“アラカンドラマ”を月9の英断『最後から二番目の恋』2人は “致したのか未遂なのか” 注目の恋路
2025年4月14日(月)19時0分 週刊女性PRIME
小泉今日子(左)と中井貴一
4月14日、11年ぶりに待望の新シリーズが始まる『続・続・最後から二番目の恋』。2012年の第1、2014年の第2シリーズに続き、今回が第3シリーズとなり、11歳年を重ねた登場人物たちがどうなっているのかが楽しみだが、中でも気になるのが、千明(小泉今日子)と和平(中井貴一)の関係に進展はあったのか……、つまりプラトニックのままなのか否か?ということだろう。
ホンネをぶつけ合う大人の男女
過去のシリーズを観そびれた、または忘れてしまった人のためにおさらいをしておくと、吉野千明は民放テレビ局の独身ドラマプロデューサー。日常に疲れ、女友達ふたりと暮らすために鎌倉の古民家を見つけるが、彼女らに断られ一人で住むことになってしまう。その隣家の住人が、鎌倉市役所職員で妻を亡くした長倉和平で、長倉家の4人きょうだいと賑やかに関わっていくことになる。
千明は和平の弟・真平(坂口憲二)と一度付き合うが、千明から切り出して破局。和平は部下の知美(佐津川愛美)、未亡人の秀子(美保純)や薫子(長谷川京子)、美人小説家の向坂(萬田久子)や鎌倉市長・伊佐山(柴田理恵)らに思いを寄せられるが、成立はせず。
その一方で千明と和平は、会う度に口喧嘩を繰り返すうちに、互いの良さを理解し合うように。と書くと、ドラマの定石みたいだが、女と男のホンネのぶつけ合うセリフはどちらも納得感があって、疲れた大人の男女は「そうそう、自分もそれが言いたかった!」と深くうなずいたものだ。
そして2012年秋に放送した単発スペシャルでは、ついにふたりは思いが高まって、結ばれることを決意。車でホテルを探すが、満室続きで未遂のまま幕を閉じていた(そんなに湘南の“そういうホテル”の稼働率は高いのか!?)。
第2シリーズ最終回では、ふたりは酔っ払っていいムードになり、熱くハグをし合う。そして「和平さん」「千明」と互いを呼び合うのだが……、笑いだして「無理!」となってしまったのだった。
和平と千明、ふたりはどうなる?
あれから11年、ふたりはどうなっているのだろうか? あれだけ相性のいいふたりだから、結ばれていてほしいと願うファンもいるだろう。さすがに11年の間には、2度や3度くらいは気分が高まるタイミングがあって普通ではないか。
だがその一方で、“すれば”関係が変わってしまいそうで、あのふたりには、ずっと未遂のままでいてほしいと思う人も多いはず。いい歳してロマンチストおじさんの筆者もそっち派だ。いや、だけど、一線を越えた先に更に素敵な関係が待っているなら、それを見せてほしい気もするし……。
他にも、坂口憲二はCMや『風間公親-教場0-』には出演したものの、これが療養からの本格的復帰といっても良く、慣れ親しんだ現場で元気な姿を見せてくれるのが楽しみだ。和平のませた娘・えりな役だった白本彩奈が、すっかり大人になって登場するのもファンには感慨深い。彼女はこの間に映画『箱男』などに出演する注目の女優に成長している。
過去2シリーズは木曜10時枠だったのを、月9に持ってきたところにも意味を感じる。月9といえば長く若者をターゲットにしてきたフジテレビの看板枠で、そこにアラカンが主人公のドラマを放送するのは英断といえる。そうしてでも確実に支持を得られる本作を看板枠に置くことで、局のイメージを回復したい思いがあるのではないか。
予告動画などを見ると、中井貴一はもとより、小泉今日子も白髪交じりで驚かされるが、ここには自然体で飾らない小泉自身が反映されているのかもしれない。また千明には三浦友和、和平には石田ひかりが演じる気になる相手も現れて、ふたりをときめかせるようだ(ということはやはり、ふたりは進展していない可能性が高い?)。
果たして第1話を見て「やっぱりね」となるのか、「まさか!」となるのか。どちらにしても、見逃し厳禁だ。
フリーライター・古沢保。'71年東京生まれ。『3年B組金八先生卒業アルバム』『オフィシャルガイドブック相棒』『ヤンキー母校に帰るノベライズ』『IQサプリシリーズ』など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。NHKの番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、歴史散歩の会を主宰。