唐十郎没後1年、紅テントで「紙芝居の絵の町で」再演…演出の久保井研「教わったことを若手に伝えたい」

2025年4月24日(木)17時0分 読売新聞

「紙芝居の絵の町で」について語る久保井研さん=山内則史撮影

 劇団唐組が「紙芝居の絵の町で」(作・唐十郎、演出・久保井研+唐)を5月4日〜6月8日の週末を中心に、東京・新宿の花園神社、雑司が谷の鬼子母神にあかテントを立てて上演する。

 5月4日は座長・唐の没後1年。東京公演初日は5月第1土曜が通例だが、「我々にとって忘れられない日。あえてこの日にした」と久保井は語る。

 「紙芝居——」は2006年初演で、今回は14年以来の再演。使い捨てコンタクトレンズのセールスマン・牧村が肌身離さず持ち歩く1冊「紙芝居集成」には題名不詳、作者・作画不詳の1枚の絵が載っている。絵の謎を追って牧村は、往年の売れっ子紙芝居屋・情夜涙子じょうやるいこのアパートに通う。

 久保井は執筆当時の唐を「時代をどう読み解こうか、すごく考えていた」と振り返る。「世の中の理不尽、不可解を追い、大きな力にのみ込まれかけている人たちを浮上させようと、あらがいづらい波に唐的発想でぶつかろうとしていた」

 唐に教わったことは山ほどあるという。「自分もいつまで芝居がやれるんだろっていうのがあるから、一緒に作りながら、若手になるたけ多くを伝えたい」

 出演は久保井、藤井由紀、福原由加里、加藤野奈、大鶴美仁音、友寄有司、長橋遼也ほか。岡山市、水戸市、長野市でも公演する。(☎)03・6913・9225。

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