芳賀優里亜、『仮面ライダー555』記念作に「まさか…」撮影現場では“草加への拒絶反応”噂も

2024年2月15日(木)11時30分 マイナビニュース

『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003〜2004年)放送20周年を記念したVシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』(監督:田崎竜太)が上映中である。『仮面ライダー555』とは、人類の進化形=オルフェノクの猛威に対抗するべく、変身ツール「ファイズギア」を用いて仮面ライダーファイズに変身する青年・乾巧(演:半田健人)の戦いを中心に、人間側・オルフェノク側それぞれに個性豊かな人物が登場し、友情、信頼、憎しみ、裏切り、絶望などさまざまな感情が渦巻く群像ドラマだった。
あれから20年、愛すべき『555』登場人物はどのような「現在」を生きているのだろうか。Vシネクストでは『仮面ライダー555』オリジナル・キャストが再結集を果たし、新たに加わった若いキャラクターたちと共に、また新たな試練、困難を乗り越えていくこととなった。
上映記念インタビューの今回は、本作のヒロイン・園田真理を演じる芳賀優里亜にご登場いただいた。世界じゅうの洗濯物を真っ白にする夢を実現させるべく、日本を離れた啓太郎(演:溝呂木賢)の留守を預かり、彼の甥・条太郎(演:浅川大治)と共にクリーニング店「西洋洗濯舗 菊池」を切り盛りしている真理。彼女の側には、かつて仮面ライダーカイザに変身してオルフェノクと戦った草加雅人(演:村上幸平)がよりそっているが、巧の姿は見当たらない……。大人の女性としての新たな魅力を備えた真理を、芳賀はどのように演じたのか。本作における真理の注目ポイントを尋ねた。
○『仮面ライダー555』20周年記念に「正直びっくりしました」
——まず、『仮面ライダー555』20周年記念の作品が実現したことについての思いから聞かせてください。
正直びっくりしました。2023年、『555』の20周年で何か記念になることをやれたらいいねとキャストのみんなとお話をしていましたが、まさかこのような形で「新作映画」ができるとは。驚くと同時に、すごく嬉しく思いました。
——芳賀さんは『555』以後も『仮面ライダーキバ』などのシリーズに出演されていますが、あの『555』の世界の延長上にある真理を演じるのは久々になるのでしょうか。
2022年、TTFC(東映特撮ファンクラブ)の『仮面ライダーアウトサイダーズ』で園田真理を演じたことがあるのですが、真理としてはわずかなシーンで、メインはスマートクイーンの役だったので、ほとんど20年ぶりに真理を演じるような感覚でした。撮影が始まる前だと、真理はずっと「美容師になる」夢を抱いて頑張ってきたから、もしかしたらお店を構えていたりするのかな……と想像していたのですが、台本を読むと西洋洗濯舗 菊池で働いていて、ああそっちになったのかって(笑)。逆にリアルなのかなって思いました。
——啓太郎が世界を飛び回っている設定なので、真理としては残された店を守っていかないと……という思いがありつつ、美容師になる夢は捨てていないかもしれませんし、そこは想像の余地がありそうです。
確か、啓太郎のご両親も世界各地を旅している設定だったはずですから、啓太郎も日本を離れててもおかしくないですよね。井上(敏樹)先生の脚本は、意外と過去の『555』とのつながりを感じさせる描写があるので、ディープなファンの方々ならきっとそういうところを楽しんでもらえると思います。草加がなぜか冒頭から出てくるところとか。あれ、なんでだろう? と思った部分が、後半きっちりと回収されていきます。安心してくださいね(笑)
——テレビシリーズを観ているファンの方たちは、画面上で草加が灰になって消滅するところを目撃していますから、最初からごく普通に真理の側にいる草加には、かなり違和感というか、戸惑いを感じてしまいそうです。
そうなんですよ、あまりにも自然な感じで出てくるので、笑ってしまうかもしれません(笑)
——巧の不在をいいことに、真理に対して積極的に迫ってくる草加もいい味わいですね。迫られる真理としては、どんなお気持ちでしたか。
嫌だとか、そんな気持ちはないですよ(笑)。20年前は15〜16歳だった真理だけど、やっぱり大人になったらああいうシーンも出てくるし、それが新しい魅力になればいいなと思いました。でも、まさか草加くんと……。現場では、村上さんのテンションが上がっていましたね。「ついに!」と言ってましたから(笑)。草加的にはすごくナイスなシーンだったのに、敵が襲ってきてそれまでのムードがぶちこわしになります。これもまた実に『555』らしい展開でした。
——西洋洗濯舗 菊池の2号店を勝手にラーメン屋に改装し、そこで若いオルフェノクたちを雇って人間として育てる海堂直也(演:唐橋充)も、いかにもそうなっていそうなシチュエーションで楽しかったです。
井上先生の書くお話には、わりと食べ物が出てくるじゃないですか。今回も作戦会議を海堂のラーメン屋でやったりするので「らしい」感じが出ていましたね。
○“ネクストファイズ”に最初は違和感も…「これもカッコいいな」
——井上さんの書かれた脚本を読んで、どのように思われましたか。
「なるほどな」と思える部分がたくさんありました。あと、20年経って、「とうとう真理にこういう出来事が訪れるのか!」と、驚くところも……。脚本がどうとかではなくて、これどうやって撮るんだろうみたいなシーンについては、半田くんと事前に話し合い、田崎(竜太)監督ともディスカッションを重ねながら、納得のいく上で撮影を行いました。監督も私たちキャストの気持ちを汲み取ってくださり、よい形で撮影が進みました。
——納得いくまで話し合われたことで、半田さんや田崎監督との絆が深まったということですね。
半田くんもそうですけど、撮影の前にこんなに話し合いをしたのは初めてでした。でも今回の作品に関しては、やっぱり20年間楽しみにしてくださったファンの方がいるということが大きかったように思います。みなさんの中でずっと残っていく作品なのは間違いないですので、不安のあるところについては可能な限り話し合いたいと思っていました。田崎監督もプロデューサーの白倉(伸一郎)さんも長年ご一緒している方ですし、いろいろな相談が出来てありがたかったですね。撮影に入ってしまうと、どうしても進行に追われてバタバタしますので、撮影前に話し合いが出来たことがよかったと思います。
——田崎監督をはじめ、仮面ライダーシリーズのスタッフさんたちと再会したときの感想はいかがでしたか。
田崎監督は『555』の後すぐに『Sh15uya(シブヤフィフティーン)』や『仮面ライダーキバ』、そして舞台でもお世話になり、私にとって先生というか、お父さん的存在です。仮面ライダーの現場に入ると、まるで里帰りしたみたいな、子どものような感覚になります。当時、助監督だった柴崎(貴行)さん、山口(恭平)さんが、今では仮面ライダーやスーパー戦隊で活躍する監督になっていて、それでも昔とぜんぜん変わらない関係性で、不思議な感じです。
——啓太郎の甥で、叔父さんゆずりのいい奴・条太郎は、真理を「真理姉」と呼んで慕っていました。条太郎役・浅川大治さんの印象はいかがでしたか。
お会いしたとき、すごく啓太郎の甥っ子に見える! と感心しました。年齢を聞くとまだ15歳で、じゃあ『555』が放送されていたころは生まれてなかったんだ〜と、ちょっと衝撃でした(笑)。条太郎の役柄は、浅川くんのいいところをすごく引き出せていたと思いました。
——撮影されている際、『555』当時をふと思い出す出来事なんて、ありましたか?
『555』のときと同じ、朝食に「ポパイ」のおにぎりが出たことですね(笑)。なんといっても、1年間ずっとポパイを食べていましたから、久々に食べると20年前のいろいろなことを思い出します。
——巧が変身する新しいファイズ=ネクストファイズをご覧になったときの印象はどうでしょう。
昔のファイズはガラケーで変身していましたけど、20周年ならきっと「スマホ」を使って変身するんじゃないかって思っていました。むしろそうでないとダメでしょと(笑)。ネクストファイズを初めてみたときは、少し違和感がありました。私は20年前、誰よりも近い場所でずっとファイズの姿を見てきましたから(笑)。でも、動いているところを見るうち、だんだんこれもカッコいいなと思えるようになりました。
○声が出なくなったのは、草加への拒絶反応?
——撮影中、芳賀さんにあるハプニングがあったとうかがいました。
原因不明なのですが、ある日突然声が出なくなりまして、たいへんだったといえばそれに尽きますね。熱があるわけでも喉が痛いわけでもなく、声だけ出ないという。実は、真理が草加に抱きしめられるシーンの直後、急にそうなってしまったので、みんなは「草加への拒絶反応じゃないの」って言うんですけど(笑)。あっ、私もそうだと思ってます(笑)。1日お休みをいただいて、それでも治らず、苦労しました。もともと私は声が強いほうで、舞台とか何日こなしても声がかれることなかったんですけどね。
——それはたいへんでした……。撮影が終わったとき、どんな思いを抱かれましたか。
これだけ当時の『555』キャストが集まって新作をやれる機会はもう来ないかもしれないと思って、後悔のないよう頑張ろうと思って取り組んだ作品でしたけど、先ほどの声のトラブルのためちょっと後悔が残ってしまいました。田崎監督には「もう1本、映画やりましょうよ」なんて言ってるんですけど。監督には、もしまた新作を撮る機会があるなら、なるべく早く3年以内ぐらいでと言っています(笑)
——完成した作品をご覧になったときの感想を教えてください。
試写を観終わったあとに「あっ、『555』ってこうだよね」というように、自分が出ていた作品にもかかわらず懐かしい気持ちになりました。「そうそう、こうだから『555』なんだよね!」ってワクワクさせられ、何度も『555』のテレビシリーズ当時に心を戻される瞬間がありました。一緒に観たキャストのみんなも「これなら自信を持って、観てくださいと言えるよね」と口々に話していました。
——本作の中で、芳賀さんが特に印象に残っている場面はどこでしょう。
あえてどことは言いませんが、今回かなり悲痛な表情をすることが多かった真理が、唯一「笑顔」をのぞかせるシーンです。それがどこなのか、みなさん探してみてください(笑)
——『パラダイス・リゲインド』を楽しみにしていたファンの方々に向け、芳賀さんからメッセージをお願いいたします。
『仮面ライダー555』を当時観ていて、巧や真理たちといっしょに20年という時間を重ねてきた方が、この作品をご覧になったときどういう感情がわくのか、とても興味があります。同じ時代を生きたみなさんのご感想を、ぜひうかがいたいと思っています。
■芳賀優里亜
1987年11月27日生まれ。東京都出身。1999年に映画『どこまでもいこう』でデビュー。2001年『おはスタ』の日替わりアシスタント「おはガール」を務め、2003年『仮面ライダー555』でヒロイン・園田真理役を演じ、多くのファンを獲得する。他の特撮作品『Sh15uya』(2005年
/アサギ役)や、『仮面ライダーキバ』(2008年/鈴木深央役)にも出演するほか、テレ
ビ、映画、舞台、CMなど幅広いフィールドで活動を続ける。
秋田英夫 あきたひでお 主に特撮ヒーロー作品や怪獣映画を扱う雑誌・書籍でインタビュー取材・解説記事などを執筆。これまでの仕事は『宇宙刑事大全』『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』『ゴジラの常識』『仮面ライダー昭和最強伝説』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『上原正三シナリオ選集』『DVDバトルフィーバーJ(解説書)』ほか多数。 この著者の記事一覧はこちら

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