年金月5万円・73歳の紫苑が大切にする<プチプラ節約生活3つの定義>とは。「お金は決して人の心を安定させるものではない」

2024年4月19日(金)6時30分 婦人公論.jp


紫苑さん「節約は、どんなところにお金を使い、また使わないかを考えるゲーム」(写真:『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』より)

2024年1月に、年金額が昨年度から2.7%引き上げられましたが、物価高もあり、将来に備えてお金を貯めたくてもなかなか貯まらない…と悩む方も多いことでしょう。そこで今回は、年金月5万円でも楽しく暮らすブロガー・紫苑さんに、節約術やお金との向き合い方を教えていただきました。紫苑さんいわく「節約は、どんなところにお金を使い、また使わないかを考えるゲーム」だそうで——。

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「プチプラ節約生活」の定義


ここで「プチプラ節約生活」の定義、というか、わたしが大切にしていることをはっきりさせておきたいと思います。わたしの節約生活のコンセプトをまとめると次の三つになるでしょうか。

(1)健康は一番の節約です。

これは何度繰り返してもいいことだと思っています。お金を貯めても、そのために健康を損なっている人が多いと気づきました。それにもかかわらず、これまでの節約には「健康」に関する記述がほとんどなく、それはわたしにはとって大きな懸念として残ったからです。

(2)プチプラ節約は知的ゲームです。

節約は、どんなところにお金を使い、また使わないかを考えるゲームです。

あまりムキになってやるより「遊び感覚」を入れながら、ゆる〜くやるほうが楽しく長続きします。

(3)プチプラ節約は効率のいい、自分でできるお金稼ぎです。

「足りないお金は外で稼ぐ」は、これまで当然の考えでした。しかし外での仕事はストレスも多く、そのために心身を病んでいくケースもあります。

それを考えると、外で稼ぐ以上に1万円、2万円でも「楽しく節約」できる節約法は、わたしには合っていました。

また今ではSNSを利用して、家にいても稼げる可能性は大きく広がっています。

わたしにとって節約とは、お金を貯めることより、より少ないお金で不安、健康、満足、いかに自分を豊かにする暮らしができるかを考える知的ゲームになっていました。

最初は、衣食住の面でいかにお金を使わないかに腐心していましたが、いつのまにか、それが習慣になり、習慣からはずれると気持ち悪くなるほどです。

この3年、物価高のなかでもあまり変わらない金額で、より充実した生活をすることができたのは、先の三つに加えて、新たな定義=解釈、より豊かになった自分を見つけることができたからだと思っています。

お金と不安の関係


不安のない健康で満足な生活、加えて自分を豊かにする生活、これらはお金があれば誰でもできると思われがちですが、決してそんなことはありません。

わたし自身、40代から50代にかけて、それまでにない大金を持ったこともありました。でも、その当時の生活には「安心」も「健康」も「満足」もありませんでした。


『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』(著:紫苑/廣済堂出版)

子どもたちとは揉(も)め、彼らに一番不安を与えた時期でした。お金に振り回される母親のそばで、その無軌道ぶりに呆れながらも母親のどこかにある不安を子どもたちは敏感に感じ取っていたからでしょう。

その経験でわかったことは、お金とは決して人の心を安定させるものではないということです。

むしろ、これがなくなったらどうしよう、どうなる? という不安をいつもうっすらと抱いていました。

子どもたちにとっても「お金」=「安心・幸せ」とはならなかったのです。

お金がまったくなければやはり不安


だからといって、お金がまったくないという生活が安心かというと、そんなことはありませんね。

このところ「お金がなくても十分幸せ」といった書籍が数多く出され、一定数の読者に共感されているようです。

お金万能主義の反動か、お金のためにひたすら働き、心身を壊してしまった人たちの間で静かなブームになっています。

わたし自身はといえば、お金がまったくなければやはり不安は残る、という至って普通の人間です。だから少ない年金で、できるだけお金を使わないためには何をどうすればいいのかを一生懸命に考えてきました。

そしてたどり着いた場所は結局、「お金がなくてもOK」という人達のエリアにごく近い場所でした。

最適化


一言でいえば、それは「自分の最適化」です。

対象はあくまで「自分」。人は一人一人皆違います。

収入も違えば、支出を何にどう使うのか、望む生活も、やりたいことも、そして身体の状態も一人一人違う。

だから自分の「最適化」がほかの誰とも違うのは当然です。

これからの時代、かつての活気ある日本社会の姿は望めないでしょう。

社会はますます不安定になっていくのは必至です。

だからこそシニア世代も、これまでの依存性の高い思い込みや発想を脱ぎ捨て、自分なりに自立した生活を作りだしていかなくてはならないのではないでしょうか。

※本稿は、『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。

婦人公論.jp

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