容姿に自信のなかった会社員→美しすぎるプリンセスに…“劇的イメチェン”に成功した20代女性が明かす、コスプレを始めて変わった心境
2025年4月19日(土)12時0分 文春オンライン
〈 容姿で陰湿なイジメ→“超かわいい”「プリンセス」に大変身…20代の“普通の会社員”が、コスプレのために努力を続けたワケ 〉から続く
ディズニープリンセスのコスプレで話題の食用かぐやさん。自身の中学時代の卒業アルバムとコスプレ写真を並列し、「努力型のプリンセス」としてSNSで発信、メディアにも取り上げられた。
そんなディズニープリンセスとコスプレ好きの食用かぐやさんに、コスプレのきっかけからプリンセスの魅力、そして“努力”の裏話を聞いた。(全2回の2回目/ 最初から読む )

◆◆◆
家探しの基準はプリンセスのドレスが入るかどうか
——プリンセスのコスプレ写真をSNSでアップされていますが、ドレスは何着くらいお持ちですか。
食用かぐやさん(以降、かぐや) オーロラ姫が9着、シンデレラが2着、ベルが5着で……たぶん16〜17着ですかね。数えるともうちょっとあるかもしれないんですけど、数えるのが怖い(笑)。これでもだいぶ手放したほうなんですけど。
——ドレスをしまうのはかなり大変では。
かぐや そうなんですよ。だから引き出しがないような、丈の長い洋服がかけられる大きいクローゼットのある部屋を探して借りてます。家探しの基準は、ドレスが入るかどうか。もはや私服は隅に追いやられてますけど、ドレスの方が大事です(笑)。
実家にいる時はトルソーに着せたりしてしわ防止もできたんですが、ひとり暮らしの部屋だとそうもいかないので大変です。
熱に弱くアイロンNGのシンデレラのドレス
——ドレスって、しわが出来てしまうんですね。
かぐや アイロンもかけるんですけど、私のシンデレラのドレスは熱に弱い素材なので、アイロンを通すと溶けてしまう可能性があって。しわはある程度仕方ないので、洗濯だけはしっかりするようにはしています。
——家でドレスを洗濯する?
かぐや します。リセッシュだけとか、クリーニングにお任せの子もいるんですけど、私は雑なので、ネットに入れてポンって洗濯機に入れちゃってます。
——ドレスが干されている光景って、なかなか見ないですね。
かぐや ご近所の人にどう思われてるんですかね(笑)。
そう考えると、ボリュームがあるので着るのも大変なんですけど、保管と管理が一番大変かもしれないです。それこそ仮装ができるディズニー・ハロウィーンは1年に1回なので、その間きれいに保管するとなると、他の人はどうやってるんだろうって思います。
——ドレスは全部手作りなんですか?
かぐや 基本的には買ってます。私はウィッグを作るのが得意なんですけど、裁縫上手な子がいるので、その子がドレスを作ってくれて、私がウィッグを作ってあげるっていうバーターもしてます。
「軽量化」に悩むプリンセスのウィッグ作り
——プリンセスの髪型を再現する際に大変な点は?
かぐや ディズニープリンセスは髪にボリュームがあるので、それを完璧に再現するか、逆に3次元にいてもおかしくないようなものにするか、いつも悩んでます。
——一番難しかったディズニープリンセスのウィッグは?
かぐや ラプンツェルの長い三つ編みですね。完成したら7キロぐらいあって、もはや重くて動けない(笑)。
——三つ編みは何で作るんですか。
かぐや ストッキングの中に綿を詰めたものに金髪のウィッグの毛束を貼り付けて、どんどん長くしていく方法で作りました。
たぶん主流の作り方だと思いますけど、プリンセスのウィッグを作る人は皆とにかく軽量化に頭を悩ませていると思います。
——プリンセスの肩に止まっている小鳥とかかぼちゃの馬車を作ることも考えている?
かぐや それは考えたことないですね。ただ、シンデレラが魔法をかけられる瞬間のキラキラを物理的に再現したくて、ドレスにキラキラの石をバーッと貼り付けたことはあります。
あ、でもこの前実家に帰ったら、井戸ができてました。
——貞子が出てくるあの井戸ですか。
かぐや 白雪姫の方の井戸だと思います。両親もすごいディズニー好きなんですけど、実家に帰ったらそれっぽいのがあって、「あれっ、白雪姫の井戸じゃん」って言ったら、「うん、井戸。よくな〜い?」みたいな感じで。何で作ったのか本当によくわからないんですけど(笑)。
登場シーンもセリフ数も少ないけれど、オーロラ姫こそ「素敵な女性像」
——かぐやさんはディズニープリンセスの中では『眠れる森の美女』のオーロラ姫が一番お好きということで、オーロラ姫のグッとくるところを教えてください。
かぐや 実はオーロラ姫って、歴代のプリンセスの中で一番、登場シーンが少ないんですよ。
——そうなんですか。
かぐや セリフ数も少なくて後半はほぼしゃべってないし、劇中歌も少ないから、ディズニー好きの友だちからも「どこがいいの?」って言われるんですけど(笑)。
でも、私が思う素敵な女性像がオーロラ姫なんです。所作も優雅だし、美しくて芯のある女性だなって。あと、アニメーションは全部手描きなんですけど、奥行きがすごくて。何回見ても見惚れます。
——オーロラ姫グッズなんかもコレクションされている?
かぐや 今は社宅なのでないんですけど、実家にはオーロラ姫のポスターがババババーッと貼ってあります。あと、劇中に糸車が出てくるんですけど、それもありますね。
——家に糸車があるんですか?
かぐや 糸車、買っちゃったんですよ。何にも使ってないんで正直、邪魔です(笑)。
ディズニープリンセスが年々変化するのは「自然なこと」
——ディズニープリンセスは年々変化していますが、どのように見ていますか。
かぐや あんまり私は好きな言葉じゃないんですけど、昔のディズニープリンセスは眠って王子様のキスを待つことから、「受動態のプリンセス」って言われているんです。一方で、最近では自分自身で夢を掴み取りに行くような、アリエルとかラプンツェルみたいなプリンセスが出てきていて。
ポリコレに関してはやりすぎな面もあるかもしれませんが、女性の自立が当たり前の世の中で、そうした社会に呼応した作品を作っていくことは自然なことではないかなと思っています。
それでも私自身はやっぱり昔のクラシック作品が一番好きで。受動態のプリンセスと言われますけど、彼女たちには皆、夢や希望を忘れないっていう芯があるんです。
——コスプレ的には、クラシック作品の方が人気ですか。
かぐや いろいろですね。ディズニーって子どもだとシーズン問わず仮装できるんですけど、アリエルとかジャスミンの子も多いし、小さなエルサやラプンツェル、メリー・ポピンズもいますよ。私の妹は『ムーラン』がめっちゃ好きでしたけど、どうせコスプレするならキラキラのドレスが着たい、っていうのはあるかもしれません。
——プリンセスのコスプレをする時は友だち同士で被らないようにするなど、コスプレの際にルールみたいなものはある?
かぐや 全然ないですね。友だち同士で同じキャラでもいいですし。ディズニー側のルールとして、裾を引きずらないとか露出NGっていうのはありますが、界隈の中の暗黙の了解とかは全然ないので、ただただルールを守って楽しんで、自分がなりたいようになれればいいかなと私は思っています。
遂にディズニーランドの付近に引っ越すことに
——プリンセスのコスプレ的に1年で最も気合の入る日はやっぱりディズニー・ハロウィーンのイベント?
かぐや そうですね。一番大事で、一番楽しみですね。皆さんそこに向けて準備をするので、ハロウィーンが終わった今は休眠期間みたいな感じです。
——かぐやさんの一番気分が上がる場所も、やっぱりディズニーランド?
かぐや お友だちができたり、いい思い出がたくさんできた場所という意味でも、ディズニーが一番好きですね。なので今度、遂にディズニーランドの付近に引っ越すんです。
——それだけ年に何回も行くわけですよね。
かぐや 今でも月に最低1回は行きますし、ハロウィーン期間だけでも十数回は行くので……引っ越したら一体どれくらいになるのか、もはやわかりません(笑)。
中学時代のビフォア写真をアップしたワケ
——SNSでは、「自分はちっともプリンセスではない」といったことを書かれていました。その真意は。
かぐや プリンセスのコスプレ写真をSNSにアップすると、「私もなりたいけど自分には無理」みたいなコンプレックスを話してくれる子がいて。そんな悩みを話してくれる人に対して、自分が封印していた中学時代のことや普段の自分を隠してるのって、ちょっと誠意がない感じがしたんですよね。
——それで、中学時代のビフォア写真もアップした?
かぐや 「私でもここまでできたから大丈夫」と、誰かの背中を押してあげられたらいいなって。あとはもちろん、自分の心を楽にするという意味でも投稿したんですけど、想像以上に反応があって驚きました。
私はずっと過去を隠して生きてきたし、今だって憧れられるような生活をしているわけでもなく、普段はメイクも取らずに寝ちゃうこともある普通の会社員で。でも、ただただ周りの皆が、全然プリンセスではない私をプリンセスとして扱ってくれて、手を振ってくれたり声かけてくれたりすることで、自分はプリンセスになれているんです。
——プリンセスのコスプレをする時は振る舞いにも気をつけるということでしたが、私生活にも影響していますか。
かぐや それはありますね。プリンセスの仮装をはじめてから、「この所作ってきれいじゃないよな」とか、「こうやればきっともっとよくなる」って考えるようになりました。
今は普段でも猫背にならないようにしていますし、所作って指先に出るので、指先の動きはすごく気をつけてます。
「プリンセスだったら」と考えて人に接するように
——精神面でも、プリンセスに近づいているような気がしますか。
かぐや 本当のプリンセスはもっときっと優雅なはずですけど(笑)。ただ、好きで長年追ってきたからこそ、「プリンセスだったら今の場面はこうするよな」って考えて人に接するようになりました。芯の強さを持つのがプリンセスだと思うので、私も信念を持って行動しようって思うんです。
——お名前には「かぐや」が入っていますが、かぐや姫にもチャレンジする?
かぐや ディズニーがかぐや姫でアニメを作ってくれたらいいなって(笑)。いつか創作で和風のお姫様にもチャレンジしたいですね。
(小泉 なつみ)
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