犬頭(上川隆也)が説く、見返りを求めない“見守る”という愛の形 『問題物件』第8話

不動産物件で起こる奇々怪々な事件の謎を解決していくフジテレビ系ドラマ『問題物件』(毎週水曜22:00〜)。5日に放送される第8話(※FODで先行配信中)では、「神隠しが起こる部屋」に潜む謎を解いていく。
○部屋にいた状態から突然姿が消えた…
飲みすぎた末、寝てしまった若宮恵美子(内田理央)を大島家まで送り届けた犬頭光太郎(上川隆也)。そこで大島雅弘(宮世琉弥)と出くわすのだが、逃げるように去る。謎だらけの犬頭に首を傾げながらも、雅弘は恵美子の寝顔につい見とれてしまうのだった。
翌日、室長代理の片山芳光(本多力)がやってきて、新たな調査を恵美子へ依頼する。その内容は、そこに住んだ人が次々と消える「神隠しが起こる部屋」で、雅弘いわく、心霊現象好きの間では「令和の神隠し」と言われる有名な部屋だった。
早速、恵美子がその部屋があるマンション・メイツに向かうと、犬頭の姿が。普通、神隠しのうわさを知っていれば近くの部屋は避けられそうなはずなのに、失踪が起こっている部屋のある5階のほとんどの部屋、そして4階は全ての部屋に住居者がいることに犬頭は疑問を感じる。メイツの管理人・足利奈良蔵に今回の510号室の失踪者・石浜夕子(倉金春)について聞いていると、そこへなぜか有村次郎(浜野謙太)が現れる。偶然、有村も金を持ち逃げした石浜の調査を資産家から依頼されていたのだった。
石浜を見張っていた有村によると、部屋にいた状態から外に出ておらず突然、姿が消えたといい、その名の通り神隠しの状況だったというのだ。そして、今回がこの部屋で起こる4度目の失踪だった…。
まずは他の住人へ聞き取り調査を開始する犬頭と恵美子。1人目の住人(上沼恵美子)をはじめ、とても親しげで感じのよい人が多い中で、犬を連れた住人・木川絵里(土居志央梨)が通りかかり、彼女からも話を聞く——。
○匂いや本質で人間と接する犬は簡単に騙されない
今回は、犬頭と雅弘がついに対面。しかし犬頭は自分から名乗らず、態度もどこかぎこちない。そんな犬頭に対して、雅弘は「不思議な人」だと感じる。
犬頭は、雅弘に「犬にできることには限りがあるが、すぐそばで主人を見守ることのできる幸せを日々感じていると思う」という言葉を残す。自分から決して名乗ることはなく、見返りを求めない。それでも大切な存在の近くにいて、力になりたいと願う。まさに無償の愛だ。どんなに疲れていても、家に帰れば出迎えてくれて、いつもそばで見守ってくれる。そんな愛情を注いでくれる犬に飼い主は、感謝すべきなのだろう。
人は時として、見た目や情報で判断し、そのため騙されてしまうことも多々ある。特に現代の情報社会では、自分できちんと調べることもせず、ネットで簡単に検索し、それを鵜呑みにしてしまうことも。一方、犬頭が言うように、犬は姿形で判断はせず、匂いや本質で人間と接するため、そう簡単には騙されない。デジタル化が進む人間社会だが、アナログな犬社会に学ぶべきことがあるのかもしれない。
また、人はその存在や行動を口に出して表現し、アピールできるが、犬にはできない。だが、人間も“できない”ケースに陥った場合、犬や動物と同じように“見守る”という愛情表現をするのかもしれない。今回もそんな「犬の本質」が事件解決の重要な鍵に…。