『ポツンと一軒家』で胸打つ、『イロモネア』に懐かしの声=週間テレビ番組注目度ランキング
2025年3月6日(木)6時0分 マイナビニュース
●ミュージカルファン以外も引き付けた『さよなら帝国劇場』
視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(2月24日〜3月2日)を発表した。
○安定した高注目度『カネオくん』
この週では、安定した注目度で上位常連の『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)が、コア視聴層3位(61.6%)、個人全体9位(62.7%)にランクインした。
今回のテーマは駅弁と機内食。鉄道利用者数の回復とともに駅弁の需要が伸びる中、その製造過程や「冷めてもおいしい」工夫にスポットを当てた内容は、視聴者の関心を引きやすいものだった。身近な題材を深掘りしながら、軽快なトークで分かりやすく伝える番組のスタイルが、安定した人気を支えているといえるだろう。
一方、コア視聴層10位にランクインしたのは『さよなら帝国劇場 最後の1日 THE ミュージカルデイ』(日本テレビ)。114年の歴史に幕を下ろす帝国劇場の「最後の1日」を記録し、生放送で届けられた特別番組で、帝国劇場の歴史的な意義を考えると、見逃せない放送となった。
ミュージカルスターたちが集結し、名曲ランキングの発表、歴代スターの秘蔵映像、生歌唱が披露されるなど、単なる音楽番組にとどまらず、日本のミュージカル文化を振り返る場として構成。帝国劇場が持つ歴史の重みや、日本のエンタテインメントに果たした役割の大きさが、ファンだけでなく多くの視聴者の関心を引きつけたといえるだろう。
○取材班に「とうとう見つかりましたか」
個人全体2位(66.5%)の『ポツンと一軒家』(ABCテレビ・テレビ朝日系)は、岡山県の山奥にある一軒家を訪問。一軒家までの道のりは過酷で、車が通れないほどの悪路。スタッフが約1kmを徒歩で登り、たどり着いたのは、養父母から受け継いだ家を守り続ける82歳の男性の家だった。
取材班を迎えた男性は、「とうとう見つかりましたか」と穏やかな笑顔で一言。その姿が視聴者の心をつかんだ。
男性は幼くして実父を亡くし、この家の養子として迎えられた。104歳で亡くなるまで男性に深い愛情を注ぎ続けてくれたという養父は、戦後まもなくこの地を開拓。山を切り開き、一人で石垣を積み、ここに家を建てたという。
現在も残る五右衛門風呂など、養父が作り上げた暮らしの跡が、この家の歴史を物語っていた。その歴史を紡ぐように、男性は今でも週に一度は2時間かけてここへ通い続けているそうだ。 亡くなる直前に養父が語ったという「お前も、わしも難儀な人生やったな」という言葉は、多くの視聴者の胸を打った。
ドラマのような人生の困難を乗り越え、ひっそりと家を守り続ける男性の姿に多くの視聴者が感動を覚えたようで、SNSでは「『ポツンと一軒家』で語られる個人史が染みるのはなぜだろう」「養父の言葉に泣いてしまった」など、多くの共感が寄せられていた。
●柳沢慎吾に「マジで名人芸」
8年ぶりに復活した『ザ・イロモネア』(TBS)は、コア視聴層の注目度59.5%で5位を記録。SNSでも「小さい時に大好きだった番組だから、大感動」といった声が見られ、懐かしいネタへの注目度の高さがうかがえる。
番組では、バナナマンの日村勇紀が往年の持ちネタ「子どもの頃の貴乃花」のモノマネを披露。ネタ開始前から笑いが起こり、瞬時にクリアする場面が話題となった。
また、MCの南原清隆が柳沢慎吾と「シンチャンナンチャン」として初参戦し、ラストステージのサイレントで賞金100万円を獲得。柳沢が十八番の「あばよ!」を無言で披露し、残り3秒という劇的なタイミングで成功したシーンは、特に視聴者の目をくぎづけに。SNSでは「ラスト3、4秒の『あばよ!』でパーフェクトをとるの、マジで名人芸」と絶賛する投稿が見られた。
番組全体を通して、ベテランから若手まで出演者たちが極限の緊張感と戦いながらも個性豊かなネタを披露し、MCのウッチャンナンチャンの2人が終始にこやかに挑戦者を見守る姿が印象に残った。番組終了後も、「イロモネア、面白くて優しい世界だからまたやってほしい」という投稿が寄せられていて、復活特番は視聴者から好評を博したようだ。
REVISIO 独自開発した人体認識センサー搭載の調査機器を一般家庭のテレビに設置し、「テレビの前にいる人は誰で、その人が画面をきちんと見ているか」がわかる視聴データを取得。広告主・広告会社・放送局など国内累計200社以上のクライアントに視聴分析サービスを提供している。本記事で使用した指標「注目度」は、テレビの前にいる人のうち、画面に視線を向けていた人の割合を表したもので、シーンにくぎづけになっている度合いを示す。 この著者の記事一覧はこちら