さらば・森田哲矢の覚悟「相方のスキャンダルから逃げない」 東ブクロへの思いや個人事務所成功の秘訣を語る
2025年2月24日(月)18時0分 マイナビニュース
●見守るのは得意「難を抱える相方を横に置いているので」
『キングオブコント』準優勝など数々の賞レースで好成績を残し、毎年開催している単独ライブのチケットは即完売という実力派お笑いコンビ・さらば青春の光。2013年10月に設立した個人事務所「ザ・森東」の社長、副社長という顔も持つ。社長の森田哲矢は、コンビの仕事のみならず個人で番組MCを務めるなど幅広く活躍し、現在放送中のTBS系火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(毎週火曜22:00〜)では、ベテランの入院患者・橋口健太役を演じている。森田にインタビューし、本作にまつわるエピソードや仕事に対する考え方、個人事務所成功の秘訣、相方・東ブクロへの思いなどを聞いた。
本作は、医師1年目の研修医・若月まどか(芳根京子)が、働き方改革で変わりゆく令和の医療現場で、同期の仲間たちと励まし合って人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語。森田が演じる橋口は、病院への通院・入院歴が長いこともあり、芳根演じる主人公・まどかをはじめとする新人研修医に温かい視線を向けるゴシップ好きなベテラン患者だ。
第1話では、まどかが橋口を相手に初めて患者に点滴をするシーンが描かれ、最初は失敗するも、なんとか成功。橋口は「やったなー! おめでとう! まどか先生」と一緒になって喜び、2人で盛り上がった。
研修医を優しく見守る役どころについて、森田は「難を抱える相方を横に置いているので、見守るのは得意かなと。寛大な心は持ち合わせていると思います」と笑いを誘う。
2月4日に放送された第4話に相方・東ブクロも出演。YouTubeのドッキリ企画としての撮影も行うため、森田は事前に知らされず、カットがかかるまで気づかなかったという。
「リハまではリハ用の役者さんがやって、本番でブクロがやるという。僕は本番が始まってもブクロって気づかず、カットがかかってから気づいて。あまりに想定してないことで、ドッキリとしてはリアクション弱めになってしまって、申し訳なかったなと思います(笑)。自分のことで精一杯でしたし、YouTubeが密着で来ているだけやと思っていたので」
ドッキリの撮影後、東ブクロは真剣に演技について監督から話を聞いていたという。
「本当にドラマに出るということで、ドッキリが終わってからブクロのほうが緊張していたと思います。めっちゃ真剣に監督の話を聞いていました。ちょうど芳根さんも奥田瑛二さんもいて、こんなしょうもないドッキリに付き合わせて申し訳ないなと(笑)。奥田瑛二さんまで仕掛け人にさせて」
○「気が乗らないなと思う仕事でもやってみるように」
本作のビジュアルには「逃げないことだけ、決めてみた。」というキャッチフレーズが添えられているが、森田自身、これまでの人生で逃げない選択を取った出来事とは何だったのだろうか。
「相方のスキャンダルからは逃げないでおこうというのはありますね(笑)。あとは、個人事務所なので税理士からは逃げない。国税からも逃げない。1回国税が来るってなったとき、めっちゃ怖かったんですけど、逃げずに対応しました」
また、「人生から逃げているから俺らは芸人をやっている。9時〜17時の仕事から逃げた結果がこれなので、ラッキーだなと思いますけど。ただ、芸人という仕事から逃げたらあかんなと思っています」と話した。
お仕事ドラマである本作にちなみ、働き方として大切にしていることを尋ねると「苦手だな、気が乗らないなと思う仕事でもやってみるようにしています」と回答。「やってみたら意外に周りが評価してくれるということがある」と言い、その一つがMC業だという。
「ピンで深夜枠のMCなどをやらせてもらうことがあるんですけど、自分的には人の番組に出てやいやい言うほうが楽しい人間で。でもやってみるとスタッフの方が評価してくれたり、また違うMCをやらせてもらったりしているので、こっちはこっちで需要があるのかなと感じています」
●年商4.7億超!「ザ・森東」成功の秘訣は「楽しむこと」
2008年にコンビを結成、そして2013年に個人事務所「ザ・森東」を設立してから今年で12年となる。
「よくぞここまで飯を食えるようになったなと思います。どこで辞めてもおかしくなかったので。うちは荒波というか、横のヤツがいらんことしかしないので、どうなるかわからなかったですけど、なんとかここまで来たなと思いますし、どうせまた何かあるしという覚悟もあります」
近年売上高を大幅に伸ばし、2023年と2024年の年商は4億7000万円超え。売れる理由は芸人として面白いからというのがもちろんだが、森田自身に成功の秘訣を尋ねると「楽しむこと」と答えた。
「ビジョンなどは全然なくて、場面場面で楽しくやっていたら、気づいたら……という感じでした。場面でやりつつも、そこで起こったことが後につながるというのがけっこうあるのかなと思います」
社長としての心得も聞いてみた。
「社長という肩書きはありつつも、たぶん社長の振る舞いは一切してないので、本当に場面場面で楽しくやるということだけを心掛けています。楽しそうにしていると人が集まってきたり、やらしい話、金が集まってきたりするのかなと思います」
○さらば青春の光のブランディングを担っているは東ブクロ
そして、「芸人人生の中で、今が一番楽しい」と充実した表情を見せる。
「金ない頃は金ない頃で、そっちの楽しさもありましたが、今やっと飯が食えるようになって、自由に使える金が増えて。自分が小学生の頃に描いていた芸能界というか、芸能人にもいっぱい会えるようになったし、これこれ! って感じです(笑)」
特に楽しいと感じる瞬間を尋ねると、「こういうドラマの現場です」と答え、「普段会えない人に会える。自分の人生で奥田瑛二さんに会えると思ってなかったので。芸能界やってんな、東京やってんな! というのが僕は好きです」とうれしそうに話した。
相方・東ブクロの2度のスキャンダルに頭を悩まされた森田だが、「さらば青春の光のブランディングを担っているのはアイツやろうなと思います」と語る。
「まだまだアイツは計り知れない部分があって、俺らに隠していることがめっちゃあると思うんです。そこがちょろっと出てくるだけでおもろい。さらば青春の光は“荒くれ者”というか、何をしでかすかわからないというのがある。個人事務所やし、何か起こしそうなコンビという見られ方は、アイツのおかげかなと。ワクワクさせる部分はブクロが担っているのと思います」
だからこそ、「相方のスキャンダルから逃げない」と決めているそうで、「そのスキャンダルすら利用して金を稼ごうかなと。好転させるぞという気持ちです」と笑った。
●地上波で知名度を得てネットで稼ぐ! ギャラ配分にも言及
また、収入の軸として「YouTubeなどネットが大きい」と語る森田。
「さらば青春の光Official Youtube Channel」の登録者数は142万人超、サブチャンネル「裏さらば」も50万人超、さらにそれぞれ個人のYouTubeチャンネルを持ち、総再生回数は7億回を超える。だからこそ、スキャンダルが起こっても、地上波に頼らずにやっていけるという思いがあるという。
「どうあがいても出してくれないところは出してくれないので、出してくれる地上波を大事にして、ギャラは期待せず、そこで得た知名度を持ってネットで金を稼ぐという感じです(笑)」
ギャラは、会社設立当時からマネージャーを含めた3人で3等分。そこには東ブクロへの期待も込められている。
「ほんまは歩合にしたいですけど、マネージャーとブクロと僕で3等分と最初に決めたので、これを崩して僕がブクロよりお金を得ると、たぶんバランスが悪くなるんだろうなと。もともと僕が3等分にした理由の一つは、ブクロがなんとなくビッグマネーを持ってくる雰囲気をまとっていたので。だからいつか持ってくるビッグマネーを期待しながらずっと3等分にしています(笑)」
最後に、今後の抱負を尋ねると、「僕たちは徐々に徐々に右肩上がりで来ているので、そのまま右肩上がりで死んでいきたい。それが理想です。そして、僕が憧れていた所(ジョージ)さんとか浜田(雅功)さんみたいに、乗りたい車に乗って、着たい服を着て……そんな自分が思い描いていた芸能人をずっと目指して、楽しくやっていけたらと思います」と語っていた。
■森田哲矢
1981年8月23日生まれ、大阪府出身。2008年、東ブクロとお笑いコンビ・さらば青春の光を結成。2013年10月に個人事務所「ザ・森東」を設立。『第32回ABCお笑い新人グランプリ』優秀新人賞受賞、『キングオブコント2012』準優勝。2019年、初の著書『メンタル童貞ロックンロール』を上梓。YouTubeチャンネルや、ドラマや朗読劇の脚本を手がけるなど、幅広く活動している。
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