内田恭子「やりたいことが見つからないと焦る必要はない。でも、そんなときこそフレキシブルに、まずは動いてみることが大事」
2025年4月2日(水)12時30分 婦人公論.jp
内田恭子さん(写真提供:Voicy)
2006年にフジテレビを退社後、フリーアナウンサー・タレントとして活躍。私生活では二児の母でもある内田恭子さん。現在は、認定MBSR講師の資格を取り、マインドフルネストレーナーとして活躍の場を広げています。そんな内田さんは、日本最大級の音声配信プラットフォーム『Voicy』で『内田恭子のゆるんでいきましょう』を配信中。その中から選りすぐりの話題をお届けします。今回のテーマは「やりたいことが見つからないときは」です。
* * * * * * *
やりたいこととの出会い
今日のテーマは、「やりたいことが見つからない時にどうする?」です。
よくメッセージやコメントで、「やりたいことが見つからないんですけれど、どうすればいいですか?」と聞かれることがあります。
人生の中で、いくつになってもやりたいことを追求している人たち、やりたいことを持っている人たちって、なんだかとても充実しているように見えますよね。
だからこそ、やりたいことがなかなか見つからないと、少し不安になったりとか、焦りを感じたりすることもあるかもしれません。
けれどもやりたいことっていうのは、いつどこで出会うかわからないなっていうのが、私の実体験としてあります。
やりたいことの種類にもよると思うんですね。お稽古としてやりたいこと、遊びとしてやりたいこと。そういったやりたいこと以外に、人生の中で何か新しく始めたいこと、やってみたいこと。そういったことについて、今日は話をしてみたいと思います。
出会いは40歳過ぎてから
皆さんはやりたいこと、今やれていますか?
中には「今やりたいことを探しています」という方も、多くいらっしゃるんじゃないかなと思います。
でも、せっかくの一度きりの人生、もし何かやりたいことがあるのであれば、やることができれば、さらに毎日が楽しくなるかもしれません。
私がマインドフルネスを始めた、やりたくなってやり始めたきっかけ。マインドフルネスとの出会いは、40歳過ぎてからでした。
私はあまり落ち着きがないので、それまでの人生でも、気になること、やりたいことが見つかったら、ためらわず進んでいく方でした。
けれども、まさか40歳過ぎてこんなに大きな出会い、自分が一生涯かけても追求していきたいなと思うものに出会えたというのは、自分でもびっくりしています。
その出会った方法は、待って座っていたら向こうからやってきた、というものではありません。やはり自分から動かないと、その出会いというものは、なかなかつかまりません。
内田恭子さん(写真提供:Voicy)
ここでも話したことがあるかと思いますが、もともと私はマインドフルネスというものを全く知りませんでした。臨床心理師に興味を持ち、そのために大学院に行こうと受験勉強をしていたときに出会ったのが「マインドフルネス」なんですね。
受験勉強の中でマインドフルネスというものを知って、それに対して「ピピピッ」ときてしまったので、臨床心理師の受験勉強はやめて、マインドフルネスの勉強に進んだという経緯があります。
ですから最初からマインドフルネスに出会っていたわけではなく、違うことをやろうと思って進んでいたら、その先に出会いがあった。
これって物事もそうですが、人との出会いも一緒ですよね。この人に出会おうと思って出会っているわけではなく、何かのきっかけでその人に出会う。また、縁と縁がつながって、その人にようやくたどり着くとか。
それこそ、「もしあの時ここにいなかったら、出会っていなかった」というのは、人にも物事にも言えると思います。
そしてそれは、いつ出会うかわからないということ。人生の早いうちに出会うかもしれないし、私みたいに子供を産んで育児をしている時に出会うかもしれないし、もしかしたらもっと終盤の方で出会うこともあるかもしれません。
大事なことは「動く」こと
今はまだ、何かやりたいことが見つかっていないなっていう方、そこに関しては、焦らないでいてもいいんじゃないかな、と思います。今も言った通り、どこで出会うかわからないからです。
けれども大事なのは、「動く」ということだと思います。ずっと「何かやりたいなぁ」と思いながら座っていても、何も始まらない。
何をやりたいかわからなくても、気になることをどんどん始めてみる。するとその先にいろんな扉があって、そのいろんな扉を少し開けてみると、そこにまた違う道があったりして。そしてその先には、本当にやりたいことが待っている。そんなことがあるんじゃないかな、なんて感じています。
そこで必要になってくるのが、「自分はこうなんだ」とか、「自分はこれしかない」と思うのではなく、どんなものにも腕いっぱい広げて向かっていく。そうすると、また新しい自分を見つけられるかもしれません。
私も、アナウンサーが自分にとって一番のお仕事だと思っていました。けれども、今こうやって二足のわらじで「アナウンサー」と「マインドフルネストレーナー」としての仕事をしています。そしてそのどちらも、私にとっては大切な仕事となっています。
わからないですよ。この先三つ目の仕事がやってくる、そんなこともあるかもしれません。
これくらい考えをフレキシブルに持っておいて、何が起こるかわからない。それくらいの気持ちで、ゆるゆると進んでいくのがいいんじゃないかな。そんなふうに思っています。
そんなふうにして進んでいくと、ある日突然運命的な出会い、やりたいこと、そういったものに出会うかもしれません。
やりたいことが見つからないときこそ、フレキシブルに、そして動いてみる。それが一番の近道なのかもしれませんね。
※本稿は、Voicyチャンネル『内田恭子のゆるんでいきましょう』の音声配信の一部を再編集したものです。
関連記事(外部サイト)
- 内田恭子「大人になってからの友達が、子どもの頃のものと大きく違うこと。ママ友、習い事、推し活とジャンルが細分化されて…」
- 内田恭子「自分のいいところも悪いところも受け入れる。それが自分自身を好きになる第一歩。不完全な自分を受け入れることが、マインドフルネスの始まり」
- 内田恭子「ストレスを完全に無くすことはできない。そんなストレスを少しでも減らす、マインドフルネスの手法とは」
- 内田恭子「あなたのモヤモヤはどの種類?マインドフルネスのいいところは、無理に雑念をなくす必要はないこと」
- 内田恭子「私が髪をじょっきり切った理由。自分の中の当たり前を壊すことで色々な可能性が見えてくる。すべてにおいて、選択肢は自分にある」