2023年にはグッドデザイン賞を受賞。大量生産という産業の強みを生かし、国産広葉樹のカスケード利用(価値の高い木材から順に活用すること)を促す仕組みを取り入れたことを評価いただきました。

今後はプロユーザーの方だけでなく、施主となるエンドユーザーの方にも国産広葉樹の良さや価値が伝わるよう取り組んでいきたいと思っています。

この商品を普及することで小径木の価値が認識され森林関係者に還元されていくと、国産広葉樹の森が維持され回り回って私たちの生活にも豊かさがもたらされるのです。

「Live Natural Premiumオール国産材」が林業従事者の方や住まい手など、多くの人の暮らしを豊かにしていくことに繋がると信じています。

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「Live Natural Premiumオール国産材」

▼商品HP

https://www.woodtec.co.jp/products/lineup/flooring/livenaturalpremium/all-kokusan/

▼開発にかける想いを動画にまとめました

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