松本若菜が魅せる“静”と“動”を兼ね備えた新たなスーパー救命医…『Dr.アシュラ』スタート
2025年4月16日(水)6時0分 マイナビニュース
●どんな手を使っても絶対助ける主人公
フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00〜)が、きょう16日にスタートする。
主人公は、命の最前線=修羅場で、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスーパー救命医・杏野朱羅(松本若菜)。命を助けたい、その純粋な思いと卓越した技術で患者を救う姿を描いていく。
○銃を突きつけられても「私の患者に手を出すな」
帝釈総合病院救急科の初期研修医・薬師寺保(佐野晶哉)は救急科に配属されて早々、当直につくことになった。不安を隠せない様子の保だが、看護師の水吉歩夢(荒井玲良)が、この病院では院長・不動勝治(佐野史郎)の医療ミスなどが起きないようにという方針のため、重症患者は受けていないと話す。その言葉に安堵する保だが、歩夢は「でも今日もアシュラ先生いるからね」と意味深な一言を加える。
保が休憩室に行くと、スクラブのままソファで眠っている女性の姿が。救命医・杏野朱羅(松本若菜)である。朱羅の美しさに思わず見とれていると、朱羅は突然目を覚まし「来る」と言うなり初療室へ急ぐ。保が後を追うと救急隊からのホットラインが鳴る。朱羅は心肺停止患者の受け入れ要請に応じる。
救急車が到着し、朱羅は保と歩夢に指示を出しながら必死に蘇生を試みる。その最中、銃で撃たれた組長をヤクザたちが運び込んでくる。組長の治療を優先するようすごむヤクザだが、朱羅は見向きもしない。業を煮やした舎弟が銃を突きつけるが、「私の患者に手を出すな」と朱羅は舎弟の首筋にメスを向ける。
その頃、医療法人帝釈会・理事長の阿含百合(片平なぎさ)は、国際帝釈病院の新設に向けて奔走していた——。
○朱羅の「来る」はスイッチが入る瞬間
女医が主人公の医療ドラマが数多く放送されてきた中で、やはり『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日)が真っ先に思い浮かぶ人も多いだろう。米倉涼子演じる主人公・大門による「私、失敗しないので」という名セリフも生まれた。
今作は、松本演じる朱羅の「来る」というセリフから始まるが、それは至って冷静につぶやかれる。全く仰々しくなく、その姿は至って“静”だ。しかし、その「来る」という言葉は、“静”から“動”へのスイッチが入るサインのようだ。
いざ急患が到着すると、患者の状況を冷静沈着に素早く分析し、ダイナミックかつ迅速な手技で、難しい手術も手際よくやってのけてしまう。患者を助けたい、何としても助けるということへの強い信念を感じる。そもそもなぜ、急患が「来る」と分かるのか。それが明かされる日は来るのだろうか。
●松本若菜&佐野晶哉のコンビネーションにも注目
松本と言えば、圧倒的な演技力で幅広い作品に出演し、唯一無二の存在感で常に視聴者の心をつかむ。今回演じる朱羅は、決して言葉は多くはないが、瞬時に的確に判断し、患者と真摯(しんし)に向き合う強い目力が観る者を惹きつける。凛とした美しさや“静”と“動”のコントラストがとても心地よい。『わたしの宝物』で托卵を決断する女性を演じた松本だが、今作でどんな新しい世界に誘ってくれるのか…楽しみだ。
一方、研修医の保が朱羅に問いかける言葉は、一般の声を代弁していて現実的。そんな2人のコンビネーションが、ドラマのスピーディーな展開に一役買っている。マイペースで時に強引な朱羅に振り回され、葛藤する保の成長も楽しみだ。
朱羅を取り巻く環境は、穏やかではない。院長・不動をはじめ、朱羅の上司で救急科科長・大黒修二(田辺誠一)、外科科長・金剛又吉(鈴木浩介)、朱羅の師匠・多聞真(渡部篤郎)と、実ににぎやかで、個性的だ。そして理事長・阿含は、第1話で早くも次々と“切り札”を送り込む。
しかし、そんな環境にも動じることなく、感情的にすらならない朱羅。あくまでも「修羅場」に執着するその理由と、朱羅が経験してきた「修羅場」を早く知りたくなる。
○医療ドラマであまり見たことがない病院セット
今作で目を引くのが、舞台となる病院のセット。今まで我々が目にしてきた医療ドラマのセットの多くは、白が基調で、形はスクエアだった。しかし、外壁のレンガが廊下や初療室、病室に取り入れられている。窓の形や格子、ドアの質感や灯りもクラシカルで、これまで医療ドラマであまり見たことがない。
階段の位置も特徴的で、そこにはステンドグラスの窓がある。救急科が待機する部屋も、雑然としていて生活感が伝わってくる。そのセットに佇む朱羅は、過去に何があったのかと想像を駆り立てられ、そして美しい。
かつて、『救命病棟24時』『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜』といった救命医療ドラマの代表作を世に送り出したフジテレビ。このジャンルで新たな1ページを開く作品になることを期待したい。