寛一郎主演映画『シサム』今秋公開 アイヌと和人との歴史を描いた壮大な歴史スペクタクル

2024年3月26日(火)7時0分 クランクイン!

寛一郎が主演を務める、アイヌと和人との歴史を描いた壮大な歴史スペクタクル映画『シサム』が、今秋公開されることが決定。寛一郎を捉えた場面写真が初解禁された。

 本作は、アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマ。かつて<蝦夷地>と呼ばれていた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなっていた史実が基になっている。町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えの下、アイヌと和人が共生してきたという認識をもつ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで、町からの全面支援・協力のもと製作された。

 江戸時代前期。北海道の南西部にある松前藩は、アイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩藩士の息子・孝二郎(寛一郎)は兄の栄之助とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていたが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助が善助に殺されてしまう。兄の敵討ちを誓った考二郎は、善助を追って蝦夷地へと向かう。その頃北の大地の荘厳な森では、アイヌの間で和人(シサム)への反発と蜂起の動きが高まっていた—。

 主演は、『菊とギロチン』でキネマ旬報ベスト・テン新人俳優賞に輝き、その後も阪本順治監督作『せかいのおきく』や北野武監督作『首』などの話題作に次々と出演し、著名な映画監督からの信頼も厚い寛一郎。蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴してゆく武家の若者を演じている。

 脚本は、阿部寛主演ドラマ『結婚できない男』(関西テレビ)やNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』など、ヒットドラマを手掛けてきた尾崎将也。本作では日本語とアイヌ語の台詞を混在させながら、現代社会における<不寛容>が暴力へと繋がってゆくプロセスを丁寧に紡ぎ出している。

 監督は、歴史エンターテイメント番組『タイムスクープハンター』(NHK総合)で脚本・演出を手掛け、原作を務めた小説「ブルバスター」がアニメ化されるなど、多岐にわたる分野で活躍している中尾浩之。映画監督を務めるのは、『劇場版 タイムスクープハンター-安土城最後の1日-』(2013)以来約10年ぶりとなるが、北海道の大自然を活かしたダイナミズムな演出によって、作品に重厚なトーンを生み出している。

 北海道の大自然をバックに、激動の歴史の渦に巻き込まれた武家の若者が異なる文化や風習に触れ、それらを理解することによって己の人生を見つめ直してゆく本作。過去の歴史を描いた作品でありながら、現代に通じる社会問題を訴求させ、今の時代に刺さる感動の一大叙事詩が誕生した。

 寛一郎は「元々アイヌの歴史に興味があったので、オファーをいただけて嬉しかったです。僕は和人の役でしたが、役を通して、アイヌという文化をたくさん見れた気がします。アイヌの文化にここまで着目して描いている作品は多くはないと思いますし、時代劇でありエンタテインメント作品になっています」とコメント。

 中尾監督は「まずご挨拶をかねて白糠町に伺い、皆さんの思いや大自然に触れさせていただきました。たちまち私の心は奪われ、シラヌカの魅力にどんどん引き込まれていきました。硬くなっていた私の心にしなやかな風が吹き抜けたのです。その時の感覚を大切にしながら演出にのぞむことにしました」と述懐。

 続けて「目指したのはやわらかな風のような映画です。寛一郎さんはそのしなやかさを見事に表現してくれました。予想を遥かに超えたところへ映画を引きあげてくれました。類稀な才能に出会えたことに幸せを感じております」と、寛一郎を称えた。

 脚本の尾崎は「アイヌのことを何も知らないところからのスタートでしたが、『とにかく飛び込んでみよう』と思ったところから色々なことが動き初め、多くの方のご尽力があり、一本の映画ができました。思ったよりもずっと大変な作業でした。脚本を直した回数はこれまでの自分が経験した中で最多となりました」と語っている。

 映画『シサム』は今秋全国公開。
※「シサム」の「ム」は小文字が正式表記

 寛一郎コメント全文は以下の通り

<寛一郎 コメント全文>

■寛一郎(孝二郎役)

元々アイヌの歴史に興味があったので、オファーをいただけて嬉しかったです。一月半ほど白糠町にお世話になりましたが、食べ物も気候も素晴らしく、町の皆さんにもたくさん協力をしていただいたことで映画が完成したと思っています。

僕は和人の役でしたが、役を通して、アイヌという文化をたくさん見れた気がします。アイヌの文化にここまで着目して描いている作品は多くはないと思いますし、時代劇でありエンタテインメント作品になっています。多くの方に楽しんでいだだけければ幸いです。

■中尾浩之(監督)

最初に本作のオファーを受け脚本を拝読した時、これは大変な仕事になるだろうと不安を覚えた記憶があります。まずご挨拶をかねて白糠町に伺い、皆さんの思いや大自然に触れさせていただきました。たちまち私の心は奪われ、シラヌカの魅力にどんどん引き込まれていきました。硬くなっていた私の心にしなやかな風が吹き抜けたのです。その時の感覚を大切にしながら演出にのぞむことにしました。

目指したのはやわらかな風のような映画です。寛一郎さんはそのしなやかさを見事に表現してくれました。予想を遥かに超えたところへ映画を引きあげてくれました。類稀な才能に出会えたことに幸せを感じております。ぜひ劇場に足を運んで身を委ねてください。心に風が吹き抜けますように。

■尾崎将也(脚本)

アイヌのことを何も知らないところからのスタートでしたが、「とにかく飛び込んでみよう」と思ったところから色々なことが動き初め、多くの方のご尽力があり、一本の映画ができました。思ったよりもずっと大変な作業でした。脚本を直した回数はこれまでの自分が経験した中で最多となりました。しかし関係者の中には僕よりも大変な思いをした人がいたことでしょう。感謝しかありません。

クランクイン!

「アイヌ」をもっと詳しく

「アイヌ」のニュース

「アイヌ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ