「工場労働者が母親と暮らす住宅の壁に…」思わぬところで発見された名画をめぐるミステリー 「オークション ~盗まれたエゴン・シーレ」を採点!

2025年1月14日(火)18時0分 文春オンライン

〈あらすじ〉


 パリのオークションハウスで競売人として働くアンドレ(アレックス・リュッツ)のもとに、画家エゴン・シーレのものと思われるカンバス画の鑑定依頼が届く。訝しみつつ、元妻で相棒のベルティナ(レア・ドリュッケール)と絵を見にいったところ、紛れもない本物と判明。工場労働者が母親と暮らす庶民的な住宅の壁に飾られていたのは、第二次世界大戦中にナチスに略奪され、行方不明になっていた名画だったのだ。


 この発見により、さまざまな人々の思惑が交差し始める。


〈解説〉


 2000年代初頭にシーレの絵画が発見された歴史的事実にインスパイアされた、アートビジネス界が舞台の人間ドラマ。『華麗なるアリバイ』のパスカル・ボニゼール監督・脚本作。91分。





  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆美術には、おおいに興味があるものの、その売り買いの現場には、まったく興味が無いので困った。カネ、カネ、カネか。




  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆知る人ぞ知る監督の小品だが、控え目で抑えの利いた演出術が好ましい。語りに力みがなく、ユーモアもうっすらと漂う。




  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆本物か贋作か、博打のように争う様子が生々しい。盗まれた名画の恐ろしい過去が証拠か。青年の清廉さがより際立つ。




  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆独特の巧妙な織模様を見せる上質のミステリー調。曲者揃いの人物の中で、カギとなる青年の清涼感も抜群に効いている。




  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆一枚の絵画から、歴史、芸術、商業、階級など織り交ぜが見事。キャプラスクな古典映画のサスペンスとユーモア風味も。






©2023-SBS PRODUCTIONS
配給:オープンセサミ、フルモテルモ



INFORMATIONアイコン

オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ(仏)
1月10日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開
https://auction-movie.com/





(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年1月16日号)

文春オンライン

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