抗がん剤治療を打ち切りステージ復帰へ…日本最高齢ストリッパーの姿に本仮屋ユイカが涙「生きていてくれて、ありがとうございます」

2025年3月22日(土)18時0分 マイナビニュース


●「命を削ってでもステージで踊りたい」
女優の本仮屋ユイカが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、23日・30日に2週連続で放送される『私が踊り続けるわけ4 〜58歳のストリッパー物語〜 』。日本最高齢のストリッパー・星愛美さん(58)とそのファンたちを追った作品だ。
このシリーズのナレーターを担当する中で、星愛美さんの奇跡を何度も目撃してきた本仮屋。今回の収録を終え、「愛美さんが完全に新しいフェーズに入られたんだと感じました」と受け止め、その姿を見せてくれたことに涙をこぼしながら感謝した——。
○体力の低下と脱毛に苦しむ日々
前年の夏、肺がんを患い、肺の一部を摘出した愛美さんは「還暦まではステージで踊りたい」という気持ちはあるものの、抗がん剤治療による体力の低下と脱毛に苦しむ日々が続いていた。
このまま治療を続けていては、ステージに立てない体になってしまうのではないか…。抗がん剤治療を続けるのか、それともストリップの舞台へ戻るのか、激しい葛藤の中にある愛美さんの脳裏に浮かぶのは「星組」と呼ばれる愛美さんファンを始め、全国各地の劇場で彼女に会うことを楽しみにしている多くのストリップファンの顔だった。
「私がステージで踊ることで、みなさんが元気になってくれるなら、命を削ってでもステージで踊りたい」——愛美さんは抗がん剤治療を3回で打ち切り、がんと闘うことよりも、ステージ復帰に人生を懸けることを決意した。
目指すのは、1カ月後に迫った58歳の誕生日イベント。新たな衣装を準備し、振り付けも自ら考え、ステージに耐えられる体を取り戻そうと自分を追い込む。そんな時、悲しい知らせが届く。大切なファンの一人が孤独死をしたという警察からの連絡だった…。
○「神がかっている愛美さんを見せていただいた時間」
4回目となる今回のドキュメンタリーを見て、「愛美さんが完全に新しいフェーズに入られたんだと感じました」ととらえた本仮屋。「衣服をまとわず、本当に自分の体一つで勝負しなきゃいけない厳しい世界で、これ以上、自分をさらけ出すことはできない極限の表現をされていたのが星愛美さんという方だと思うんです。ですが、そこをさらに超えていった姿を見て、人間ってここまで進化することができるんだと感じました」と圧倒された。
それを強く感じたのは、愛美さんが「ステージが治療」と、抗がん剤治療を打ち切る決断を下した場面。
「フィールドは違いますが、同じ人に見られる職業という中で、果たして自分にはあんな決断ができるのか、同じ姿勢で人前に立ち続けられるのか。そこに共感と、まだまだ自分は到達できないということを感じ、ある種、神がかっている愛美さんを見せていただいた時間でした」
そして、いちファンとして愛美さんにかけたい言葉を聞くと、思わず涙があふれ出た本仮屋。「生きていてくれて、ありがとうございます。いろんな決断を前向きにしてくださって、ありがとうございます。ずっとずっと応援しています」と噛みしめるように語った。
●『ザ・ノンフィクション』の放送が様々な影響を生む
今回の放送では、『ザ・ノンフィクション』を見てストリッパーを目指したり、反対していた親が後押ししてくれたり、亡くなったファンの妹が応援する気持ちを理解したり、さらには愛美さんが講演をオファーされたりと、番組による様々な影響を実感する場面が随所に登場し、本仮屋も携わった一員として大きな喜びを感じた様子。
また、これまでナレーターを担当する中で、「星組の人たちは、私の声をどう受け取るんだろう」と少し不安を抱えていたそうだが、取材ディレクターから「ユイカちゃんが読んでくれてありがとう」といった星組の人たちの感謝の言葉を聞いて、「すごくうれしかったです」と安堵した様子だ。
自身のSNSアカウントにも、「地上波で日曜日のお昼に取り上げてくれてありがとう」「読み手が女性だったのがうれしくて、愛美姉さんの誠実さがちゃんとナレーションで伝わってきました」と感謝のメッセージが届いているのだそう。さらに、「この人のショーはどうですか?」「今度の日曜日はここでこんなショーをやってます」と、星組以外のストリップファンが情報を教えてくれるそうで、本仮屋は「みんなが誰かしらの“組”なんだなと思いました」と、ストリッパーとファンの強い絆を感じた。
○改めて感じたファンの存在の大きさ「頭が下がる思い」
番組では、ファンからのメッセージを読んで、星さんが“この仕事を続けてきてよかった”と再確認するシーンがある。同じように人前で表現する本仮屋にとっても、ファンの存在は大きいという。
「どの仕事をやっても、“あの人はどういう感想を言うんだろう”と、ファンの皆さんの顔がずっと浮かびます。誰にも言ってない自分の中だけで挑んだテーマにも、“ユイカさん、こういう思いでやられてましたね”って気づいてくれるんですよ。ほとんどの人が気づかないところを言葉にしてくださる方が私のファンにはとても多くて、その言葉にいつも支えられています。頭が下がる思いです」
プロのストリッパーとして年代に応じた“見せ方”に強いこだわりを持つ愛美さん。そこで、30代の本仮屋に10代や20代からの“見せ方”の変化を聞いてみると、「それが悩みなんですよ(笑)。大人になってきたから大人として振る舞わなければいけないんだろうけど、あまりに大人になりすぎると寂しい気持ちになる方もいらっしゃいますし…」と打ち明ける。
それでも、「せっかくこんなに自由にやっていい職業に就かせてもらっているので、“30代でもありなんだ!”というのを考えるようにしています。厳しい社会の中でお仕事をされている方が大半の中で、“まともなんだけど、ちょっと型から外れてるな”と思われることを大事にしています」と意識しているそうだ。
○さらなる続編に期待「彼女の輝きはどんな形でもいいので見守りたい」
第4弾まで続いてきた星愛美さんのドキュメンタリーだが、「この先、愛美さんの物語を見続けることができるのか、いちファンとしてとても気になるところです」と案じる本仮屋。
「『ザ・ノンフィクション』の放送があるたびに愛美さんのファンが増えているのを、ナレーターの私自身も感じているので、彼女の輝きはどんな形でもいいので見守りたい、応援させてほしいという気持ちです」と願った。
●本仮屋ユイカ1987年生まれ、東京都出身。99年『わくわくサイエンス』(NHK)で芸能界デビュー。01年のドラマ『3年B組金八先生』(TBS)などの演技で注目を集め、05年NHK連続テレビ小説『ファイト』のヒロインに選ばれる。映画・ドラマのほか、『王様のブランチ』(TBS)で情報バラエティのMCも担当した。近年の出演作は『私の夫は冷蔵庫に眠っている』(テレビ東京)、『愛しい嘘〜優しい闇〜』『バツイチ2人は未定な関係〜『ふつう』、やめます!編』『今日からヒットマン』(テレビ朝日)など。21年から「ゆいか」名義で歌手活動をスタート、現在は『ONE-J』(TBSラジオ)、『三菱地所レジデンス Sparkle Life』(TOKYO FM)のパーソナリティを担当、YouTube番組『ユイカのラジオ』も配信中。

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