『ブルーモーメント』で“完全復帰”なるか!? 海外進出を経た「山下智久」、俳優としての魅力を徹底解説

2024年4月24日(水)21時20分 All About

『ブルーモーメント』で主演を務める山下智久さんについて、元テレビ局スタッフが俳優としての魅力を解説。過去に出演したドラマや映画を振り返りつつ、今後の山下さんの活躍を予測していきます。(サムネイル画像出典:『ブルーモーメント』公式Webサイト)

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山下智久さんが、ついに俳優として本格的に復帰します。山下さんは、2024年4月24日からスタートする、『ブルーモーメント』(フジテレビ系)で民放ドラマとして5年ぶりに主演を担当。2024年はすでに『正直不動産2』(NHK総合)に出演していますが、民放ドラマの主演ということで、ワクワクしているファンも多いことでしょう。
そこで、今回は『ブルーモーメント』の放送に備え、山下さんの俳優としてのこれまでの活躍を振り返っていきたいと思います。

山下智久のプロフィールを再確認

1985年4月9日生まれの山下さんは、1996年から旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)に所属。NEWSのメンバーとしてメジャーデビューするなど、端正なルックスを生かしてアイドル、歌手として知名度を上げました。
俳優として脚光を浴びたのは、2000年に放送されたドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)です。現在でもファンが多いドラマで、山下さんはシュン(水野俊司)役で出演。アニメオタクの専門学生という、美しいビジュアルからは想像できない役となりました。

重要な役目を担う主要キャラクターで、内気で繊細なシュンを丁寧に演じます。『池袋ウエストゲートパーク』での演技が認められ、山下さんは新人として評価を得ました。

『野ブタ。』で俳優としてブレーク!

そして、大ブレークを果たしたのが2005年放送のドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)です。亀梨和也さんとW主演を果たし、2人が組んだユニット「修二と彰」のシングル『青春アミーゴ』は、累計160万枚以上という大ヒットを記録。国民的な人気を得ることになります。

山下さんが演じた草野彰は、独特な口癖を持つかわいらしいキャラクターながら、自分の信念に従って行動する魅力ある役でした。亀梨さんが演じた桐谷修二とのコンビネーションも良く、演技力の高さを証明することになります。

アイドルながら、演技派俳優として進化を遂げる

『野ブタ。をプロデュース』のヒット、さらにアイドルとして人気が高まったことで、山下さんはさまざまな作品に出演することになります。
そんな中でも転機になったのが、2006年に放送した『クロサギ』(TBS系)でしょう。この作品で演じた黒崎高志郎は、『野ブタ。』で演じた彰と全く異なる、ダークでクールな役。大ヒット漫画が原作のドラマで、詐欺師のみをターゲットにする「詐欺師」の暗躍が描かれます。

黒崎は、人の欲望や暴力が渦巻く詐欺師の世界でひょうひょうと生き抜くキャラクターで、彰とは対象的な役どころ。ドラマは高視聴率をマークし、劇場版も制作されたことで山下さんは映画初主演を達成します。主題歌の『抱いてセニョリータ』も大ヒットし、立て続けに話題作で主演を務めることになりました。
その後の快進撃はすさまじく、『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)では長澤まさみさんとW主演を担当し、切なくも熱いラブストーリーを熱演。『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』(フジテレビ系)など、恋愛作品での正統派な演技も見事で、俳優として確固たる地位を築き上げます。
そして、いまでも山下さんの代表作に挙げるファンも多い、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)に出会うことになります。

大ヒット作品『コード・ブルー』から続く、圧倒的な存在感

『コード・ブルー』で山下さんは、主人公の藍沢耕作をシリーズ通して担当。ドラマは大ヒットしシリーズ化され、映画『劇場版 コード・ブルー −ドクターヘリ緊急救命』は、興行収入92億円を超える大ヒットを記録しました。

説明不要なほどに大ヒットした『コード・ブルー』シリーズは、医療ドラマで初めて「ドクターヘリ」を題材とし、ミスが許されない救命救急の現場を描き続けました。藍沢は当初、経験を人より多く積んで早く名医になりたいという野心家で、難しい性格を感じさせるキャラクター。協調性を欠く行動もあり、どこか生意気で「自信家の嫌な奴」という印象でした。
そんな藍沢は、恩師や同僚たちとぶつかり合い、さらに患者と向き合うことで本物の医師に成長していきます。人間味があふれるようになる藍沢を、山下さんは表情や動作、セリフの強弱で見事に表現。

これまで例のなかった題材の作品であり、山下さんは藍沢を演じるにあたって手探り状態だったことでしょう。特に、シリーズや劇場版では藍沢が置かれている立場も変化するので、役作りも難しかったと思われます。大ヒット作品の主演という重圧もある中、常に魅力を増して藍沢を演じきったことで、若手俳優としてその演技力は高く評価されることになります。
さらに、『アルジャーノンに花束を』(TBS系)では知的発達障害のある青年、漫画原作の映画『あしたのジョー』では矢吹丈を演じ、全く設定も性格も違う役を演じます。ヒット作を期待されるプレッシャーがある中で、それぞれの役になりきれる演技を見せるのが山下さんのすごいところ。日本の映像作品において、なくてはならない俳優に成長します。

事務所退所後、山下智久の“第二章”がはじまる

日本を代表する俳優になった山下さんですが、2020年10月に長く在籍した旧ジャニーズ事務所から突然独立することになります。当時ジャニーズ事務所を辞めたアイドルやタレントは、テレビ出演が難しくなる傾向にありました。
山下さんも例外ではなく民放テレビ局から姿を消し、主に活動の場を海外に移すことになります。その間は、配信ドラマ『THE HEAD』(Hulu)、『今際の国のアリス シーズン2』(Netflix)などに出演。いくつかの作品に出演しますが、独立後で印象的なのが『正直不動産』(NHK)で演じた永瀬財地です。

2022年4月から放送された『正直不動産』は漫画原作のドラマで、不動産業界が舞台。主人公の財地は契約のためなら手段を選ばないやり手営業マンでしたが、とあることがキッカケでうそがつけない体質に……。途端に営業成績はガタ落ちになりますが、正直者だからこそ人の心を動かし、さまざまな心温まる奇跡を起こし続けます。
山下さんは、ドラマの序盤では裏表がある「性悪」なキャラクター像を構築。うそがつけなくなってからはドタバタ感が増し、コミカルな演技も交えながら財地の変化を演じます。歳を重ね演技の幅が広がったことで、コメディー部分でも表情やセリフ回しが面白くさすがの一言。新人社員役の福原遥さんとのコンビネーションも抜群で、山下さんの新しい一面を魅せる作品になりました。2024年1月からは続編となる『正直不動産2』も放送されました。

5年ぶりの民放ドラマ主演で高まる期待

そして2024年4月、これまで山下さんと数々の名作を生み出してきた、フジテレビとタッグを組むことになる『ブルーモーメント』がはじまります。気象災害の現場において救助を行う組織・SDM(特別災害対策本部)が舞台のドラマで、山下さんは気象研究官を務める主人公・晴原柑九朗を担当。小沢かなさんの漫画が原作のドラマで、本格的な気象をテーマとした新機軸の作品となります。

気象学の天才である晴原は頭脳明晰(めいせき)で、人命がかかる中で気象災害を相手に奮闘。毒舌で周囲とぶつかることが多いキャラクターで、『コード・ブルー』を思い出してしまうところです。大ヒットの予感がプンプンとするドラマで、シリーズ化や劇場版などファンとしては期待がふくらみます。

民放復帰は再ブレークの兆し、山下智久“大復活”へ!

前述した通りに、山下さんは旧ジャニーズ事務所を退所したことで、少なからずテレビ出演に影響を受けました。そんな中、『ブルーモーメント』で5年ぶりに民放ドラマ主演を担当することになり、“完全復帰”したといえるでしょう。
テレビ業界では、旧ジャニーズへの「忖度(そんたく)」がなくなりつつあり、山下さんを始めとした事務所を退所したタレントも活動しやすくなりました。『ブルーモーメント』は注目度が高いこともあり、山下さんとタッグを組んでドラマを作りたいというテレビ関係者が、次々と出てくることが予想されます。まさに再ブレーク間近。海外進出も経験してさらに進化した山下さんの演技を、『ブルーモーメント』も含め、今後はさまざまな作品で見ることができそうです。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。
(文:ゆるま 小林)

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