Aマッソ加納、初の連ドラ単独オリジナル脚本 バカリズムの存在は「バリバリ意識してます(笑)」

2024年3月13日(水)4時0分 マイナビニュース

●「伏線とか無理だ」と思って特技を探究
お笑いコンビ・Aマッソ加納愛子が、4月4日にスタートする中京テレビのドラマ『スナック女子にハイボールを』(毎週木曜25:04〜 ※中京ローカル)で、初の連続テレビドラマ単独オリジナル脚本に挑んでいる。
これまでエッセイや小説などで文才を発揮してきたが、今回は「自分の遅筆にビビってます」と弱音も。それでも、スナックを舞台にした常連客を巻き込むシチュエーションコメディで、世代の異なるたくさんの登場人物を描くことによって、コミュニケーションの面白さや可能性をセリフに込めた——。
○自分自身に向き合う形にも
——今回のオファーを受けた際の心境から教えてください。
ちょっと私の務まるのかな…という気持ちでした。今まではコンビで2人しか動かしてこなかったところを、たくさんの出演者の方のセリフを書かせていただくということで不安のほうが大きかったんですけど、コメディは一応本業ですので、自分の良さも生かしながら書き進めてきました。
——ドラマ脚本という仕事は、実際に執筆してみていかがですか?
今までは自分と相方の当て書きしかしてこなかったところを、キャストの皆さんが決まるところで新しいカラーを載せていただき、そこに演出が加わってというので、一つのもの作りをたくさんのプロフェッショナルとやることの楽しさを感じています。その中で、気づかなかった自分の特徴なども教えていただいたりして、自分自身に向き合う形にもなっているので、すごくありがたい機会だなと思います。
——普段のネタを書くのとドラマとの違いは、どのように感じていますか?
ネタはスベるかウケるしかジャッジがないですけど、ドラマは見た人がそれぞれの感想を持ち帰っていただけるというところが、面白いなと思います。
——ドラマの脚本執筆が、本業のネタ作りに生きそうなことはありますか?
普段のコントもあんまり憑依型ではなくて、あいつ(むらきゃみ)が言いそうな言葉とか私が言いそうなことをベースに書いてるんですけど、他の目線から台本を書くことによって、「意外とこういう人もやっていいのかな」とか思って、投影できるようになってきました。
——ネタの幅が広がるかもしれないですね。
そうなったらいいなと思いますね。
○自分が愛せない主人公を書いてみたい
——近年はバカリズムさんを筆頭に芸人の脚本家さんがたくさん活躍されていますが、やはり意識されますか?
完全にしてます(笑)。今年35歳なんですけど、バカリズムさんのWikipedia見て、「35歳で何してたんやろ? もう短編始めてるな」とか思って、バリバリ意識してます(笑)
——作品も、意識してご覧になるのでしょうか。
バカリズムさんに関しては、もう普通に作品のファンなので、皆さんと同じように楽しんで見て、「あ、伏線とか無理だ」って思ったら、自分の特技を見つけていくという感じです。基本のアイデンティティを探す意味でも勉強させていただいてます。
——今後、どういう作品を書いていきたいですか?
嫌なやつ書きたいっすね(笑)。書いてるとどうしてもいい人にしたくなるんですけど、自分が全然愛せない主人公とか、書いてみたいです。
——脚本家としての目標を掲げると、何でしょうか?
バズりたいっす(笑)
——エゴサはされるのですか?
今まではしなかったんですけど、これからし始めようかなと思ってます(笑)
●女性=リアクターの笑いの作り方を打破したい
——今作は会話劇ということですが、どのような意識で執筆されたのですか?
やっぱり登場人物が全員他人に興味があるということがベースになっていると思います。日常で「こいつ他人に興味ないな」っていう人もたくさんいるんですけど、他人に興味を持つだけでこれだけいろんな交流ができるんだぞっていうのを、ちょっと意識しました。あと、コメディを書くときは結構女性が受け手になってリアクターとしての笑いの作り方がベースになることが多いなと私自身感じていたので、そこを自分のオリジナリティで打破できないかなというのを、裏テーマとして考えていました。
——実際にスナックは取材されたのですか?
後輩とか友達と何軒かお邪魔しました。スナックにあんまり行ったことがなかったんで、「まあまあウザいんだろうな」って偏見を持ってたんですけど、全然ウザくなかったですし、やっぱ行ってみんことには分からんことが多いなと思いました。
——そこで感じたスナックの魅力は、どんなところでしょう?
ちょっと語弊があるかもしれないですけど、適当にしゃべっていいとこですかね。別に芯食った話をしなくていいし、してもいいし、ママも聞いてるようで聞いてないじゃないですか(笑)。あの感じが良いなと思って。結構こっちが熱を帯びてしゃべり出したら、隣のお客さんのとこ行ったりとか、あの感じがすごくいいなと。何か社会の縮図のような気もします。
——お酒の席でのエピソードで、ドラマに生かしているものはありますか?
相方がすごくお酒を飲むほうで、飲んだらやっぱ人間が変わるんですよ。普段あんまり自分の気持ちをストレート表現するタイプではないんですけど、お酒飲んだときにすごい本音しゃべるんです。「二面性」って言葉もありますけど、人間ってそんなパキッと表と裏があるわけではないので、そのへんのグラデーションを含めて1人の人間なんだっていう部分は、だいぶ参考にさせていただきました。
○ほくそ笑みながらセリフを作る
——主演の山口紗弥加さんと北香那さんの印象はいかがでしょうか。
最高ですよね(笑)。北香那さんは今からの女優さんですし、山口紗弥加さんはいろんな作品に携わってこられた方ですので、自分の台本でおそれ多いと思いますけど、そんな2人に「こんなこと言わしたら面白いな」っていうのを、ほくそ笑みながら書いてます(笑)
——どんなところに注目してほしいですか?
結構、各話ごとに弾けさせたり、感動できる部分もあったり、いろんな感情が見えると思います。大激怒も大爆笑もあって、ウザい絡みもあってっていう会話の種類を楽しんでもらいたいですね。
——全話の脚本を担当され、絶賛執筆中(※取材は2月中旬実施)ということですが、やはり大変ですか。
そうですね、嫌ですね(笑)。去年の年末ぐらいから書いてまだ終わってないので、ちょっと自分の遅筆にもビビってますけど、撮影日が迫っておりますので、何とか頑張りたいなと思います。
——では改めて、今作の見どころをお願いします。
スナックという場所の特性上、いろんな世代の方が出入りするということがテーマになっています。お酒を飲む場ですので、砕けた会話から、真に迫るということもあるでしょうし、真面目な話を真面目にするということだけではなくて、ほんの会話からヒントになって物事が解決したりすることもあるでしょうし、意外とおっさんってウザくないんだなとか、おっさんからしたら若い子って意外と根源的には感覚が同じだなとか、自分と違う世代の人との会話の中で、いろんな気づきあったり、楽しさを見つけてもらえるドラマにしたいと思います。役者の皆さんの演技とか、面白い部分がたくさんあると思いますので、そこを楽しんでもらいたいですね。

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