山本美月「自分が結婚していることも重なって苦しくなりました」栗山千明と女性同士の親密シーンで感じた難しさ【インタビュー前編】
2025年4月19日(土)8時0分 モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じた山本美月、栗山千明(C)モデルプレス
◆山本美月&栗山千明が大人の女性同士の恋愛を描いた「おとなになっても」で初共演
本作は講談社の漫画雑誌「Kiss」にて、2019年5月号から2023年10月号まで連載されていた志村貴子の人気作「おとなになっても」を実写ドラマ化。結婚や義理の親との関係、職場でのしがらみなど、“おとな”に成長する過程で多くの人々が経験したことのあるほろ苦い事柄が繊細かつリアルに描かれており、ハマる人が続出した話題作。平凡な生活を送ってきた既婚女性で、小学校の教師を務める大久保綾乃(山本)は、行きつけのダイニングバーで働く平山朱里(栗山)と出会い、大人の女性同士の恋が始まる。
本作で初共演を果たした2人。インタビュー前編では、出演への心境や作品を見せる上で大切にしていた空気感について語ってもらった。後半では、互いの印象や撮影時の裏話や、夢を叶える秘訣について質問した。
◆山本美月&栗山千明、インティマシーシーンで意識したことは?
— 女性同士の恋愛を描く本作ですが、出演が決まった時の心境を教えてください。
山本:私は志村先生の作品を高校生の時からずっと読んでいたので、先生の初の実写化作品でお声掛けいただけたことがすごく嬉しかったです。
栗山:私は、お話をいただいてから原作を読ませていただいたのですが、登場人物みんな素敵で魅力的なのが印象に残りました。私が演じる朱里も本当に素敵な子だなと思っていたので、その役をやらせていただけるのはすごく嬉しかったです。
— いきなりのキスシーンから物語がスタートしましたが、同性とのインティマシーシーンを演じてみていかがでしたか?
栗山:インティマシー(親密なシーン)を演じる際に、事前の確認もしっかりしていただいたので、遠慮なく演じることができました。
山本:事前の準備をしっかりしていただきましたよね。やっぱりそういう方がいてくださるのは、同性か異性かに関係なく、安心感がありました。
— 異性と同性とでは、キスシーンの見せ方も変わってくるのではないかと感じました。何か意識したことはありますか?
山本:異性と同性の違いというよりも演技で自分からキスすることがこれまであまりなかったので、どうやったらいいんだろうという戸惑いはありました。
栗山:朱里のほうがグイグイ行っているように見えるけど、実は綾乃ちゃんの方からアプローチする行動が多かったから、そう感じるのかもしれないね。
山本:やっぱり栗山さんがとても美しいお芝居をされるから、私はそれを壊さないようにしつつも、「ちゃんと朱里さんへの愛を伝えなければ」と思いながら、演じました。愛を伝えるってすごく難しいことだなと思いましたが、自分なりの綾乃を演じてみたので、見てくださる方にちゃんと綾乃の想いが伝わっていたら嬉しいです。
栗山:今回の作品で、スタッフさんも私たちも大切に思うこの作品を綺麗な映像として描きたいという意識がありました。みなさんが同じ気持ちでいてくれたからこそ、キスシーンの撮影も方向性が見える中で挑めたと思います。こういう動きをしたら、愛を伝えている様子がわかるのではないかといった細かい部分まで、しっかり表現できました。
◆山本美月&栗山千明、作品の印象語る
— 作品にはどういった印象を持たれていましたか?
山本:「おとなになっても」もそうなのですが、志村先生の作品全てに共通する空気感がすごく好きです。読んだ時に、作品の中で流れる時間のゆっくりとした感じが伝わってきて、登場人物それぞれの個性や背景がしっかりと描かれているのが魅力だと思います。今回の作品もそうですが、リアルじゃないけど、すごくリアルに描かれているんです。ストーリーも素敵ですが、洗練されたスッキリとした線で書く志村先生の絵も好きです。
栗山:作品がとても優しいなという印象がまずあって、山本さんもお話ししていたように、個々のキャラクターがみんな愛おしいんです。人間味のある可愛らしい子たちばかりで、読みながら「頑張れ!」と背中を押したくなるのですが、読み終わった時には、自分も勇気をもらっているような感覚になりました。登場人物たちが成長し、それぞれが自分と向き合いながら大切な時間を過ごしているのが伝わってくるからこそ、読み終わった後に温かい気持ちになる作品だと思います。
— 「リアルだけどリアルじゃない」というのは、この作品の魅力の1つだと思います。どういった部分から感じられましたか?
山本:現実にもいるような人たちを描いているので、その点がとてもリアルですが、志村先生が描くと生々しくないんです。世界観にすっと入り込める作品だと思います。
栗山:綾乃ちゃんは、物語の最初に不倫するところから始まりますが、そのワードってドロドロにも描けるものじゃないですか。そういった部分がものすごくマイルドになっているように感じます。
山本:重々しく入ってこないですよね。もちろん、いけないことではあるけれど。
— リアリティある登場人物も魅力の1つだと思いますが、ご自身が演じる役の魅力を教えてください。
山本:綾乃ちゃんの全部好きなんですよね。夫の渉さんとのシーンも結構好きでしたし、すごく申し訳なさを感じている綾乃ちゃんの姿に、自分が結婚していることも重なって、苦しくなりました。苦しいけれど、夫の家族と一緒にいなくてはいけないようなシーンはとても現実的に描かれていて、演じていて魅力的で感情移入しやすかったです。あと、綾乃は小学校の先生なのですが、子どもとの向き合い方もすごく丁寧で、そういうところもとても素敵だと思いました。
栗山:一見クールなキャラクターっぽいですが、一番女の子らしくて登場人物の中でも共感しやすい部分が多いのではないかと思います。自分が引っ張っていこうと思ったら、逆に綾乃ちゃんに引っ張られていたり、1人家でもがいたりしている姿がとても素直だなと思います。
— 撮影をしていく中で印象に残ったシーンはありますか?
山本:海のシーンです!久しぶりの海で純粋に楽しんでしまいました。
栗山:世界観がとても印象的でした!
山本:私も!
栗山:ストーリーの中で海に行くのですが、待ちに待った瞬間でもあり、スタートでもある区切りのシーンでした。その場面での綾乃ちゃんが本当に美しくて、この作品の空気感が最も表れている気がしました。
山本:海の光が背景でキラキラと輝いていて、その光に包まれた朱里さんの美しさもとても印象に残っています。
— オープニング映像にも海のシーンがありますよね。
栗山:最初は「とりあえずお任せで」といった雰囲気で撮影していて、「どうする?」と迷いながら演じました。でも、完成した映像を見たら、すごくいい感じでした。
★インタビュー後編では、初共演となった2人の印象についてや、夢を叶える秘訣などについて語ってもらった。
(modelpress編集部)
◆山本美月(やまもと・みづき)プロフィール
1991年7月18日生まれ、福岡県出身。2009年7月、福岡在住の高校3年生の時「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリを受賞し、同年に女性ファッション誌「CanCam」の専属モデルとしてデビュー。2011年には、ドラマ「幸せになろうよ」(フジテレビ系)で俳優としても活動を開始し、『桐島、部活やめるってよ』(2012)で映画初出演。その他にNHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリンピック噺〜」(2019)、カンテレ・フジテレビ系ドラマ「パーフェクトワールド」(2019)、TBS系ドラマ「#家族募集します」(2021)、映画『ザ・ファブル』シリーズ(2019・2021)などに出演している。
◆栗山千明(くりやま・ちあき)プロフィール
1984年10月10日生まれ、茨城県出身。ティーン誌のモデルを経て、1999年に映画『死国』にて女優デビュー。映画『バトル・ロワイヤル』(2000)で注目を集め、映画『キル・ビル Vol.1』(2003)でハリウッドデビュー、2010年には「機動戦士ガンダムUC」主題歌である「流星のナミダ」で歌手デビューを果たした。主な出演作は、テレビ東京系ドラマ「晩酌の流儀」シリーズ、映画『妖怪大戦争』(2005)、NHK連続テレビ小説「カーネーション」(2011)、TBS系ドラマ「ATARU」(2012)、テレビ東京系ドラマ「けむたい姉とずるい妹」(2023)、フジテレビ系ドラマ「大奥」(2024)に出演している。
◆Huluオリジナル「おとなになっても」
2025年4⽉26日(土)よりHuluにて独占配信開始
毎週土曜 最新エピソード配信(全12話)
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