70代女性、夫が亡くなり、家を更地にして小さな家と理想の庭を作った。介護職の傍ら、命の限り続けたい

2025年2月10日(月)12時30分 婦人公論.jp


長年の夢だった「理想の庭」をつくろう!と思い立ち…(写真:stock.adobe.com)

時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは兵庫県の70代の方からのお便り。夫婦で住んでいた家を更地にし、小さな家を建てたことから「理想の庭」作りが始まったそうで——。

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映画のような《理想郷》


5年前、夫と住んでいた家を更地にして小さな家を建てた。夫が亡くなってから、別の市で障害者介護の仕事を見つけ、そちらに家を借りているので、もとの家をどうしたものか悩んでいたのだ。そこで、長年の夢だった「理想の庭」をつくろう!と思い立った。

まずは設計図から。アーチやオブジェ、ビオトープがあって、岩が並んだ素敵な庭がいい。アトリエも建てよう。

膨らんだ夢を実現すべく、さっそく庭に砂利を敷いた。次は、夫が趣味で集めていた石の配置だ。形見のように残された中央の大きな石を囲むようにほかの石を並べ、畑の土を運んで苔を敷く。長く封印されていた井戸を開き、庭に水を引いた。穴を掘って憧れのビオトープもつくり、メダカを放つ。

月に4〜5回、帰るたびに少しずつできあがる私の《理想郷》。庭好きの隣の畑の人は、庭と隣接するところにポプラなど素敵な木を植えてくれた。まるでお庭が森に包まれているようだ。

命の限り続けたいライフワーク


庭づくりの面白さは、時間とともに様相が変わるところ。大石の下にシダやタマリュウが生えて、意図せず侘びの雰囲気に。DIYで作ったテーブルを囲む木の枝に藤がつるを伸ばし、緑の屋根を作り始めたりもした。藤にアイデアをもらって、アーチにもツルバラやクレマチスを這わせることに。

さらに、アトリエの窓にひさしを作ろうと愛らしいアケビを植えた。ほかにもたくさんの花を植えたが、次に帰る頃には枯れてしまうものも多い。わがままな花たちの声を聞き、居心地のいい場所を問い、土が合えば咲き誇る花の風景はやすらぎの絵になった。

ある友は、ここは『ロード・オブ・ザ・リング』の自然に似ていると言ってくれる。たくさんの庭の本を読んだが、どれも私の庭には敵わない。庭づくりは、命の限り続けたいライフワークだ。

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